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ビジネスマン必見!!
パワーポイントのデザインでもう悩まない!!


キレイな提案書を作るための
デザインの基礎知識

株式会社ベイジ   baigie inc.
1 提案書をデザインする前に
 提案書をデザインする上での心構え




                    2
1-1 提案書をデザインする理由



    提案書などのドキュメントをデザインすることで、
    以下のようなメリットが得られます。


     1   提案内容の理解を促進させる

     2   心理的障壁を排除する

     3   イメージを向上させる


                              3
1-2 提案書の目的とデザインの重要性



           ただし、提案書の一番の目的は


       提案内容をきちんと伝えること


     デザインはそのための手段であって目的ではない。つまり


         提案書のデザインには
        時間をかけない方が望ましい


                                  4
1-3 時間をかけず良いデザインにするための3つの「ない」




    1   デザインを新たに考えない
        デザインはできるだけ決まったパターンを使いまわす。
        わかりやすくまとまっていれば、いつも同じデザインでよい。



    2   相手に合わせてデザインしない
        提案書は提案する会社のブランディングツール。
        クライアントのイメージや色、デザインに合わせる必要はない。



    3   かっこいい提案書を目指さない
        提案書で目指すべきは、内容をわかりやすく伝えること。
        表面的なデザインのかっこよさで勝負するのはやめよう。



                                        5
2 提案書デザイン∼色
 うまく色を使うための基礎とコツ




                   6
2-1 色をきれいにまとめるための3原則



     1   色数はできるだけ少なく
         扱う色が増えるほどコントロールが難しくなる。
         背景やイラストなどを除き、使う色は3色の基本色に抑える。



     2   色の使い方を統一する
         ページによって使う色を変えたりしない。
         提案書を通して同じルールで使い続ける。



     3   色に頼らない
         強調したい箇所を色での表現にこだらない。
         文字サイズの変更や太字で伝わるのなら色に頼らない。



                                        7
2-2 基本色の決め方とルール化


    ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーを決めて使いまわす。
    この提案書の場合、以下の3色を基本カラーとしている。
    また、使用比率を変えることで、メリハリがでてまとまりやすい。
    (パーセント表示は感覚的な目安で、厳密なものではありません)


        ベースカラー
        主に文字に使う基本的な色(全体の約%50∼70%)



        メインカラー
        見出しや強調させたい箇所に使用(全体の約20%∼30%)



        アクセントカラー
        特に注目を集めたい箇所に資料(全体の約5%以下)



                                       8
2-3 基本色以外の色の選び方①グラデーション配色を活用




  基本色の3色以外にどうしても色が必要になった場合、
  メインカラーと白のグラデーション上の色を使うと、
  まとまった配色になりやすい。


  例えばメインカラーのゴールドであれば、以下のような色。




                                9
2-3 基本色以外の色の選び方②トーン配色を活用

 トーンとは、色の調子。同じトーンの色同士を使うと調和する。
 明度と彩度で変わるトーン。異なるトーンの色が計画      同じトーンの色相環。この中の色を使えば、比較的
 なく配置されると、バランスを崩しやすい。          自然にまとまりやすい。




 ※感覚的にトーンを理解するのは訓練が必要。てっとり早くトーンを活用するには、後述の「配色イメージワーク」など
  を参照して、色を調整するようにしよう。

                                                          10
2-3 基本色以外の色の選び方③迷ったら無彩色



  無彩色は、黒、白、グレーなど、色味を持たない色。
  色味を持たないので、どんな色にも合う。




  黒            濃いグレー   グレー     薄いグレー      白




      POINT!
      真っ黒と真っ白はコントラストが強くなりすぎるため、一緒に使わない方がいい。
      例えば、背景が白の時の文字色は黒ではなく、濃いグレーにすることで、柔らか
      くスタイリッシュな印象になりやすい。



                                              11
2-4 配色の改善例

同じレイアウトでも、配色を変えるだけで情報を伝えやすくできる。
                                                                   改善前
                                                                   1. 色を多用しすぎで、情報のプライオリティが分かりにくい。
                                                                   2. 色にルールがなく、無意味にゴチャゴチャしている。
                                                                   3. 色のトーンも統一されておらず、まとまりがない。




