CyDesignationが人材募集! 吉田明彦氏とともに切り拓く新しい世界

インタビュー/文:伊藤桃香(ヴィ) 撮影: 映音写実技研 映像:佐藤ポン
『グランブルーファンタジー』などのアートワークを担当するCyDesignation(サイデザイネイション)が、クリエイターを大募集! 最高・最強の制作環境で、憧れのクリエイターと一緒に作品を創りたい人は要チェックです。
今回の人材募集にあたって、CyDesignation取締役でありアートディレクターでもある吉田明彦さんにお話を伺いました。吉田明彦さんといえば『グランブルーファンタジー』や『ロストオーダー』といった超大作のキャラクターデザインを務めているレジェンド的クリエイター。社内の環境や雰囲気はもちろん、クリエイティブの哲学についてもお話いただきました!


設立のきっかけは、代表の皆葉※がフリーランス時代に「理想のコンテンツを一人だけで作るのは難しい。価値観を共有できる仲間を集めれば、プロジェクトに深く関わり、グラフィックの完成度を高めることができる」と実感したためだと聞いています。僕もフリーランス時代に皆葉と会い、その志に共感してこの会社に入ることを決めました。

──会社としての代表作を教えてください。



そうですね、前職からお付き合いのある仕事にも、関わらせていただいています。『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』、『ファイナルファンタジーXIV』、『NieR:Automata』などのアートデザインを担当しています。ちょっと変わった取り組みとしては、2013年に式年遷宮が執り行われた伊勢神宮の映像のアートディレクションも担当しました。

▲ PlayStation®4向けアクションRPG『NieR:Automata』はスクウェア・エニックスより好評販売中。
吉田さんはパッケージアートとメインキャラクターデザインを担当しています。
© 2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by PlatinumGames Inc.
──すごい作品数ですね……! これらに関わっているCyDesignationの代表メンバーを教えてください。

皆葉英夫、相場良祐、河崎淳、僕の4人が役員で、アートディレクターやキャラクターデザイナーでもあります。その下に、現在『グランブルーファンタジー』のメインの背景アートを担当している堀壮太郎と、前回「DESKWATCH」でご紹介いただいたデザイナー・永井悠也がいます。若手では大原遼士と頼哲康というクリエイターもおりまして、堀、永井、大原、頼が弊社の次世代を担う人材になると思っています。

ゲーム会社に入る前は、普通のデザイン会社でグラフィックデザインの仕事をしていました。でも、やっぱり「自分がやりたいのは絵の仕事だな」と思い直したんです。小さい頃からイラストレーターや漫画家になりたいという夢もありましたから。

とはいえ、当時はイラストレーターも漫画家も狭き門だったので、職業イラストレーターで食べていくのは不可能だとも考えていました。そしたらゲーム会社の求人広告があったので、当時はそれほどゲームに興味もなかったんですが(笑)、ここでなら絵を描けそうだと思って入りました。それが株式会社クエストです。
──クエストといえば『伝説のオウガバトル』や『タクティクスオウガ』ですね! 入社してすぐに『伝説のオウガバトル』に取りかかったんでしょうか?

いえいえ、その頃はファミコンとPCエンジンの時代でしたから(※)。一番最初に関わったのは、シグマ商事さんから発売された『ムサシの冒険』というゲームです。
途中参加で、数体のモンスターデザインを担当したのですが、当時はデザインしたあとにドットやCGに起こすわけではなく、デザイナーがそのままドットを描くという文化でした。そのため、アートというよりはドットデザイナーとして仕事をしていましたね。
※『伝説のオウガバトル』は1993年発売のスーパーファミコンのシミュレーションゲーム。好きなユニットを編成・配置して進軍するゲームシステムと、魅力的なキャラクターによって非常に高い人気を博しました。

▲ 今でもアナログの作業は多く、0.3mmのシャーペンのほか、練り消しを常備。さらにお気に入りの消しゴムをご紹介いただきました。「これめちゃくちゃ消えるんですよ……!」

──その後移籍されたスクウェア(現スクウェア・エニックス)時代はどんなタイトルに関わっていたのでしょうか?

