日本マイクロソフトが6月18日に発売した個人向けの「Surface Pro(第11世代)」と「Surface Laptop(第7世代)」は、AIに関する処理性能を強化した「Copilot+ PC」の初号機として登場した。
同社はプロモーションであまり言及していないが、両モデルはArmアーキテクチャベースのCPUコアを備えるSoC「Snapdragon X Plus」「Snapdragon X Elite」を搭載している。Armアーキテクチャは、従来のWindows PCで広く使われてきたIntel(x86)アーキテクチャのCPUとは命令体系が異なるため、アプリはArmネイティブのものか、エミュレーションを介してIntelアーキテクチャのものを使う必要がある。
Copilot+ PCには興味があるものの、Armアーキテクチャゆえにアプリがしっかり動くかどうか不安で踏ん切りが付かない――そんな筆者のもとに、日本マイクロソフトから「Surface Pro(第11世代)かSurface Laptop(第7世代)を使ってみませんか?」という誘いがあった。ちょうど良いタイミングだったので、同社の誘いに乗ってSurface Pro(第11世代)を長期間レビューすることにした。
今回は、レビューするSurface Pro(第11世代)の概要と、普段通りに使おうとしていきなり“困った”話をしようと思う。
長期レビューするSurface Pro(第11世代)は、発売時点における最上位構成だ。Microsoft Store(直販サイト)における販売価格は39万4680円となっている。具体的な仕様は以下の通りとなる。
SoCのSnapdragon X Elite X1E-80-100は、「Snapdragon X Elite」の上から2つ目のモデルだ。CPUコアは最大3.8GHz駆動で、2コア限定で4.2GHzまでブーストできる。GPUはコアQualcomm独自の「Adreno」で、DirectX 12をサポートする。目玉のNPU(ニューラルプロセッサ)はQualcomm独自の「Hexagon」で、ピーク時の処理性能は45TOPS(毎秒45兆処理)だ。
SSDはM.2のType 2230(幅22×長さ30mm)で、モジュールの入手性はさておき、ユーザーでも比較的簡単に交換できる構造だ。ただし、公式には認定技術者による交換が必要とされている。自分で交換するのは“自己責任”となるので注意しよう。
2基のUSB4端子は、USB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応している。3.5mmイヤフォン/マイクジャックは備えないので、音声を有線で出力したい場合はUSBオーディオデバイスを用意する必要がある。
OSはWindows 11 Homeをプリインストールしているのだが、一般向けにはまだリリースされていない「バージョン24H2」となっている。これはArmアーキテクチャのCopilot+ PC向けの“先行リリース”という位置付けのようで、Snapdragon X Plus/Eliteを搭載する現行のCopilot+ PCは、全てこのバージョンが初期搭載される。
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