授業風景

総合理工学部

科学・技術が創る人間の未来

 最新の手法を駆使して自然科学を解明しようとする理学系分野と、未来の最先端科学技術を担う工学系分野が、既存の学問分野の枠を越えて1つの学部に総合・融合・一体化した全国的にもユニークな学部のひとつです。
 素粒子サイズから地球サイズまで、さまざまな対象を科学的に捉え、基礎理論から先端技術への応用まで幅広く扱う学際的教育・研究システムを特色としています。
 

総合理工学部オリジナルサイトはこちら  https://www.riko.shimane-u.ac.jp/

総合理工学部の理念・目的,教育内容,卒業後の進路
総合理工学部のディプロマポリシー・カリキュラムポリシー・アドミションポリシー

学科

物理工学科

物理学が解き明かす物質の謎
 物理工学科は基礎物理学コースと電子デバイス工学コースの2つのコースから成っており,物質の根源である素粒子の研究,物質の構造や性質を調べる研究,新機能を持つ物質やデバイスを創り出す研究など,多種多様な研究を行っています。

 

物質化学科

化学による持続可能な社会の実現
 物質化学科は,化学の視点で物質の仕組みを明らかにしたい人,化学の知識を環境保全に役立てたい人,化学の方法で新しい物質を創りたい人のための学科です。
 本学科には,化学の基礎に強く,応用や環境や安全に関する知識も備えた,幅広い分野で活躍できる化学系人材の育成を目指す「基礎化学コース」,環境や安全への高い意識を持ち、環境保全やグリーンエネルギーなどに関する知識,技術を 生かして活躍できる化学系人材の育成を目指す「環境化学コース」,機能材料の開発,応用に強く,基礎力や環境安全に関する知識も備えた化学技術者の育成を目指す「機能材料コース」があります。

 

地球科学科

地質学・地球科学から環境・自然災害工学などの応用分野まで
 地球科学科は地球物質資源科学、地球環境科学、自然災害科学の3つの分野からなります。基礎科学としての地質学・地球科学から工学的分野まで、総合的な教育・研究を実施しています。 国内外の地質見学をはじめ、実験・実習を重視した実践的なカリキュラムにより、専門を生かした分野で活躍できる人材の育成を目指します。また、本学科の教育プログラムは、日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定を受けています。

 

数理科学科

数学の力で切り開く未来
 数理科学科は、数理基幹と数理展開の2コースから構成されます。1年次には数学の基礎を、2年次以降に代数学・幾何学・位相数学・解析学・複素解析学・統計科学・現象数理等の数理系の専門科目を学びます。抽象数学及び諸現象の数理的解析のための現代数学の学習を通じて、論理的な思考力や柔軟な発想力、データ分析・活用力、そして豊かな表現力を持ち合わせた、国際社会の様々な方面で指導的役割を果たせる人材を育成します。

 

知能情報デザイン学科

ハードウェア・ソフトウェア・データ分析による情報システムの理論的背景の教育・研究
 知能情報デザイン学科は、コンピュータサイエンス、プログラミング、情報数学を基盤としつつ、地元企業と連携した実践型授業を通し、情報分野の幅広い手法を体系的に学び、研究する学科です。本学科のデータサイエンスコースではデータ分析による知識発見や知能情報処理に関する科学的・工学的手法を学び、これらの能力を強みとする人材を育成します。情報システムデザインコースでは情報システム構築のためのソフトウェア・ハードウェア・ネットワーク技術を習得した技術者を育成します。

 

機械・電気電子工学科

機械・電気電子の融合
 機械・電気電子工学科は、機械工学と電気電子工学の2分野を融合した学科です。これらの分野の核心的基礎を幅広く学習した上で、さらにいずれかの一分野について、より応用的・専門的な科目を深く学ぶことによって、高度情報化社会を支える技術者として必要な専門性を修得し、激動の21世紀で活躍できる人材の育成を目指しています。

 

建築デザイン学科

安全で快適な建築の創造を目指し、地域に根ざした建築空間の創造に貢献する
 建築学は、「計画」、「構造」、「環境」の3つの分野に分けられ、「計画」は建築計画、都市計画、歴史等、「構造」は構造材料、耐震構造、構造解析等、「環境」は音環境、光環境等をそれぞれ対象としています。建築デザイン学科では、1・2年次の基礎段階において、建築に関する幅広い分野の知識を学ぶことができます。3・4年次では、「建築計画デザイン」と「建築構造・住環境」の2つのコースに分かれ、より専門的に学ぶことができます。本学科の教育目標は、高度な専門技術をもち、かつ安全で快適な建築の創造を目指し、地域に根ざした建築空間づくりに貢献できる人材の育成を目指すことです。卒業後は、一級建築士の受験資格を得ることができます。

