主人公「オレぁ…オレたちは…レスキュー”隊”なんだよ…!!」
テーマ曲、バァ~~~~~~~~ン!!!!!!
ロボ、銃ババババッバッバッババッバアッバッバ!!
ロボ、パンチドガァァアアアアアアアアッッッッ!!
飛行機、ガァァアアアーーーーーーン!!
兵器、ピュシューーーーーーーーー!!
主人公「どうだ?マトイテッカー急速冷却…これが高機動救命消防隊、バーニングレスキューの、チぃいいいムワぁぁぁあクだ!!」
カッコイイ文字で
「バーーーーニングレスキューーー!!!」
ババーーーーーーーン!
主人公「恐れいったかァ!好きで裸になったワケじゃねぇ!」
ライバル「そんなこと思っちゃいない…」
主人公「一消火完全燃焼、燃える火消し魂のガぁぁロっ!ティモス様だァァ!!よ~く覚えときなマッドバーニッシュの親玉ぁ?」
ライバル「リオだ…リオ・フォーティア…」
カッコイイ文字で
「リオ・フォーティア!!!」
ババーーーーーーーン!
ニラみ合う二人、ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
…俺「う、ウワーーーー!カッコよすぎるーーーーーー!ありがとーーーーー!あーーーーー!すごい映画だった!!はーーーーー、楽しかったーーーーーーー!!!」
…
時計見たらまだ10分しか経ってなかった
どういうことだ…ストーリーでいうと序の序の序…時間感覚のバグが起きてる…意味がわからない…
結果、2時間ずっとこれだった。最初から最後までなにもかもがクライマックス。目と耳の限界を映像が次々と超えてきて臓器取れそうだった。
例えるなら「永遠に当り続けるパチンコ台」。デカイ音と派手な映像がそれ以上のデカイ音と派手な映像で上書きされ続けて快楽でドロドロになってく。テンションのポイントが「MAX100点」だと思ってのが、最終的に「954426595494491161億兆点」になった。
『ダイの大冒険』で言うところの「今のはメラゾーマではない…メラだ…」が5分おきにくる感覚。こっちは全部メラゾーマだと思ってるのにメラですらなかった。「今のはメラゾーマではない…ノだ…今のもメラゾーマではない…メだ…今のもメラゾーマではない…メーだ…」って一画ずつくる。はやく殺せ。
映像と音だけじゃなく「魅せ方の王道感」がこの無限激熱をさらに増幅させていた。「歌舞伎とアメコミの悪魔合体=最強」の方程式が爆誕し、
カッコイイセリフ→キャラ名前バァァーーン!→カッコイイ曲ジャーーーーン!
カッコイイ武器→「○○(技名)だァ!!」→技名バァァーーン!→カッコイイ曲ジャーーーーン!