改善後
1. 色を3色(黒・青・オレンジ)と、その3色のグラデーショ
   ンカラーだけでまとめた。
2. 一番伝えたいところにだけアクセントカラーを使った。
3. 文字の太さや大きさで情報のプライオリティを表現した。

サンプルの出典)厚生労働省「生活習慣病の発症・重症化予防」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/dl/taikou03.ppt)
                                                                                                      12
2-5 参考



     配色のサンプルを紹介している書籍がいくつか出ている。
     部署などで一冊置いておくと便利。

                おすすめ

               『配色イメージワーク』小林重順 著




                                   13
3 提案書デザイン∼レイアウト
 レイアウトのための基礎とコツ




                  14
3-1 レイアウトの3原則




     1   統一する
         周囲の余白、タイトルの位置、本文の開始位置、行間など、レイアウト
         を構成する要素は必ず統一する。



     2   揃える
         位置を揃える、端を揃える、大きさを揃える。複数の要素は必ず揃えて
         配置する。


     3   流れを作る
         目線が始まる左上を基準に、話の流れや言いたいことに合わせて情報を
         順番に並べていく。




                                            15
3-2 整列①


   レイアウトは、要素をキレイに整列させることが基本。

       人財の流動化加速         人財の流動化加速

    人財の流動化加速            人財の流動化加速

    広がる管理スパン            広がる管理スパン

       社員の負荷増大
                        社員の負荷増大

   ×   ボックスの大きさが揃ってない   ○ ボックスの大きさを揃えた

   ×   ボックスの位置が揃ってない    ○ ボックスの位置を揃えた

   ×   ボックス間の余白が揃ってない   ○ ボックス間の余白を揃えた

   ×   ボックス内の文字が揃ってない   ○ ボックス内の文字を左揃えに統一




                                            16
3-2 整列②



     POINT!
     パワーポイントの整列機能を活用しよう。




              選択したグループを     選択したグループを
              上下左右、中央に揃える   等間隔に並べる




     POINT!
     中央揃えを使うと素人っぽく見える。多少スペースが空いても、文字は
     左揃えに統一した方が美しくまとめやすい。




                                        17
3-3 近接



  情報のグルーピングは、情報同士の距離で表現する。

    見出し                     見出し
    本文本文本文本文本文本文本文本文本文      本文本文本文本文本文本文本文本文本文
    本文本文本文本文本文本文本文本文本文      本文本文本文本文本文本文本文本文本文
                            注意事項注意事項
    注意事項注意事項

    見出し                     見出し
    本文本文本文本文本文本文本文本文本文      本文本文本文本文本文本文本文本文本文
    本文本文本文本文本文本文本文本文本文      本文本文本文本文本文本文本文本文本文
                            注意事項注意事項
    注意事項注意事項

    見出し                     見出し
    本文本文本文本文本文本文本文本文本文      本文本文本文本文本文本文本文本文本文
    本文本文本文本文本文本文本文本文本文      本文本文本文本文本文本文本文本文本文
                            注意事項注意事項
    注意事項注意事項



  見出し、本文、注意事項が、全て同じ間隔で並ん   同じグループの情報は近くに接近させ、異なるグ
  でいる。                     ループの情報は遠くに離す。




                                                    18
3-4 余白



  余白を広めに使うことで、レイアウトに圧迫感がなくなり、情報が目
  に入ってきやすくなる。

   見出し
                           見出し
   本文本文本文本文本文本文本文本文
   本文本文本文本文本文本文本文本文        本文本文本文本文本文本文本文本文本文
                           本文本文本文本文本文本文本文本文本文
   本文本文本文本文

   見出し                     見出し

   本文本文本文本文本文本文本文本文        本文本文本文本文本文本文本文本文本文
                           本文本文本文本文本文本文本文本文本文
   本文本文本文本文本文本文本文本文
   本文本文本文本文

  文字が大きく力強いが、余白が少なく、仕切り   多少文字を小さくしても、余白が大きい方が見
  線も文章の圧迫感を増幅させている。       やすく、文章が頭に入りやすい。




                                                  19
3-5 目線の流れ



    目線は左斜め上から右斜め下に向かって流れる。そのため、


    1   まずは左斜め上にページタイトルを置き、

    2   次に導入文や一番言いたいことを配置し、

    3   それに導かれるデータや結論を配置する

   というのがレイアウトの王道パターン。




                                  20
3-6 レイアウトの改善例

レイアウトを整えるだけで、デザインがきれいにまとまる。
                                改善前
                                1. 要素の端がそろっていない。
                                2. ボックスと矢印の位置がバラバラ。
                                3. ボックスの中の文字の揃え、配置、余白もバラバラ。