 

理工特別コース

意欲的に、主体的に学ぶ
 理工特別コースは、研究者・技術者・教育者を目指し「自分で学ぶ」あなたを、学科の枠を超えてバックアップするために設けられた特別な教育コースです。入学時から継続的に理工系分野の研究面への興味・意欲を育む教育を行うこと、アドバイザー教員と相談しながら個人カリキュラムを組み、主体的に興味ある領域の学習に取り組めること等を特徴としています。また、充実したサポート体制、優秀な学生へのインセンティブも準備されています。

 

 

総合理工学研究科

総合理工学研究科オリジナルサイトはこちら  https://shimane-riko.jp/graduate/

総合理工学研究科の理念・目的,教育内容等
総合理工学研究科のディプロマポリシー・カリキュラムポリシー・アドミションポリシー
総合理工学研究科の論文評価基準

博士前期課程 総合理工学専攻

 本研究科博士前期課程は、平成24年4月、現代社会の新たな要請に応えるため、これまでの5専攻体制を改組し、1専攻8教育コース体制に生まれ変わりました。各教育コースでは、科学技術の総合化を目指す理工融合理念に則した研究開発やそれに携わる高度技術者の育成を実践します。また、理工学と医学が融合した分野の教育研究を推進するため、「理工・医連携コース」を設置しました。さらに、外国人留学生とともに修学する「英語による『地球』教育研究特別プログラム」も設置しています。

 

理工・医連携コース

 理工・医連携コースは、理工分野の高度な専門知識と、その知識を医学、医療に応用する視点とを兼ね備えた人材の育成を目指しています。従って本研究科の他の7つのコースの何れかに対応する学問分野の基礎を身につけた学生で、理工学の医学・医療応用に関心のある学生を求めます。本コースでは理工学の通常の専門科目の他、総合理工学研究科と医学系研究科の教員が共同で担当する科目を設けており、学生はそれらの中から関心の高い科目を選択し履修していきます。本コースの総合理工学研究科所属の教員は他の7つのコースの何れかの教員を兼ねています。学生は教員による指導の下、修士論文執筆に向けて研究を進めていきます。

 

物理・材料科学コース

 物理・材料科学コースでは、物理学およびその学際領域の基礎知識を基に、新材料の開発、物質のミクロ構造解析、物質機能のメカニズムの解明、粒子多体系としての物質の理論的解明、物質の根源である素粒子の研究など多種多様な研究を推進しています。本コースは、理学および工学分野から構成され、基礎から応用まで、また学際的領域にわたり幅広く学ぶことが可能です。研究を通して深い専門知識と広い視野を持って、自ら考え、解決する能力を身につけた人材を育成します。物理学、材料学の基礎を身に付けた学生で、自然科学を基礎から探求・理解することを志向する学生、基礎科学・応用科学技術に興味を持ち、物質を微視的な視点から研究し、新しい物質の開発を目指す学生、現代の物質観を身に付けたい学生を求めます。

 

物質化学コース

 物質化学コースは化学系の理学および工学分野から構成されています。人類に有用な物質の創製や高効率で環境負荷の少ない物質・エネルギー変換技術を開発するため、物質の機能を合理的に理解し、化学、応用化学領域における高度な専門知識と問題解決能力を備え、広い視野を持ち国際的に活躍できる高度専門技術者・研究者を養成します。物質の性質や機能を原子・分子レベルから合理的に理解し、それらの知見を統合的に活用することに興味を持つ学生を求めます。

 

地球資源環境学コース

 地球資源環境学コースは、地球物質システム学、環境地質学、自然災害工学の3分野からなります。地質学、地球科学から社会のニーズに対応した工学的分野までをカバーした教育を行っているユニークなコースであり、また、多くの留学生を受け入れています。本コースでは充実した最新の研究設備を駆使して教育・研究を行っています。修士論文の研究を通じて、科学的観察力、思考力、判断力を持ち、自主的で創造的な人材を育成するとともに、留学生や海外の研究者との交流を通じて国際化の時代に対応できる人材を養成します。地質学を基礎とした学際的見地から地球資源環境学の分野を研究することに興味があり、より深い知識、高度な技術を身につけ、それを将来、研究者、技術者、教育者として社会のために役立てたいと考えている学生、および研究を自主的に進める意欲のある学生を求めます。

 

