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情報の科学的な理解に関する授業実践の紹介
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y_kasugai
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神奈川県情報部会での発表スライドです。(20141226)
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情報の科学的な理解に関する授業実践の紹介
1.
情報の科学的な理解に関する 授業実践の紹介 埼玉県立川越南高等学校 情報科 春日井 優
2.
今日の主張 (情報の科学的な理解の授業実践より) ① 他教科でもICTや情報活用が活発になったら情報科は不要!? →情報科独自のモノの見方・社会の切り口として 情報の科学的な理解は必要。 デジタル化による情報表現・プログラムによる自動化 人の情報の知覚・記憶・思考など ② 情報の科学的な理解は難しい?つまらない? →講義形式による座学だけが授業じゃない。 実験や実習を組み合わせることで、 他教科よりも手触り感がある教材がいくらでもある。 リアリティを感じることで、親しみやすく理解しやすい内容へ! ③
『情報の科学』を開講してみましょう!
3.
はじめに
4.
簡単な自己紹介(情報科関連) 春日井 優(かすがい ゆう) 2000
現職教員等講習会で情報科の免許取得 埼玉県立越生高等学校 2003~2006 情報A・マルチメディア表現を担当 埼玉県立朝霞高等学校 2008 情報Aを担当 2009~2011 情報C・アルゴリズム・情報と表現を担当 2013 社会と情報・アルゴリズム・情報と表現を担当 埼玉県立川越南高等学校 2014 情報Bを担当 2015~ 情報の科学を担当予定
5.
全国大会では大変お世話になりました 8月12日・13日に行われた 第7回全国高等学校情報教育研究会(埼玉大会) では大変お世話になりました。 2016年の 第9回全国高等学校情報教育研究会(神奈川大会) ではお世話になります。 よろしくお願いします<(_ _)>
6.
これまでの主な取り組み① • 埼玉県立越生高等学校 情報A …
グループ学習による 学習用Webコンテンツの作成 小学校高学年用の教材作成 小学校との連携……は、 やってはみたけれど 課題が多かったorz
7.
これまでの主な取り組み② • 埼玉県立朝霞高等学校 情報C …
情報収集による知識獲得 相互評価によるWebページの評価 コンセプトを言語化する活動 社会と情報… e-ポートフォリオによる 学習履歴の蓄積・振り返り e-ポートフォリオを活用した 言語活動
8.
これまでの取り組みを振り返ると… • 他教科でもできるもの • 学習用Webコンテンツの作成 •
情報収集 • 相互評価 • e-ポートフォリオ • 言語活動 • 情報科だけなく、他の教科でも実践可能!?
9.
他教科と情報科 そして情報教育
10.
すべての教科で情報教育① • 学習指導要領を読むと • [国語] 音声言語や画像による教材、コンピュータや情報通信 ネットワークなども適切に活用し… •
[地歴] 情報を主体的に活用する学習活動を重視するとともに… 資料の収集、処理や発表などに当たっては、コンピュー タや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するとともに… • [数学] 各科目の指導に当たっては、必要に応じて、コンピュー タや情報通信ネットワークなどを適切に活用し、… 自ら課題を見出し、解決するための構想を立て…
11.
すべての教科で情報教育② • [理科] 各科目の指導に当たっては、観察、実験の過程での情 報収集・検索、計測・制御、結果の集計・処理などに おいてコンピュータや情報通信ネットワークなどを積 極的にかつ適切に活用すること。 • [保体] 各科目の指導に当たっては、その特質を踏まえ、必要 に応じて、コンピュータや情報通信ネットワークなど を適切に活用し… 情報では •
[情報] 各科目の目標および内容等に即して、コンピュータや 情報通信ネットワークなどを活用した実習を積極的に 取り入れること。
12.
要するに… • 国語科における情報教育 • 地歴科における情報教育 •
数学科における情報教育 • 理科における情報教育 • 保健体育科における情報教育 … … … … … … 科における情報教育 • 情報科における情報教育 違いは 目標や内容に即して 実習を積極的に取り入れる
13.
情報科の目標 • 情報活用の実践力 →
すべての教科で行う • 情報の科学的な理解 デジタル化による表現・手段の特性 プログラムによる自動化の評価・改善 ここが 人間の知覚・記憶・思考などの特性 情報科 • 情報社会に参画する態度 オリジナル 情報や情報技術の役割 情報モラル
14.