改善後
1. 文字は全て左揃えに統一。
2. 文字を格納しているボックスの上下左右の余白を統一。
3. ボックスの大きさを揃え、それぞれの距離を等間隔にする
   などルール化。


                                                              21
4 提案書デザイン∼文字組み
 文字を効果的に使うためのコツ




                  22
4-1 文字組みの3原則




     1   書体は限定する
         使う書体は1∼2種類、太さはそれぞれ2パターン程度に限定する。




     2   文字サイズを統一する
         基本で使う文字サイズを2∼4パターンぐらいに統一する。



     3   使い方にルールを付ける
         見出し、本文、説明文など、共通要素の書体や大きさを統一する。




                                           23
4-2 書体選び


  書体はできれば1種類、多くても2種類くらいに絞る。
  Windowsであれば、以下の書体から選ぶと考えてよい。


  MS Pゴシック             MS P明朝
  HGPゴシック              HGP明朝
  HGP創英角ゴシック

   POINT!
   明朝は上品、知的、女性的な印象を与えるのに適している。ただし本文に使うと
   読みにくくなる傾向があるため、ゴシック系でまとめた方が無難。


                                          24
4-3 文字の大きさとジャンプ率




  見出し、本文、キャプションで大きさを変える。ジャンプ率(大きさ
  の比率)を上げた方が、メリハリがついて分かりやすくなる。



   見出し(14pt)            見出し(20pt)
   本文本文本文本文本文本文本文本文本文
                        本文本文本文本文本文本文本文本文
   本文本文本文本文本文本文(12pt)
                        本文本文本文本文本文(14pt)
   キャプションキャプション(10pt)
                        キャプションキャプション(10pt)




                                             25
4-4 文字の装飾



  パワーポイントには装飾機能があるが、控え目に使用したほうがよい。


        太字になる。タイトルや特に強調したい箇所など、限定的に使用すると
        よい。もともと太い書体だと、文字が潰れることもあるので注意。



        斜体になる。欧文で強調したい箇所に使うと効果的。日本語ではあまり印
        象が変わらないため、使わない方がいい。



        下線が付く。本文内の強調したい箇所に使うと効果的。ただし多用すると
        文章が読みにくくなるので注意。



        影が付く。印象の変化が微妙で、滲んだ印象になるだけのことも多いため、
        使わない方がいい。


                                             26
4-5 文字の改善例

文字の使い方をルール化するだけで、情報が伝わりやすくなる。
                                改善前
                                1. 3種類の書体が混在している。
                                2. 全ての文字の大きさが24ptでメリハリがない。
                                3. 文字の影や太字の使い方にルールがない。




改善後
1. 書体を全てMS Pゴシックで統一。
2. タイトル→見出し→小見出し→本文という流れで文字サイ
   ズをそれぞれ変更。
3. 影の装飾をなくし、見出しのみ太字で表現。


                                                             27
5 提案書デザイン∼その他
 その他のデザイン要素の扱い方




                  28
5-1 背景


    よほどのこだわりがない限り、背景は白にする。
    また、背景には画像を入れないほうがよい。
    なぜなら・・・

     1   白以外の背景は配色が難しい
         新しい配色を考える時間を短縮する。



     2   背景に画像を入れると読みにくい
         背景画像という余計な情報が、本来伝えたい情報の邪魔をする。



     3   背景がないと中身に注目されやすい
         背景をデザインしないことで、提案の中身で勝負できる。




                                         29
5-2 矩形



  パワーポイントには矩形がいくつか用意されているが、
  よく使うのは以下の3つと考えておこう。




     行動重視の          行動重視の           行動重視の
     アプローチ          アプローチ           アプローチ



  四角に情報を入れることで、   柔らかい印象を与えるには、   意味づけを変えたい場合、
  際立たせたり、注目させた    角丸を。角丸は小さい方が    円も利用できる。円の中の
  りすることができる。      キレイにまとまる。       文字は中央揃えがよい。