『ファイナルファンタジータクティクス』が最初ですね。この開発では、アート寄りのデザイナーといいますか……僕は基本的にキャラクターデザインしかやっていなくて、ドットや実機はいじりませんでした。パイロット版のモデルをつくるときには、自分でもCGをいじってテストモデルをつくったりしましたが、実作業としてはアート系だけ担当していました。
その後の『ベイグラントストーリー』※では、アートデザインだけではなく、実機もよくいじっていたんです(笑)。自分の性分として、絵ばかり描いていると飽きてしまうといいますか……元々ゲームのグラフィックデザイナーとして業界に入ったので、やっぱりゲーム画面をつくるのが一番好きなんですよね。だから『ベイグラントストーリー』では背景モデルの監修をしたり、自分でポリゴンモデルをいじって、テクスチャを修正していました。

▲ 吉田さんの本棚には『ベイグラントストーリー』時代から大事にしている書籍が! 付箋(すでに変色している)が貼ってあるところみて「あ~、これアレに困ったときにずっと見ていたやつだ」と懐かしそうにお話いただきました。

当時はデザインした絵をそのままポリゴンモデルにするのは不可能でした。ポリゴン数やテクスチャの都合で、デザインをそのまま再現できないことが多々あって。そういうときは、僕がモデルを直接修正して、デザイン変更をしていました。『ベイグラントストーリー』の初期にあげたキャラクターデザインと、実際のポリゴンモデルのデザインが全然違うのは、つくりながら変えていったからなんです。
──キャラクターデザイナーさんが、ポリゴンモデルまで修正するというのはすごいですね!

昔のデザイナーはみんなそうだったんです。一人で何でもやるスタイルでした(笑)。
『ファイナルファンタジーXII』も同じように、背景モデルの監修をしていました。キャラクターデザインやイラストを描いていたのは、全体の開発期間のなかでは本当に短い期間だけでしたね。
ただ、技術の進歩によって、作業の物量もどんどん増えたのでほどほどの所で止めました。そしてプレイステーション3の時代になってからは、まったく実機をいじらなくなりました。あまりにも工数が多すぎて、自分でやろうと思うと何日も潰れてしまうんです。僕のような元ドッターが、仕事の合間に蓄積した3D技術なんかでは太刀打ちできない領域になってしまったので……。
──その後、フリーランスを経てCyDesignationに入社されたんですね。

そうですね。当時のスマホアプリの表現能力は、プレイステーション2から2.5くらいだったんですよね。皆葉にも飲みの席で「この会社に来れば(吉田さんの)一番好きな開発環境があるぞ」と言われまして、それが入社の一番大きなきっかけになりました。

▲ 「結局、働くのだったら一番楽しいところがよくて、それが自分にとってはここだった」と語る吉田さんでした。

──CyDesignationを端的に表すとしたら、どんな会社でしょうか?

──社内の雰囲気はどんな感じでしょうか?

照明がちょっと薄暗いです(笑)。というのも液晶タブレットを使っているので、どうしても反射をおさえるためにライトを外さないとならず……。それでも、前回取材に来ていただいたときよりは少し明るくなりました。
みんな黙々と絵を描いているので静かといえば静かですが、そんなに規模の大きくない会社なので雰囲気は良い意味でゆるいです。ただCygamesさんと同じフロアですし、あちらのクリエイターと一緒に仕事をすることもあるので、そこで刺激を受けたり、切磋琢磨したりもしています。
──クリエイター同士で刺激しあえる、素敵な環境です。備品や機材については、どんな感じなんでしょう?