情報教育と情報科教育 情報教育 情報科教育
15.
情報科の目標 • 情報活用の実践力 →
すべての教科で行う • 情報の科学的な理解 デジタル化による表現・手段の特性 プログラムによる自動化の評価・改善 今日は 人間の知覚・記憶・思考などの特性 ここが • 情報社会に参画する態度 メイン 情報や情報技術の役割 情報モラル
16.
授業紹介① 論理回路
17.
オリジナルではありませんが… 2013年度の埼高情研の施設見学会で 東洋大学の授業体験で受講 → 早速、授業に取り入れよう! この夏の全国大会では、東京の能城先生が発表 もう少し小型で少ない費用で用意できる 詳しくは、柏木先生のワークショップで…
18.
材料 • ブレッドボード EIC-102BJ
700円 • MicroUSB DIP化キット 200円 • タクトスイッチ2個 20円 • IC 4種類 AND・OR・NOT・XOR 計約150円 • LED(赤・黄の2種類) 約8円 • 抵抗1kΩ 4個 約4円 • ジャンプワイヤ(電線)10本 300円 • 携帯充電用コード 100円 合計 約1500円 を 22セット
19.
実物 授業の様子を撮影していませんでした。
20.
授業内容 • 論理回路とその演算 1時間 •
論理回路を使った実習 1時間 • AND回路・OR回路・NOT回路の確認 • 半加算回路の接続 • XOR回路を使った半加算回路の接続 1時間では少し短いかもしれません
21.
生徒の感想 • 光った時は、今まで習ってきた真理値表通りに なって感動した。 • 半加算回路などの難しい回路でも、AND回路やOR 回路、NOT回路などを単純に組み合わせれば作る ことができることがわかった •
考えれば考えるほど頭がごちゃごちゃになって難 しかったです。でも、ちゃんとできたとき嬉し かったし達成感がありました。 • ブレッドボードを初めて使っておもしろいし、楽 だしすごいと思いました。
22.
授業紹介② プログラミング
23.
授業環境 • 前任校 • PCリプレース前
Visual Studio Express で C# • PCリプレース後 Eclipse で Java • 現任校 • メモ帳+Internet Explore で JavaScript • 授業のしやすさではビジュアルプログラミング • Scratch,Squeak Etoys,Viscuitなど • 高校生にはテキストベースの言語で書かせたい
24.
プログラミングの苦労 • お約束 が多すぎる •
プログラミングの方法、実行の方法を学ぶ必要 • 半角で書く • 括弧が正しく対応する必要 • 言語によっては文末に ; などの区切りが必要 • = は代入で == は等号 • 2数の比較しかできない • いっぺんにまとめて多くの処理ができない
25.
今年度の授業では • メモ帳+Internet Explore •
操作に不慣れな生徒には厳しい • エディタがメモ帳 • エラーの発見が困難(全半角,変数名のスペルミス) → IE でもエラー行の指摘がされない 40人の生徒が受講する共通教科の授業では
26.
40人授業で行うには • Visual Studio
ExpressやEclipseなどのIDE (統合開発環境)の利用が不可欠! • 括弧の対応を補完、指摘してくれる • 文法エラーを即時に指摘してくれる プログラミングでは、自動化させる手順(アル ゴリズム)だけに集中できる
27.
授業内容(情報B) • 順次構造・選択構造・繰り返し構造 2時間 •
簡単なアルゴリズム 2時間 • 平均を求める、最大を求める、月→季節に変換 • ユークリッドの互除法、エラトステネスのふるい • 整列と探索 2時間 時間切れで整列と探索は行えなかった
28.
授業の様子
29.
生徒による違い t[0] t[1] t[2] t[0]
t[1] t[2]-9999
30.
生徒の感想 • はじめはプログラムが動かなくて嫌になってい たけれど,友人や先生に教えてもらってプログ ラムが動いたときはとても嬉しかった。 • コンピュータはさまざまなことができて便利だ けれど,そのためのプログラムをつくることは 大変だと思った。 •
もっとプログラミングを勉強して,コンピュー タでいろんなことができるようになりたいと 思った。
31.