                                                 30
5-3 線



   用途に合わせて、線の太さやスタイルを意識して変える。



        行動重視のアプローチ           行動重視のアプローチ


   四角のブロックを目立たせたいのであれば、   情報を区切るためだけに使うのであれば、細
   太い線で、色も変えるとよい。         く薄い色の線がよい。




        行動重視のアプローチ           行動重視のアプローチ


   参考情報のようにあまり重要でない情報は、   二重線などは、うまく使わないとうるさくな
   点線などでさらに印象を弱める。        るので、デザインに自信がなければ使わない。


                                                  31
5-4 矢印



  矢印の目的は、流れの説明であり、常に脇役。目立たせないように、
  控え目にデザインしたほうがきれいにまとまりやすい。

                                        POWER
                                         UP!


     A          B        A          B


  AからBへの変化を伝えるのに、矢印を   矢印を目立たせなくても、AからBへの
  目立たせる必要はあるだろうか?      変化を伝えることは十分にできる。



    POINT!
    矢印の形は、提案書の中で一貫させることで、印象よくまとまりやすい。




                                                32
5-5 写真・イラスト




     1   必要なければ使わない
         写真やイラストがなくても伝わるのなら、ない方がよい。
         なんとなく寂しいから、という理由で使わない。



     2   使うときは控え目に
         飾りで入れるのであればできるだけ控えめに。
         大きくしていいのは、大きな写真やイラストでないと伝わらない情報か、
         クオリティの高い写真やイラストだけ。


     3   原則はいつも同じ
         写真やイラストにも、色やレイアウトの原則を適応する。




                                             33
5-6 グラフ


  グラフや表についても、無駄に多くの色を使ったり、必要のない装飾
  をしない。デザインは際立たせたいところだけ、限定的に。

  売                                売
  上                                上




        御社     A社   B社   C社   D社
                                       御社   A社   B社   C社   D社




      POINT!
      パワーポイントやエクセルのグラフ生成ツールを使うときも、できるだけシンプ
      ルなグラフにした方がうまくまとまりやすい。


                                                                34
5-7 表紙

  デザインに自信がないのであれば、余計な装飾はしない。
  表紙の好みで判断されないよう、シンプルにまとめた方が無難。




                                  35
6 参考情報
 著者のご紹介




          36
6-1 著者略歴



     名前:     枌谷   力(そぎたに        つとむ)

     生年月日:   1972年11月7日

     職業:     株式会社ベイジ(http://baigie.me )              代表
             クリエイティブディレクター/アートディレクター/デザイナー

     略歴:     立教大学文学部史学科卒。1997年∼2001年まで株式会社NTTデータでICカード
             システムの企画営業に従事した後、Web業界に転職。Webデザイナー/Web
             ディレクターとして6年間制作会社でWebデザインやWebビジネスの提案業務に
             携わる。2007年に独立。2010年に株式会社ベイジ設立。


             デザインは制作会社におけるグラフィックデザインとWebデザインの実践で体得。
             パワーポイントを使った提案書作りはNTTデータ時代から数えて約15年のキャリ
             ア。提案書作りにおいては、デザインは装飾ではなく機能ととらえ、ビジネスに
             繋がるところだけを無駄なく、効率よくデザインしていくのが信条。


     SNS:    Facebook:   http://www.facebook.com/tsutomu.sogitani
             Twitter:    http://twitter.com/sogitani_baigie




                                                                    37

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ビジネスマン必見!キレイな提案書を作るためのデザインの基礎知識

