私は普段からよくお茶を飲む方なのですが、高校生くらいまではジャスミン茶が全く飲めませんでした。(今では好んで飲むのですが)ジャスミン茶には独特の風味があるため、その点で苦手意識を持ってしまっていたのかもしれません。
さて、今回はそんなジャスミン茶に関する話題です。昔から疑問に思っていたのですが…「ジャスミン茶」という名の通り、原料はあのジャスミンの花なのでしょうか?
▲ハゴロモジャスミン(参考)
せっかくなので、今回は他のお茶の原料や特徴も含めてまとめてみることにしました。
ジャスミン茶の原料とは?
まずは本題から入りますが、ジャスミン茶(茉莉花茶)の主たる原料はチャノキ(ツバキ科)から採れる茶葉です。この茶葉にジャスミンの花の香りを吸着させていることが、「ジャスミン茶」という名前の由来です。使用されているジャスミンはモクセイ科ソケイ属のアラビアジャスミンで、マツリカと呼ばれることもあります。
▲アラビアジャスミン(マツリカ)の花
元々は品質の落ちた茶葉を美味しく味わう目的でジャスミンの香りを付けるようになったと言われ、中国では日常的に飲まれています。日本でも人気のあるお茶の一つで、沖縄では「さんぴん茶」という名前で親しまれています(※)。
(※一般的に、ジャスミン茶とさんぴん茶は同じものとして扱われています)
さまざまなお茶の原料・特徴
せっかくなので、ジャスミン茶以外のお茶についても原料や特徴をまとめてみました。
※ここでは麦茶やそば茶など、比較的原料がわかりやすいお茶は割愛しています。
緑茶
原料:チャノキ(ツバキ科)
特徴:おそらく日本で最も知られているお茶です。茶葉から作るお茶のうち、葉を発酵(酸化)させていないものを指します(不発酵茶)。
緑茶は茶葉の収穫時期や加工方法により、呼び名が以下のように異なります。
【煎茶】一般的なお茶のことで、茶葉を蒸して揉みながら乾燥させたもの。
【玉露】日光を遮って育てた茶葉を煎茶と同じ方法で加工したもの。
【新茶】その年に最初に伸びた新芽を煎茶と同じ方法で加工したもの。一番茶とも呼ぶ。
【二番茶】二番目に伸びた新芽を煎茶と同じ方法で加工したもの。
【三番茶】三番目に伸びた新芽を煎茶と同じ方法で加工したもの。
【番茶】ある程度成長して固くなった茶葉を煎茶と同じ方法で加工したもの。
【芽茶】煎茶の製造過程で生じる芽や葉の先端を抽出したもの。
【茎茶】煎茶の製造過程で生じる茎や葉の柄を抽出したもの。
【ほうじ茶】煎茶・番茶・茎茶などを焙煎したもの。
【玄米茶】煎茶・番茶などと、炒った玄米などの穀物をブレンドしたもの。
【抹茶】蒸した茶葉を揉まずに乾燥させ、すり潰して粉状にしたもの。
烏龍茶
原料:チャノキ(ツバキ科)
特徴:茶葉から作るお茶のうち、葉を一部発酵(酸化)させたものの一つ(半発酵茶)。
紅茶
原料:チャノキ(ツバキ科)
特徴:茶葉から作るお茶のうち、葉を全て発酵(酸化)させたものの一つ(発酵茶)。
プーアル茶
原料:チャノキ(ツバキ科)
特徴:茶葉から作るお茶のうち、葉を菌によって発酵させたものの一つ(後発酵茶)。
ルイボスティー
原料:ルイボス(マメ科)
特徴:ルイボス(アスパラサス・リネアリス)の葉や枝を乾燥させたもの。南アフリカのセダルバーグ山脈でのみ生産される。
マテ茶
原料:マテ(モチノキ科)
特徴:マテの葉や枝を乾燥させたもの。主に南米で生産される。
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