数理科学コース

 数理科学コースでは、数学について幅広く、又は集中して学びます。論理的な思考能力や問題の発見・分析・解決能力、柔軟な発想力を養う教育を行い、数学および数理科学を理解し次世代に正しく継承できる人材、論理的思考能力を有し様々な問題に論理的かつ柔軟に対処できる人材、さらに国際的視野を持った人材を養成します。代数学・幾何学・位相数学などの構造論的抽象数学や自然・社会現象を理解するための数理解析に興味を持ち、本コースで習得した数学や数理科学の専門的知識を背景に数学や自然科学における新たな見識を得たい、よりよい社会づくりに役立ちたい、高い見識を持つ教員として次世代に数学を伝えたいとの意欲を持つ学生を求めます。

 

情報システム学コース

 情報システム学コースでは、情報技術に関する高度で深い専門知識と問題解決能力、実社会からの要請に的確に対応できる広い視野、倫理観を備えた高度専門技術者・研究者を養成します。ソフトウェア・ハードウェアのものづくりを実現するための講義・セミナーを提供するとともに、指導教員のもとで研究を実践し、成果を学会発表あるいは特許・実用新案申請することを修了要件とします。ソフトウェア・ハードウェアのものづくりを実践したい人やそのための理論的背景を学び、新たな方法論を提案したい人を求めます。

 

機械・電気電子工学コース

 機械・電気電子工学コースでは、機械、電気、電子の三つの工学分野における基礎力と主たる専門分野における専門的知識・応用力を修得させるという学部4年間の教育を引き継ぎ、三つの工学分野の基礎的知識と主たる専門分野におけるより高い水準の専門的知識・応用力を持ち、技術の発展や社会のニーズに対応でき、国際的視野を持つ高度専門技術者・研究者を養成します。学生は各専門分野の研究室に配属され、特別研究を通じて専門的で独創的な研究教育を受けることができます。また、講座間の強い連携のもとに総合的に配置された講義やセミナーを受講することによって、機械・電気電子工学分野の専門知識を深めることができます。機械工学又は電気・電子工学分野に関する専門知識と思考力を有し、探究心が旺盛でかつその分野の学修に熱意を持つ学生を求めます。

 

建築・生産設計工学コース

 建築・生産設計工学コースでは、都市計画、建築計画、建築構造などについての諸課題に関する研究、および、木材・セラミックス・金属・コンクリートなどの各種材料を対象にして、その変換技術・物性解明、それらを用いた各種産業分野での諸課題に関する研究を実施しています。これらの領域の理工学的知識・評価方法を実験・講義を通して修得するとともに、資源環境の総合的視野に立った創造力と判断力を有した人材の育成を目指した大学院教育を行っています。また、所定の科目を履修することにより、一級建築士の資格受験に要する最大2年の建築実務経験が認められる場合があります。都市計画、建築計画、建築構造などの分野並びに天然資源の有効利用と資源・材料の変換技術や諸物性解明およびその材料利用に関わる分野に興味を持つ学生を求めます。

 

英語による「地球」教育研究特別プログラム

 本プログラムは、地球資源環境学コースを中心に、物質化学コース、機械・電気電子工学コースおよび建築・生産設計工学コースの一部の教員からなる特別プログラムです。本プログラムでは、人類社会の持続可能な発展のために解決すべき地球規模の課題のうち、地球環境、エネルギー・資源、大規模自然災害などに関連して、地球科学の観点から教育研究を行うために、先端地球科学専修分野、地球資源学専修分野および地球環境災害学専修分野を設置しています。外国人留学生とともに教育・研究指導を行うことにより、日本人大学院生と外国人留学生の双方に対し、共同学習を通した異文化社会の理解を深め、国際的な視野と競争力をつけ、かつ広く人類社会の発展に貢献できる人材を育成します。本プログラムでは、地球科学、地球環境、エネルギー・資源、大規模自然災害などを学ぶため、コースの枠を越えた特別のカリキュラムを設定しています。セミナーと特別研究以外の授業はすべて英語で行われます。地球科学、地球環境、エネルギー・資源、大規模自然災害などに興味があり、より深い知識、高度な技術そして国際性を身につけ、それを将来、研究者、技術者、教育者として国際社会のために役立てたいと考えている学生を求めます。

 

博士後期課程 総合理工学専攻

 本研究科博士後期課程は、社会の要請に柔軟に応え得る教育研究体制を構築するために、平成26年4月、それまでの2専攻体制から、1専攻4教育研究コース体制に生まれ変わりました。各コースでは、高度で体系的な専門知識・技術を持ち、課題を自ら設定して国際的レベルの技術開発や研究を遂行する能力を備えた高度技術者・研究者を養成します。外国人留学生とともに修学する「英語による『地球』教育研究特別プログラム」も設置しています。

