2024年も残りわずかとなった。新潟県内ではこの1年、能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。火災が相次ぎ、輪島市では市街地が広範囲で延焼した。やコメの品薄が暮らしを動揺させた一方、「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」の世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録やパリ五輪での県勢の活躍が県民を沸かせた。ニュースの現場を駆け回った記者の視点で振り返る。(3回続きの2)
◆[佐渡島の金山]悲願の世界遺産登録、文化と政治の間で揺れ
四半世紀以上におよぶ県民の悲願が結実した瞬間だった。7月27日、インド・ニューデリーで開かれた世界遺産委員会で「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録が決まった。
最大の懸案は「戦時中に朝鮮半島出身者が強制労働させられた現場だ」と主張する韓国への対応だった。世界遺産委で日本政府は、佐渡市の相川郷土博物館で新たな展示を行うと表明。「強制労働」の言葉は避けつつ、朝鮮半島出身者がより過酷な環境で働いていたとのデータも示した。
水面下の交渉で推進力となったのは、岸田文雄首相(当時)と尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が築いた...