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ろくに電子工作もしたことない人間
がIoT用ミドルウェアを作った話
株式会社ビジョン&ITラボ 皆川卓也
自己紹介
2
株式会社ビジョン&ITラボ 代表取締役
皆川 卓也(みながわ たくや)
博士(工学)
「コンピュータビジョン勉強会@関東」主催
株式会社フューチャースタンダード 技術顧問
略歴:
1999-2003年
日本HP(後にアジレント・テクノロジーへ分社)にて、ITエンジニアとしてシステム構築、プリ
セールス、プロジェクトマネジメント、サポート等の業務に従事
2004-2009年
コンピュータビジョンを用いたシステム/アプリ/サービス開発等に従事
2007-2010年
慶應義塾大学大学院 後期博士課程にて、コンピュータビジョンを専攻
単位取得退学後、博士号取得(2014年)
2009年-現在
フリーランスとして、コンピュータビジョンのコンサル/研究/開発等に従事(2018年法人化)
http://visitlab.jp
IoT用ミドルウェア
「シナリオエンジン」
(特許取得済み)のご紹介
6
本日のお話し
IoTの究極の目標って
何だろう?
7
Internet of Things (IoT)
“一意に識別可能な「もの」がインターネット/クラ
ウドに接続され、情報交換することにより相互
に制御する仕組みである”(Wikipedia)
8
色んなモノをネットにつ
ないで、何がしたいの
だろう?
9
IoTライフサイクル
10
現実世界
仮想世界
センシング
現実制御
• 解析/理解
• 可視化
• シミュレーション
デジタルツイン
仮想世界でプロ
グラミングし、現
実世界へ反映
IoTの究極の目標
Real as Code
― 現実世界をプログラミング可能に ―
11
現実世界のための
最適なプログラム言語って
なんだろう?
12
ぼくのかんがえたIoTプログラム言語1
人、車、機器などの現実のモノをク
ラスとみなす、リアルオブジェクト
指向
13
カメラ、LiDAR、RFIDなど、例えば人を認識するセンサーは様々
それらを「人」というクラスで隠蔽
ぼくのかんがえたIoTプログラム言語2
「人」クラスであれば、性別、年齢
などの現実に紐づいたプロパティ
を持つ
14
ぼくのかんがえたIoTプログラム言語3
「いつ」 、「どこで」 、「誰(何)が」、
「何を(した)」らという4W(When,
Where,Who,What)でオブジェクト
を制御
15
ストーリー
16
1. シナリオ作成者がデジタルツイン上のオブジェクトや範
囲を指定
2. シナリオ作成者がトリガーとアクションを設定
1. いつ、どこで、誰が、何を
3. センサーが周辺の情報を取得
4. センサーの情報から「人」、「モノ」、「気体」、「液体」な
どの実世界に対応するオブジェクトをAIが認識
5. センサーから見たオブジェクトの座標を実空間の座標
へ写像
6. オブジェクトがトリガーの発動条件を満たしたらアクショ
ンが起動
Confidential
1.デジタルツイン上のオブジェクトや範囲等を
指定
17
領域選択
Area
Point
Line
領域名 領域A Save
Load
select
Confidential
2. ユーザがトリガーとアクションを設定
18
イベント名 広告A表示 Save
Load AddTrigger
キャンペーン期間
いつ
誰が 人
何を 閾値以上いる
領域A
どこで
トリガー名 閾値以上の人 Save
Load
New
New
Config
Property
イベント編集
Add Action
∧ ∨ ⊕
AND OR XOR
広告表示
アクション
Config
サイネージ
誰が
何を
OutputVariables
Property
Confidential
Add Condition
3. センサーが周辺の情報を取得
19
Confidential
4. AIが人やモノを認識
20
人:歩く 人:歩く
Confidential
5. AIが認識した情報を実空間へ写像
21
人:歩く 人:歩く
Confidential
6. トリガーの発動条件を満たしていたらアク
ション起動
22
Confidential
アクション
1.デジタルツイン上のオブジェクトや範囲等を
指定
23
Click!