  • 3. 1-1 提案書をデザインする理由 提案書などのドキュメントをデザインすることで、 以下のようなメリットが得られます。 1 提案内容の理解を促進させる 2 心理的障壁を排除する 3 イメージを向上させる 3
  • 4. 1-2 提案書の目的とデザインの重要性 ただし、提案書の一番の目的は 提案内容をきちんと伝えること デザインはそのための手段であって目的ではない。つまり 提案書のデザインには 時間をかけない方が望ましい 4
  • 5. 1-3 時間をかけず良いデザインにするための3つの「ない」 1 デザインを新たに考えない デザインはできるだけ決まったパターンを使いまわす。 わかりやすくまとまっていれば、いつも同じデザインでよい。 2 相手に合わせてデザインしない 提案書は提案する会社のブランディングツール。 クライアントのイメージや色、デザインに合わせる必要はない。 3 かっこいい提案書を目指さない 提案書で目指すべきは、内容をわかりやすく伝えること。 表面的なデザインのかっこよさで勝負するのはやめよう。 5
  • 7. 2-1 色をきれいにまとめるための3原則 1 色数はできるだけ少なく 扱う色が増えるほどコントロールが難しくなる。 背景やイラストなどを除き、使う色は3色の基本色に抑える。 2 色の使い方を統一する ページによって使う色を変えたりしない。 提案書を通して同じルールで使い続ける。 3 色に頼らない 強調したい箇所を色での表現にこだらない。 文字サイズの変更や太字で伝わるのなら色に頼らない。 7
  • 8. 2-2 基本色の決め方とルール化 ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーを決めて使いまわす。 この提案書の場合、以下の3色を基本カラーとしている。 また、使用比率を変えることで、メリハリがでてまとまりやすい。 (パーセント表示は感覚的な目安で、厳密なものではありません) ベースカラー 主に文字に使う基本的な色(全体の約%50∼70%) メインカラー 見出しや強調させたい箇所に使用(全体の約20%∼30%) アクセントカラー 特に注目を集めたい箇所に資料(全体の約5%以下) 8
  • 9. 2-3 基本色以外の色の選び方①グラデーション配色を活用 基本色の3色以外にどうしても色が必要になった場合、 メインカラーと白のグラデーション上の色を使うと、 まとまった配色になりやすい。 例えばメインカラーのゴールドであれば、以下のような色。 9
  • 10. 2-3 基本色以外の色の選び方②トーン配色を活用 トーンとは、色の調子。同じトーンの色同士を使うと調和する。 明度と彩度で変わるトーン。異なるトーンの色が計画 同じトーンの色相環。この中の色を使えば、比較的 なく配置されると、バランスを崩しやすい。 自然にまとまりやすい。 ※感覚的にトーンを理解するのは訓練が必要。てっとり早くトーンを活用するには、後述の「配色イメージワーク」など を参照して、色を調整するようにしよう。 10
  • 11. 2-3 基本色以外の色の選び方③迷ったら無彩色 無彩色は、黒、白、グレーなど、色味を持たない色。 色味を持たないので、どんな色にも合う。 黒 濃いグレー グレー 薄いグレー 白 POINT! 真っ黒と真っ白はコントラストが強くなりすぎるため、一緒に使わない方がいい。 例えば、背景が白の時の文字色は黒ではなく、濃いグレーにすることで、柔らか くスタイリッシュな印象になりやすい。 11
  • 12. 2-4 配色の改善例 同じレイアウトでも、配色を変えるだけで情報を伝えやすくできる。 改善前 1. 色を多用しすぎで、情報のプライオリティが分かりにくい。 2. 色にルールがなく、無意味にゴチャゴチャしている。 3. 色のトーンも統一されておらず、まとまりがない。 改善後 1. 色を3色(黒・青・オレンジ)と、その3色のグラデーショ ンカラーだけでまとめた。 2. 一番伝えたいところにだけアクセントカラーを使った。 3. 文字の太さや大きさで情報のプライオリティを表現した。 サンプルの出典)厚生労働省「生活習慣病の発症・重症化予防」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/dl/taikou03.ppt) 12
  • 13. 2-5 参考 配色のサンプルを紹介している書籍がいくつか出ている。 部署などで一冊置いておくと便利。 おすすめ 『配色イメージワーク』小林重順 著 13
  • 15. 3-1 レイアウトの3原則 1 統一する 周囲の余白、タイトルの位置、本文の開始位置、行間など、レイアウト を構成する要素は必ず統一する。 2 揃える 位置を揃える、端を揃える、大きさを揃える。複数の要素は必ず揃えて 配置する。 3 流れを作る 目線が始まる左上を基準に、話の流れや言いたいことに合わせて情報を 順番に並べていく。 15
