プロボクシング前WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニー(34=オーストラリア)が、WBOアジア・パシフィック同級王者那須川天心(26=帝拳)に「格の違い」をみせつける意気込みを示した。24日、東京・有明アリーナで那須川との同級10回戦を控え、18日には都内で練習を公開し、シャドーボクシングを披露。報道陣の質問にも応じた。

プロ31戦目を迎え、過去5度の世界戦も経験しているモロニーだけに余裕の表情を浮かべた。「那須川選手はプロキャリア6戦目で、前世界王者と戦う。彼にとっても大きなチャレンジになる。試合を受けたことには彼の心の強さを感じる。自分は正しく戦い、正しく勝って、那須川選手の上に立つ。彼にはこの挑戦がまだ早すぎたことを分からせたい」と自信を示した。

昨年5月、東京ドームで武居由樹(大橋)に敗れて王座陥落して以来、約9カ月ぶりの再起戦となる。2試合連続のサウスポーとの対戦となるモロニーは「今回は第2のチャンスをもらうことができた。残念ながら昨年5月は負けたが、その痛い経験から、チャンスをもらえた。まだ日本に戻ってこられてワクワクしている。大きなチャンスだと思っている」と声をはずませた。

那須川について「スピードがあって良い目を持っている大変に優れた選手だ。優れた運動能力もある。たくさんの(SNS)フォロワーがいて、試合に高い期待を持ってくれている人もたくさんいると思う」とワクワク感を口にした。現在の世界ランクはWBA2位、WBC3位、WBO3位、IBF13位の那須川に対し、モロニーはWBCとIBFで5位、WBO6位にランク。上位ランカー対決となる。

モロニーは「那須川選手を倒す。彼にとっても大きな試合で人生を変えることになると良く分かっているが、自分と自分のチームにとっての人生もより良く変えるチャンスだ。ここから大きく前進してまた世界王座に戻るためには那須川戦を越えなければならない。王者になるためにも通過点にしたい」と気合を入れ直した。

指導を担当するアンジェロ・ハイダー・トレーナーは「(那須川の)これまで対戦してきた相手と違い、今回の相手は大変、ハードだ。今までのガードを上げて戦わないような平凡な選手ではない。(モロニーが)どんなビースト(野獣)になっているかを楽しみにみてほしい」と強調。モロニーは「どんな試合になっても勝ちたいし、KOで勝つ。自分はハードなファイトを希望している。そういった厳しい試合に勝つことが特別なものなる。自分の持ちうるすべての経験、志、強い心、内に秘めたものをすべて出していきたい」とキッパリ。得意の打ち合いに持ち込む可能性も示唆していた。