AWS LambdaがSalesforceのイベントをトリガーに実行、閉域網で両クラウドを接続。AWSとセールスフォース・ドットコムが統合強化。Dreamforce '18
米セールスフォース・ドットコムはサンフランシスコで年次イベント「Dreamforce '18」を開催しています。
同社はAWSとの提携強化により、Salesforce.comの機能とAWSの統合度をさらに高めると発表しました。
Start spreading the news: The @awscloud and Salesforce partnership is expanding! New integrations will dramatically simplify how data and events are shared across AWS and Salesforce services. Read more here, then learn details at #DF18: https://t.co/XrkRw6Hnsg pic.twitter.com/1wcAAQAphq
— Salesforce (@salesforce) 2018年9月25日
これにより、AWS Lambdaの関数を呼び出すトリガーとしてSalesforceのイベントを利用できるようになります。例えばSalesforceでの新規顧客の登録や顧客とのミーティングのセッティングといったSalesforceでのデータ更新をトリガーに、AWS Lambdaで処理を呼び出し、結果をSalesforceに戻すといったことが可能です。
Salesforceと連係したアプリケーションの開発における柔軟性が高まるほか、SalesforceとAWSでそれぞれ得意な処理を分散させることや処理コストの最適化などが可能になります。
もう1つは、SalesforceのクラウドとAWSとの閉域網での接続です。Amazon VPCからSalesforce APIの呼び出し、あるいはその逆のいずれも閉域網内で完結するため、安定かつセキュアな相互の機能の呼び出しやデータ連係が可能になります。
セールスフォース・ドットコムとAWSは2016年に提携を発表し、セールスフォース・ドットコムがAWSを推奨パブリッククラウド事業者(preferred public cloud infrastructure provider)とすることを発表していました。
Salesforce has selected AWS as our preferred public cloud infrastructure provider. https://t.co/54pc2446vk pic.twitter.com/gT5mnkMAPU
— Salesforce (@salesforce) 2016年5月25日
今回の発表はこれを前進させ、ユーザーにとって具体的なメリットのある両クラウドの連係になっています。
数日前には両社の競合といえるマイクロソフト、アドビ、SAPが提携を発表し、3社統一のデータモデルによってマーケティングデータの横断的な分析を可能にすることで顧客体験の向上に寄与する施策を発表しています。
これまでセールスフォース・ドットコムのようなSaaSを中心とした企業向けのクラウドサービスは、サービス単独での完成度の追求からサードパーティを含むエコシステムの構築へと戦略を広げてきました。いまやそのエコシステムはさらに広がっていき、クラウドベンダ同士の連係による協業と競合が始まろうとしているようです。
Dreamforce '18
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