と、理想どおりの流れてほしい最高にカッコイイ文字、最高にカッコイイ曲がそのまま映し出されて「ハイ!いま!いまここ最高にめちゃくちゃ超カッコイイ場面!」とド正面から思っきりぶつけられ、観てる側も恥ずかしがらずに「か、カッコイイいいいいい~~~!アアアーーーーーー!!」と精神年齢が低下しバカになる。
演出が来るたび、「そういうの大好きだ」「そういうの大好きだ」「そういうの大好きだ」「そういうの大好きだ」の無限とびら開けて状態になっていた。俺がアナだったら狂ってた。
そして、それを最大限に活かしたネーミングのインパクト。特に
・「滅殺開墾ビーム」
・「瞬砕パイルドライバー」
・「絶対零度宇宙熱死砲」
小学生男子かサンシャイン池崎か椎名林檎しか使わないような画数の多いカッコイイ漢字、カタカナの羅列。脳みそ丸の内サディスティックした。
そんな超パワー演出を支えているのがキャラやストーリーの圧倒的「わかり感」。キャラが出てきた瞬間に「こいつはこういう奴か…?」というのを一瞬で理解できる。そしてそれを1ミリも裏切らない。一人ひとりの掘り下げはそこまで深くないものの、ちょっとした仕草や言動で性格や関係性などを暗に表してる。
例えば、OPのバーニングレスキューメンバーの出動要請シーンひとつとっても、
・待機時のそれぞれの行動(コーヒーを飲んでいるレミー、音楽を聴きながら寝ているアイナ、メカをいじってるルチア、バスケをしているバリス、メカの手入れをしているイグニス…)
・メンバーそれぞれの趣味嗜好がダダ漏れのロッカー
他にも序盤ピザ屋のシーンで、
・ピザを食べてるときのメンバーの表情
・ルチアの「金になる発明は邪道」
・レミーが腕を出してルチアの風よけになっている
等々…ワンカットワンカットの「一瞬における緻密」さがハンパじゃなくキャラが登場して数秒で「ハァ…全員…愛おしい…」ってなってた…俺はこの瞬間に「なって」しまった…一番なりたくなかった初対面で「俺たち友達だよな!?」って距離詰めてくるパーソナルスペース壊れウザ陽キャ野郎に…
いかに限られたカットのなかでキャラ同士の関係性を明白にさせてそれを見ている人間に理解させるか…それが完璧になされてる。アニメ版進研ゼミ。
それに反比例するかのようにバトルシーンではひたすら勢いとノリで殺しにくる魔神と化す。とんでもなくデカイ鉄球振り回して「破壊ーーーー!破壊破壊破壊ィィイイイーーーーー!」ってやってる。これが2時間、とんでもないスピードで挿入され続ける。1分1秒の情報量の速さが大谷翔平。ともすれば置いてけぼりになりかねないほどの超速描写が絶えず目に飛び込んでくるからこそ、全感覚がユルくなって「考える前に感じる」ことができる。
ストーリーは「予定調和」というのが最大の褒め言葉、良い意味で含みも伏線も一切ない。そもそも「隠す気」がない。ハト消してさらにデカいハトを出す、これだけ。
「コイツが実は黒幕で…」「ここでコイツが真の力得て…暴走して」「ここで2人が協力して…」「コイツは実はアレで…」
…なにもかも思った通りになる。言ってほしいセリフ、してほしい行動が全部ドリームズカムトゥルー。前述した理想どおりのカッコイイ文字、カッコイイ曲と合わせて自分の思考が次々と映像になる怖さと気持ち良さ。スタッフロールの最後に「and… you!」ってマジで入れてほしかった。
そして声。「このキャラにはこの声しかねえ」が完全に具現化されており声優だの俳優だのが全く関係ない最高の世界がそこには広がっていた。
独特の言葉のイントネーションが真っ直ぐにしか生きられない性格をさらに引き立ててる松山ケンイチのガロ、艶と無垢さを兼ね備え少年性とカリスマ性を完璧に両立させてる早乙女太一のリオ、かわいいだけじゃなく芯の強さがある佐倉綾音のアイナ…
堺雅人のクレイに至っては堺雅人がいたからクレイが生まれたのかクレイが先にいたから堺雅人は堺雅人になったのかワケわからなくなるくらいに堺雅人はクレイでクレイは堺雅人、全沢直樹。
心の底から「遠くから見たくない」と願いました。作品の熱量の火に少しでも近くで当たりたくて、自分のほうからどんどんどんどん画面に近寄ってって最終的には画面かじりたくなった。映画見てて「画面たべたい」と思ったのは初めてでした。
「消防バトルもの」なんですが、心の中に一生消えない火を点けてくれるアニメ…いや…
ここぉぉおおおろのなかァァあああああああにいいいいいい、いいっっっしょぉおおうきえないひをぁォオオオオオオオオ〜〜〜〜〜〜〜!!!(ここでタイトルロゴバァァアアアーーーーン!!!END)