PCは最新のものを揃えていて、非常に高性能です。ただ、OSは保守点検の関係でWindowsにさせていただいています。
タブレットは、板タブでも液タブでも好きな方を選べますし、サイズも指定できます。モニターも使いやすいようにデュアルにすることも可能ですし、人によってはトリプルモニターにしていたりしますね。当たり前ですが、ソフトウェアも使いやすいものを選べます。Photoshop、Painter、CLIP STUDIO PAINT、SAIなどなど……好きなものを使えます。
それと、機材のメンテナンスに関してはシステム管理専門の方がいますので、メンテナンスもすべてやってもらえます。機材は常に万全の状態に保たれていますので、機械が苦手な人も安心して作業できます。
──機材面は最高の環境ですね! 椅子も座り心地のいいアーロンチェアですし……。社内を見学させていただきましたが、ドリンクは無料なんですか?


▲ お金を入れずとも各種ドリンクが提供される魔法のドリンクサーバーです。
──食事事情はどういう感じなのでしょうか。


▲ オフィスに併設されているレクリエーションルーム。開放的なデザインで、気分転換にぴったり。ちなみに眺めも最高でした。
──ちなみに小腹がすいたときなど、デスクの上でお菓子を食べたりするのは可能ですか?

──では、就業体制について教えてください。例えば始業時間、終業時間は何時でしょう?


▲ レクリエーションルームに無料で提供されている甜茶。花粉症予防の効果があるとのことで、至れり尽くせり!!
──チーム内のコミュニケーションについて教えてください。定例の催事などはありますか?






デッサン力や色彩感覚なども最低限の基礎は身につけておいてほしいですが、この会社に一番向いているのは“仕事で絵を描くことを楽しめる人”です。僕は本当に「好きこそものの上手なれ」だと考えていますので、絵を描くのが好きな人ほど上手くなると思います。
ちなみに僕はまったく違うタイプなのですが(笑)。もう、描かない描かない。僕は素敵な作品をずーっと見ていると、不思議と絵が上達するタイプです。

──それは吉田さんだけの特殊能力では…っ!? でも確かに、良質な作品を見ることは、イラストの引き出しを増やすための糧にもなりますよね。


僕は絵画をよく見ていました。ファミコン時代は、ゲーム内で絵画を表現することはできなかったんですが、僕は当時からそういうものをやりたいと思っていました。なんとか工夫して、これまでにないゲーム画面をつくろうとチャレンジして……そして諦めたりもしていたんですが、ハードの進化とともに本当にできるようになってきましたよね。むしろ写真がそのまま出せるくらいの技術的成長を遂げてしまいました。

いえ、本をたくさん買っていました。会社に申請すれば経費で落とせたんですが、自分で持っていたかったので自腹で(笑)。
あと古本屋さんで、海外ファッション誌の古いバックナンバーを大量に買い込んで、衣装デザインの参考にしたりもしましたね。

その人が持っているスキルや個性によって、あるいは関わるプロジェクトによって変わるので、必ず「こういう仕事をしてもらいます」という決まりはないんです。
ベテランと中堅と若手でチームを組んでひとつのプロジェクトを推進していくこともありますし、絵柄がぴったりハマれば新人であろうとメイン級のキャラクターデザインを任せることもあります。

▲ 『NieR:Automata』をコンビでデザインした吉田さんと永井悠也さんのツーショット。社内の和気藹々とした雰囲気が伝わってきます。

“適材適所”というのがすごく大事だと思うので、毎回「このプロジェクトは、誰がやったら一番力を発揮するだろうか」と考えて割り振っています。ただ手の空いている人を充てるのではなく、そのプロジェクトに向いている人を充てたいんです。
そういう意味では2Dアーティストだけでなく、3Dアーティストやプログラマーでも、プロジェクトにハマりそうな人であれば一緒に働きたいと思っています。そういう作業が得意な方も、ぜひ応募していただければと思います。
2017年9月25日15:00をもって募集は終了いたしました。
たくさんのご応募、まことにありがとうございました。
【全世界初出し】 吉田明彦さんのワンドロを独占公開!!