  • 16. 3-2 整列① レイアウトは、要素をキレイに整列させることが基本。 人財の流動化加速 人財の流動化加速 人財の流動化加速 人財の流動化加速 広がる管理スパン 広がる管理スパン 社員の負荷増大 社員の負荷増大 × ボックスの大きさが揃ってない ○ ボックスの大きさを揃えた × ボックスの位置が揃ってない ○ ボックスの位置を揃えた × ボックス間の余白が揃ってない ○ ボックス間の余白を揃えた × ボックス内の文字が揃ってない ○ ボックス内の文字を左揃えに統一 16
  • 17. 3-2 整列② POINT! パワーポイントの整列機能を活用しよう。 選択したグループを 選択したグループを 上下左右、中央に揃える 等間隔に並べる POINT! 中央揃えを使うと素人っぽく見える。多少スペースが空いても、文字は 左揃えに統一した方が美しくまとめやすい。 17
  • 18. 3-3 近接 情報のグルーピングは、情報同士の距離で表現する。 見出し 見出し 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 注意事項注意事項 注意事項注意事項 見出し 見出し 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 注意事項注意事項 注意事項注意事項 見出し 見出し 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 注意事項注意事項 注意事項注意事項 見出し、本文、注意事項が、全て同じ間隔で並ん 同じグループの情報は近くに接近させ、異なるグ でいる。 ループの情報は遠くに離す。 18
  • 19. 3-4 余白 余白を広めに使うことで、レイアウトに圧迫感がなくなり、情報が目 に入ってきやすくなる。 見出し 見出し 本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文 見出し 見出し 本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文 文字が大きく力強いが、余白が少なく、仕切り 多少文字を小さくしても、余白が大きい方が見 線も文章の圧迫感を増幅させている。 やすく、文章が頭に入りやすい。 19
  • 20. 3-5 目線の流れ 目線は左斜め上から右斜め下に向かって流れる。そのため、 1 まずは左斜め上にページタイトルを置き、 2 次に導入文や一番言いたいことを配置し、 3 それに導かれるデータや結論を配置する というのがレイアウトの王道パターン。 20
  • 21. 3-6 レイアウトの改善例 レイアウトを整えるだけで、デザインがきれいにまとまる。 改善前 1. 要素の端がそろっていない。 2. ボックスと矢印の位置がバラバラ。 3. ボックスの中の文字の揃え、配置、余白もバラバラ。 改善後 1. 文字は全て左揃えに統一。 2. 文字を格納しているボックスの上下左右の余白を統一。 3. ボックスの大きさを揃え、それぞれの距離を等間隔にする などルール化。 21
  • 23. 4-1 文字組みの3原則 1 書体は限定する 使う書体は1∼2種類、太さはそれぞれ2パターン程度に限定する。 2 文字サイズを統一する 基本で使う文字サイズを2∼4パターンぐらいに統一する。 3 使い方にルールを付ける 見出し、本文、説明文など、共通要素の書体や大きさを統一する。 23
  • 24. 4-2 書体選び 書体はできれば1種類、多くても2種類くらいに絞る。 Windowsであれば、以下の書体から選ぶと考えてよい。 MS Pゴシック MS P明朝 HGPゴシック HGP明朝 HGP創英角ゴシック POINT! 明朝は上品、知的、女性的な印象を与えるのに適している。ただし本文に使うと 読みにくくなる傾向があるため、ゴシック系でまとめた方が無難。 24
  • 25. 4-3 文字の大きさとジャンプ率 見出し、本文、キャプションで大きさを変える。ジャンプ率(大きさ の比率)を上げた方が、メリハリがついて分かりやすくなる。 見出し(14pt) 見出し(20pt) 本文本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文本文本文 本文本文本文本文本文本文(12pt) 本文本文本文本文本文(14pt) キャプションキャプション(10pt) キャプションキャプション(10pt) 25
  • 26. 4-4 文字の装飾 パワーポイントには装飾機能があるが、控え目に使用したほうがよい。 太字になる。タイトルや特に強調したい箇所など、限定的に使用すると よい。もともと太い書体だと、文字が潰れることもあるので注意。 斜体になる。欧文で強調したい箇所に使うと効果的。日本語ではあまり印 象が変わらないため、使わない方がいい。 下線が付く。本文内の強調したい箇所に使うと効果的。ただし多用すると 文章が読みにくくなるので注意。 影が付く。印象の変化が微妙で、滲んだ印象になるだけのことも多いため、 使わない方がいい。 26