 

理工学際創成コース

 理工学際創成コースでは,理工系の専門的知識・技能を身に付けた上で,その応用的側面を重視した学際的で実践的な教育研究を行います。これまで総合理工学研究科では,ナノテク分野の島根大学重点研究プロジェクト,さらにはそれらの学際領域研究から派生した教育プログラム「医・理工・農連携プログラム」により,低コスト,簡易,実用性を兼ね備えた独自のナノ材料技術を用いた安心,安全で高機能なナノ医療技術の開発,超低コスト次世代塗布型太陽電池や高性能電力貯蔵用デバイスの開発,伝統的たたら製鉄技術のナノテクを用いた解析と特殊鉄鋼の創成など,理工系分野の知識・技術を基にした学際的研究を実施してきています。理工学際創成コースでは,これらの研究実績を受けて理工系分野の高度な専門知識・技術を修得した上で,理工系分野と医学・農学分野の学際領域をはじめとする種々の学際領域における教育研究を行います。本コースは,島根大学重点研究プロジェクト等と密接に連携し本学のグローバル人材養成の中核になることが期待されています。

 

数理・物質創成科学コース

 数理・物質創成科学コースでは,数理科学,物理学および化学等の理学系分野と材料科学,およびそれらの境界領域に関する高度な教育研究を行います。これからの理工系分野は,自然現象の解析・解明や理論的体系化,及び新たな産業と技術文明を拓くべく期待されています。また,地域に密着した新技術の創出を行うことによる地域産業の振興への貢献も重要です。そこで,数理科学,物理学,化学等に関する理学分野の教育研究と,それらを基盤とした新機能材料の開発や化学反応の制御による新物質の創成を目指した材料科学に関する教育研究を行います。

 

地球科学・地球環境コース

 地球科学・地球環境コースでは,理学系分野における資源科学や地球科学と,工学系分野である災害工学,建築学,材料工学及びそれらの境界領域における高度な教育研究を行います。近年,地下資源の枯渇,地球科学的環境悪化および自然災害の大規模化が世界的に深刻化しています。そのため,現在の地球に至る歴史と現在の地球の姿をこれまで以上に深く理解し,地球物質系の構造と運動法則の解明,人類・生物・固体地球の密接な相互作用による地球史・地球環境変遷史の詳細なる復元,および地質学的特性把握の上に立った防災工学の確立に関する教育研究を行います。また,上記の地球環境を理解した上で,高齢化社会やグローバル化に対応する健康で安全な住環境の創造,地球環境保全のための“環境にやさしく人と調和するエコマテリアル”の開発,資源節約のための高度で有効な材料加工法・利用法の確立,材料のリサイクル使用法・廃棄方法の確立など,建築分野・生産設計分野における発展に貢献できる高度な専門知識と問題解決能力を備え,広い視野を持って国際的にも活躍できる人材養成のための教育研究を行います。
 また,地球科学・地球環境コースには「英語による「地球」教育研究特別プログラム」(以下,「「地球」特別プログラム」という)があります。「地球」特別プログラムでは,最先端の地球科学及び地球資源の開発と保全,地球環境の解決,大規模自然災害の予測と防止などに関する教育研究を,すべての授業・研究指導を英語で行うことにより,専門知識・技術の修得と共に,国際感覚が優れた人材を養成しています。本プログラムは主としてアジア及び環太平洋地域の発展途上国からの留学生を受け入れるとともに,日本人学生を加え,国内及びアジア周辺国のグローバルな人材養成のための教育研究を行います。

 

機械電子情報工学コース

 機械電子情報工学コースでは,機械,電気,電子,情報等の工学系分野における高度な教育研究を行います。現代の高度情報化社会構築のための情報技術を支えるものは,電子技術,通信技術,計算機技術などであり,さらにこれら技術を集積化し,統合化するシステム技術です。これらの技術は電気,材料,機械,計測,制御などの基礎技術上に発展し成立しています。情報技術は,また,情報技術のシステム化の根幹をなす情報通信および電子機械の開発技術と,情報技術の要素技術の根幹をなす高機能電子材料および電子デバイスの開発技術との密接な結合によって発展します。そこで,機械電子情報工学コースでは,情報通信システム工学,電子機械システム工学,集積半導体デバイス,スピン機能電子工学および光電子機能工学分野における電子機械システムの知能化・高機能化及び,機能集積の観点から幅広い教育研究を行い,より高度な機能を発揮させる新世代情報通信システムの構築を目指す教育研究を行います。そして,上記分野の開発技術レベルを高く維持して,地域産業の種々のニーズを発掘し,地域産業の振興に貢献します。