凝った開閉機構を採用したボディは、本体サイズが319.9(幅)×199(奥行き)×17.85(高さ)ミリとなっている。
厚さを実測してみたところ、本体部は10.5ミリと薄く、液晶ディスプレイ部は7ミリあった。VAIOのモバイルノートPCでは、液晶ディスプレイ部が非常に薄い製品も見られるが、VAIO Duo 11はタッチパネルの強度を確保するためのガラスが表面に貼り付けてあるため、やや厚めの作りだ。それでも全体の厚さは17.85ミリと、18ミリを切っており、Ultrabookの要件(14型未満は厚さ18ミリ以下)をきちんとクリアしている。
フットプリントは、11型クラスのUltrabookとしてはやや横に長いが、奥行きは短い。タブレットモードにおいて、液晶ディスプレイのフレーム部を握ることを想定し、左右のフレーム部は厚めにスペースを取っており、そこからさらに約6ミリずつ左右に本体が張り出しているため、やや横に長いサイズとなっている。
重量は店頭モデルで約1.305キロ、直販モデルで約1.29キロ以上(構成によって異なる)だ。実測したところ、店頭モデルは1.286キロ、ほぼ最上位構成となる直販モデルは1.295キロと、公称値よりわずかに軽かった。
11型クラスのUltrabookでは特別軽いほうではないが、タッチパネル関連の仕様を考慮すると、かなりの軽量に仕上がったといえる。さすがに、タブレットモードの状態で片手持ちして使うのには無理があるが、モバイルノートPCとして持ち運びが苦にならないサイズと重量だ。
ボディの素材についても確認しておこう。薄さと軽さ、堅牢性、質感など、モバイルノートPCに求められる多数の要素を考慮し、適材適所の素材を用いている。
液晶ディスプレイ部の表面は強化ガラスだ。その上にタッチやペンの操作感がよくなるコーティングを施している。液晶ディスプレイのフレーム部は樹脂で、側面のヘアラインが入っている部分はアルミニウム、ディスプレイ部の背面はマグネシウム合金を用いた。PC本体部のキーボード面から側面はヘアライン加工のアルミニウム、底面はガラス繊維入りの強化ナイロン樹脂だ。液晶ディスプレイのヒンジ部はマグネシウム合金を多用し、一部にアルミニウムも使っている。
ちなみにVAIOの高級モバイルノートといえば、軽くて強度が高いカーボンファイバー素材の天面や底面が思い浮かぶが、今回はどこにも採用していない。VAIO Duo 11の場合、天面は液晶ディスプレイ表面となるため、強化ガラスが用いられ、底面にはNFCを内蔵したことから、電波を通しやすい強化樹脂が適している。今回に限っては、カーボンを使うべき最適な場所がないというわけだ。
底面が樹脂ということで、質感が気になるかもしれないが、まったく問題ない。底面はサラッとした感触のマットな塗装で指紋が付きにくく、マグネシウム合金と思ってしまうほど。液晶ディスプレイの表面はガラスのため、指紋がやや付着しやすいものの、平滑で硬質な表面が上品な印象を与える。また、キーボード面と側面をヘアライン加工のアルミニウムで固めているため、全体の高級感はなかなかのものだ。
ボディの剛性感も高い。キーボードモードで本体の端を片手で握って持ち上げてみても、ボトムカバーがたわんだり、へこんだりすることはなく、薄型の本体ながらガッチリ作られている。
なお、新しいボディデザインの採用に伴い、ソニーはVAIO Duo 11用の品質試験装置を用意し、独特な機構を採用した液晶ディスプレイ部の開閉試験、液晶ディスプレイ部に鉄球を落下させる耐衝撃試験、本体をさまざまな角度で高い位置から落とす落下試験など、多くの試験を重ねて堅牢性が保たれていることを確認したという。
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