  • 27. 4-5 文字の改善例 文字の使い方をルール化するだけで、情報が伝わりやすくなる。 改善前 1. 3種類の書体が混在している。 2. 全ての文字の大きさが24ptでメリハリがない。 3. 文字の影や太字の使い方にルールがない。 改善後 1. 書体を全てMS Pゴシックで統一。 2. タイトル→見出し→小見出し→本文という流れで文字サイ ズをそれぞれ変更。 3. 影の装飾をなくし、見出しのみ太字で表現。 27
  • 29. 5-1 背景 よほどのこだわりがない限り、背景は白にする。 また、背景には画像を入れないほうがよい。 なぜなら・・・ 1 白以外の背景は配色が難しい 新しい配色を考える時間を短縮する。 2 背景に画像を入れると読みにくい 背景画像という余計な情報が、本来伝えたい情報の邪魔をする。 3 背景がないと中身に注目されやすい 背景をデザインしないことで、提案の中身で勝負できる。 29
  • 30. 5-2 矩形 パワーポイントには矩形がいくつか用意されているが、 よく使うのは以下の3つと考えておこう。 行動重視の 行動重視の 行動重視の アプローチ アプローチ アプローチ 四角に情報を入れることで、 柔らかい印象を与えるには、 意味づけを変えたい場合、 際立たせたり、注目させた 角丸を。角丸は小さい方が 円も利用できる。円の中の りすることができる。 キレイにまとまる。 文字は中央揃えがよい。 30
  • 31. 5-3 線 用途に合わせて、線の太さやスタイルを意識して変える。 行動重視のアプローチ 行動重視のアプローチ 四角のブロックを目立たせたいのであれば、 情報を区切るためだけに使うのであれば、細 太い線で、色も変えるとよい。 く薄い色の線がよい。 行動重視のアプローチ 行動重視のアプローチ 参考情報のようにあまり重要でない情報は、 二重線などは、うまく使わないとうるさくな 点線などでさらに印象を弱める。 るので、デザインに自信がなければ使わない。 31
  • 32. 5-4 矢印 矢印の目的は、流れの説明であり、常に脇役。目立たせないように、 控え目にデザインしたほうがきれいにまとまりやすい。 POWER UP! A B A B AからBへの変化を伝えるのに、矢印を 矢印を目立たせなくても、AからBへの 目立たせる必要はあるだろうか? 変化を伝えることは十分にできる。 POINT! 矢印の形は、提案書の中で一貫させることで、印象よくまとまりやすい。 32
  • 33. 5-5 写真・イラスト 1 必要なければ使わない 写真やイラストがなくても伝わるのなら、ない方がよい。 なんとなく寂しいから、という理由で使わない。 2 使うときは控え目に 飾りで入れるのであればできるだけ控えめに。 大きくしていいのは、大きな写真やイラストでないと伝わらない情報か、 クオリティの高い写真やイラストだけ。 3 原則はいつも同じ 写真やイラストにも、色やレイアウトの原則を適応する。 33
  • 34. 5-6 グラフ グラフや表についても、無駄に多くの色を使ったり、必要のない装飾 をしない。デザインは際立たせたいところだけ、限定的に。 売 売 上 上 御社 A社 B社 C社 D社 御社 A社 B社 C社 D社 POINT! パワーポイントやエクセルのグラフ生成ツールを使うときも、できるだけシンプ ルなグラフにした方がうまくまとまりやすい。 34
  • 35. 5-7 表紙 デザインに自信がないのであれば、余計な装飾はしない。 表紙の好みで判断されないよう、シンプルにまとめた方が無難。 35
  • 37. 6-1 著者略歴 名前: 枌谷 力(そぎたに つとむ) 生年月日: 1972年11月7日 職業: 株式会社ベイジ(http://baigie.me ) 代表 クリエイティブディレクター/アートディレクター/デザイナー 略歴: 立教大学文学部史学科卒。1997年∼2001年まで株式会社NTTデータでICカード システムの企画営業に従事した後、Web業界に転職。Webデザイナー/Web ディレクターとして6年間制作会社でWebデザインやWebビジネスの提案業務に 携わる。2007年に独立。2010年に株式会社ベイジ設立。 デザインは制作会社におけるグラフィックデザインとWebデザインの実践で体得。 パワーポイントを使った提案書作りはNTTデータ時代から数えて約15年のキャリ ア。提案書作りにおいては、デザインは装飾ではなく機能ととらえ、ビジネスに 繋がるところだけを無駄なく、効率よくデザインしていくのが信条。 SNS: Facebook: http://www.facebook.com/tsutomu.sogitani Twitter: http://twitter.com/sogitani_baigie 37