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セブンイレブン、ヨーカドーなど/千葉県で家庭系廃食用油の回収・リサイクル開始
2025年01月15日 17:58 / 経営
セブン‐イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、三井不動産レジデンシャル、三井住友銀行、吉川油脂、野村事務所およびENEOSの計7社は1月15日、千葉県内のスーパーマーケットやコンビニエンスストアの店舗、さらに大規模分譲マンションを拠点として、家庭系廃食用油の回収とSAF(持続可能な航空燃料)導入推進に向けたサプライチェーン構築事業を共同で開始した。
同事業は、千葉県総合企画部が公募した「千葉の地域資源を生かしたSAF導入促進事業」に対し、7社による連携スキームの提案が採択されたもの。このうちコンビニエンスストア、居住区における「家庭系廃食用油」のSAF向けサプライチェーン構築に向けた自治体との実証事業は、本邦では初めて。7者間で9月30日まで実証を続ける予定。利用状況や顧客の反応、回収物の質などの検証結果をもとに、今後の事業継続・拡大を検討していく。
具体的には、千葉県内のセブン‐イレブン直営店3店舗(五井高場店、松戸常盤平駅前店、松戸常盤平セブンタウン店)、イトーヨーカドー幕張店、ヨークマート成田店および三井不動産レジデンシャルが分譲した大規模マンション(幕張ベイパーク)で家庭系廃食用油を回収する。まずはバイオディーゼル燃料製造などへの活用を進め、将来的には、集めた廃食用油を原料としてENEOSがSAFを製造し、成田国際空港に供給するまでのサプライチェーン構築を目指す。
セブン‐イレブン・ジャパンの吉田希美枝 サステナビリティ推進室総括マネジャーは「限りある資源の循環は社会的に意義のあること。参画いただいた各企業の皆様と共に、事業を通じて持続可能な取組につなげていきたい。
店舗ではフライヤー商材の油を月に2度回収することになっているため、そのタイミングに合わせて家庭系廃食油も回収する。初めての取組なので目標設計は難しいが、まずは1日に(3店舗で)10人くらい参加頂けると心強い。時間はかかると思うが、県民の皆様に情報をお伝えしながら推進したい」と述べた。
イトーヨーカドーでは、23年に都内で家庭系廃食用油回収の実証実験を開始し、2024年9月には都内全店舗に回収拠点を拡大している。
イトーヨーカ堂の小山遊子 サステナビリティ推進室総括マネジャーは「東京都での実績を踏まえて、我々の中でも拡大しようと今回の取組に至った。お客様より好評を頂いており、普段から油の処理に困っていたという多くの声を聞いた。今回、幕張店では月に200本、ヨークマート成田店では30本の回収を見込んでいる」と語った。
廃食油の回収にはリターナブルボトル(750ml)を使用。回収の際には新しいボトルを顧客に渡し、ボトルも廃棄せずに循環させて使用していく。プラスチックボトルも捨てずに循環させる。
セブンイレブンとヨークマートでは、回収BOXの上部扉を開けてボトルを投入。その後、カウンターで定員から新しいボトルを受け取る。イトーヨーカドーでは大型の自動回収機に投入すると、自動で新しいボトルが出てくる。三井不動産のマンションでは、各物件のコンシュルジュカウンターを通じてボトルの交換を行う仕組みだ。
取材・執筆 古川勝平
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