CTFとは、世界的に有名な旗取り合戦(Capture The Flag)のことで、セキュリティ技術を競うコンテストの総称です。出題ジャンルは、暗号、バイナリ、ネットワーク、Web、プログラミングなど多岐に渡り、クイズ形式の問題の謎を解いたり、実験ネットワーク内で疑似的な攻防戦を行ったりするものです。セキュリティだけでなくプログラミングに関する知見も問われ、攻撃技術、防御技術、解析技術、暗号の知見、ネットワーク技術など、広範な知識と経験が必要となっています。CTFは総合的な問題解決力を磨く最適な競技と言えるでしょう。
CTFには既に20年近い歴史があり、ラスベガスのDEFCONでCTFが開催されたことをきっかけに、今やヨーロッパやアジア、オセアニアや南米など、各国で頻繁に競技会が開催されています。国際大会も多く、元祖DEFCONを筆頭に、マレーシアHack in the BOXや、韓国CODEGATEなど、世界中からチームがCTFに参戦して熱戦を繰り広げています。
日本では2000年代の前半に「運動会」、それに続く「セキュリティスタジアム」が開催されましたが、現在に至るまで数年の空白期間があり、普及啓発や人材育成という面で世界に後れを取っているのが現状です。先日JNSA賞を受賞した日本チームsutegoma2の孤軍奮闘のおかげで昨年ようやくDEFCON CTFの世界予選を2位で突破しましたが、残念ながら本選ではふるわず、まだまだ世界とは大きな格差があると言わざるを得ません。
そんな中、今年SECCON CTF実行委員会を発足し、日本全体のセキュリティ技術の底上げと人材発掘をはかる目的で、国内でも本格的にCTF競技会を開催することとしました。