 仮想空間上のオブジェクトや範囲等を指定
Confidential
2. ユーザがトリガーとアクションを設定
24
 オブジェクトに関するウィンドウが開き、「トリガー」と「ア
クション」を選択する。
Confidential
トリガー
キャンペーン期間
クーポン配信
アクション
いつ
誰が
スマートフォンユーザ
何を
撮影
3. センサーが周辺の情報を取得
25
Confidential
撮影
4. AIが人やモノを認識
26
Confidential
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
登録ポスターA
5. AIが認識した情報を実空間へ写像
27
Confidential
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
登録ポスターA
デジタルツイン
6. トリガーの発動条件を満たしていたらアク
ション起動
28
Confidential
クーポン
Get
使用例
29
 小売り/商業施設
 顧客を分散するために、空いている店舗の広告をサイネージ
に表示
 顧客が各店舗のポスターをスマホで撮影することでアイテム
を入手し、すべて集めるとクーポンがもらえるようなゲームを
企画することで、周遊や子連れ客の暇つぶしが行える
 オフィス
 二酸化炭素濃度、気温、湿度、人の位置、室内形状などに合
わせて、換気扇やエアコン、照明等を動的に制御
 観光
 自分の街を舞台にしたオリジナルRPGを作成し、各名所でア
イテムを入手させるなど、顧客がゲームを楽しんだり、知識を
得ながら周遊
使用例
30
 建築/土木
 立ち入り禁止区域を設定し、人が侵入したらアラート
 高所での搬入作業等を検知し、その下を人が通るとアラート
で知らせる
 物流
 配送センターへのトラックの到着を検知し、そのIDに基づいて、
ロジスティックシステムと連動し、倉庫内のピックアップすべき
商品の棚位置を作業者へ指示することでリードタイム短縮
 製造業
 ベルトコンベア上の製造品の渋滞箇所、または遅延を検出し、
機械の処理速度を自動調整する
センシング技術
Real as Codeのレイヤー構造
31
カメラ LiDAR
Spartphone
Spartphone
Smart Phone
マルチセンサー
キャリブレーション
センサー情報
(パラメータ+位置姿勢)
・・・・・
物体検出
人追跡
Semantic
Segmentation
三次元復元
仮想空間構築/認識
人体姿勢推定
データ解析・アクションモジュール群
GUI for
Retail
人/モノ
(いつ、どこで、誰が、
何を)
AR/VR
外部機器/サービス連携
・・・・・
特定物体認識
時空間DB
シナリオエンジン
GUI for
Logistic
GUI for
Construction
人/モノ
(いつ、どこで、誰が、
何を)
センシング技術
Real as Codeのレイヤー構造
32
カメラ LiDAR
Spartphone
Spartphone
Smart Phone
マルチセンサー
キャリブレーション
センサー情報
(パラメータ+位置姿勢)
・・・・・
物体検出
人追跡
Semantic
Segmentation
三次元復元
仮想空間構築/認識
人体姿勢推定
データ解析・アクションモジュール群
GUI for
Retail AR/VR
外部機器/サービス連携
・・・・・
特定物体認識
時空間DB
シナリオエンジン
GUI for
Logistic
GUI for
Construction
センサーデータの座標を
世界座標系(仮想空間座
標)へ変換
デジタルツイン
• いわゆるAI
• センサー情報から人・モノなどのオ
ブジェクトを抽出し、情報量削減
• オブジェクトを仮想空間(3D)へ投
影
• それぞれ独立したモジュール
• 案件ドリブンで開発
センサーフュージョン
APIによる疎結合
APIによる疎結合
いつ、何が、どこで、どん
なことをしたらイベントを起
動するかを制御
33
「Real as Code」はIoT、AI、XRなど
のテクノロジー分野を融合する
シナリオの生成
34
 現実世界の変化に基づいて、IoT機器を動かすルールを
シナリオといいます。シナリオは以下の3ステップを経て
生成します。
 GUI
 ユーザが直接操作し、中間ファイルを生成します。
 中間ファイル
 jsonにより、シナリオをグラフ構造で記述します。
 シナリオエンジン
 グラフ構造で表されたシナリオを実行します。
GUI 中間ファイル シナリオエンジン
プログラミング言語
コンパイル/実行
業務ごとに開発
シナリオの機能
35
 「いつ(When)」は、毎日、1日おき、毎週、平日、などの
様々な定義が可能。
 「どこで(Where)」は、「ある領域に入ったら」、「ある線を
通過したら」、「ある点から最も近いモノ」などの定義が可
能。
 トリガーや「いつ」、「どこで」などはANDやOR、XORによ
る組み合わせが可能。
 「性別/年齢」や「車種」等、オブジェクトの属性によるフィ
ルタリングが可能
現行のGUI
36
現行のGUI (Where定義の例)
37
事例:AR探索アドベンチャー
38
召喚!
 スマートフォンを使って現実世界のランドマークやオブジェクト
を撮影することで、物語のヒントやアイテムを入手できる。
この世界を救う
ため四匹の聖獣
を召喚するのだ
事例:AR探索アドベンチャー
39
 「シナリオエンジン」によって、ユー
ザーが何を撮影したか、どのような選
択肢を選択したかによって、自由にス
トーリーを変更できます。
 地域のゆるキャラや、その地域の歴史
クイズをストーリーに組み込むなど、コン
テンツの変更やカスタマイズが容易。
 混雑状況にあわせた周遊先の分散、曜
日や天候等で使用できない施設を周遊
先から外す等、動的なストーリー変更が
可能。
 プレイヤーの周遊パターンや集客具合、
混雑状況、対象商品の撮影頻度などの
可視化および効果測定が可能。
自由なストーリー展開
テストプレイ@綱島公園(2023/11/23 – 26)
40
横浜日吉新聞にも取り上げられました。
https://hiyosi.net/2023/11/23/event_2023-20/
 オリジナルコンテンツ「妖怪ハンター候補生」
今後やりたいこと
41
 キラーアプリケーションを作りたい!
 AR探索アドベンチャーを育てる
 それ以外の応用も募集中!
 オープンソースで公開
 周辺のセンシング+AIを充実
 連携できるIoT機器の充実
 生成AIによって、自然言語からシナリオ
を作成できるようにしたい!
 時空間DBの3次元化/リアルタイム化

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