今回の共同会見は室内で行われ、会場の外に次の選手が待っている。2予9R後に最初に現れたのは西村光太で、村田祐樹が通路に控えていた。「どうや調子は?」と声をかけると、蚊の鳴くような声で「あんまり手応えない感じです…」と笑顔なく答えた。しばらく話したら笑顔になるかなと思っていたが、最後まで小声だった。2日目に取り上げた志田龍星はネガティブキャラで売り出し? 次の村田はボソボソキャラ…。個性が光る中部軍団だった。
2予は本線がしっかり勝ち上がる中で、改めて戦法の確立が大切だと感じた。例えば8R。志田は他のラインの先行はないと分かっており、別線も志田の4番手が欲しいと思っている。そこがレースから緊張感が生まれない一因だと思う。4着上がり(正確には1人落ち)の間口が広い勝ち上がりは、流れを重視し、乱す選手が少なくなった。やはり自分でレースを作る選手は強い。先行選手だけがレースを作るのではなく、自在や追い込み選手にも必要なものだ。権利取りでなく戦法の確立が、結果的に勝ちへの近道だと感じた。
準決10Rの村田は、突っ張り先行で行けるところまで行くことを貫こうとしている。121期なので今は挑戦者の立場。これが正解だ。しかし、これから徐々にそうでなくなる時が来る。その時にどうするかが大切だ。今は先行に磨きをかける時期。まずは逃げ切りをイメージすること。そこに浅井康太-皿屋豊が続いて、決勝を盛り上げてほしい。(日刊スポーツ評論家)