生徒の変化 • 初めてプログラミングを行う生徒がほとんどの ため,開始当初にはコンピュータの処理方法に 戸惑いを感じる生徒が多くいたが,処理方法を 理解した後は自分たちでプログラムを考える姿 勢が見られた。 • すべて教えてもらえるという姿勢の生徒が見ら れたが,動作するプログラムをつくった生徒が 現れ始めると自分で考える雰囲気になった。
32.
参考(アルゴリズム 前任校) • 3年生の選択授業 •
受講者は10名程度 • 3単位の授業(1月までの約60時間程度) プログラムを書けることではなく 書いたプログラムが何をしているかを理解しな がら実行することを目標とした
33.
参考(アルゴリズムの内容) • 順次構造・選択構造・繰り返し構造 • データ構造 •
数値、文字、文字列、配列、列挙、 • オブジェクト、リスト、スタック、キュー、木構造 • アルゴリズム • ソート(選択法、交換法、挿入法、クイックソート) • Javaアプレットを使ったグラフィック スタックと関連付けて 逆ポーランド記法 木構造と関連付けて 数式の構文解析木 → この2項目を組み合わせて 簡易電卓
34.
授業紹介③ モデル化とシミュレーション
35.
授業で行ったこと • モデル化とシミュレーションについて 2時間 •
Excel練習 1時間 • シミュレーションの方法 8時間 • 値段設定により購入率が変化するときの最大利益 • 線形計画法 • 時間変化によるシミュレーション • 確率的なシミュレーション • 待ち行列 • シミュレーションを利用する問題解決 5時間 • 3~4人グループで問題解決(風)に整理し、クラ ス全体で発表を行う
36.
課題 • シミュレーションを活用した問題解決を行う • 問題は仮想のものでよい、結論・解決案を示す •
シミュレーションの例 1)プリント13の文化祭の模擬店の… …………………………………… 16)コンビニエンスストアでレジが… 17)その他、シミュレーションにより数的な 検討を要するテーマであれば、各自で 設定してもよい。
37.
生徒のシミュレーション① 線形計画法
38.
生徒のシミュレーション② 時間的な変化のシミュレーション
39.
生徒のシミュレーション③ ランダムウォークの応用
40.
生徒のシミュレーション④ 待ち行列
41.
生徒のシミュレーション⑤ 待ち行列
42.
生徒のシミュレーション⑥ 統計を利用
43.
生徒の相互評価・自己評価から 【シミュレーションについて】 • カードコンプは難しそう。 • スマホのゲームについてだったので、面白かっ た。 •
2つのレジに1列で並ぶほうが早いことが分 かった。
44.
生徒の相互評価・自己評価から 【今回の授業を通して】 • テーマ設定とシミュレーション結果がはっきり していて分かりやすかったです。 • 他の班の発表を見て、さらに工夫したら良かっ たと思った。 •
将来役立ちそう。
45.
授業紹介④ 写真投稿と情報社会 授業時間数の差があったので 実施しました
46.
授業内容 • 写真の情報から、撮影日・撮影場所などの情報 を調べる • ネット上に写真を載せる時に注意すべきことを 整理する
47.
学習内容 • ジオタグ・GPS・EXIFといった写真ファイル のしくみ • 画像検索・ストリートビューなどの特性 •
しくみと関連付けた情報モラル
48.
授業を通して考えたこと • 撮影時間など細かい部分までわかってしまうと 個人情報の流出につながってしまいそうですが、 そのような点に気をつければ、自分が行って良 かったと思う場所を他の人にも共有してもらえ たりとよい情報交換になるので、適切な対応を したいと思いました。 • 場所を特定できる写真や顔写真、情報が載って いるものを安易に投稿しない。載せる場合でも、 リアルタイムやその後の行動がわかることを一 緒に書き込まない
49.
感想 • 調べ始めてしまえばこんなに多くの情報を知るこ とができるというのには驚きました • 写真1枚にもわりとたくさんの情報があってびっ くりしました •
詳細でGPSの緯度、経度から全部わかっちゃうか ら怖いと思いました • もっと詳しい人が調べないと分からないのかと 思っていたけど、自分でも分かるなんて、誰にも できることが分かって、ぞっとした
50.
授業紹介⑤ 情報のディジタル化と 情報社会のつながり 前任校の「社会と情報」で実施
51.
「社会と情報」での授業実践 情報のデジタル化のしくみについて説明した後、 • 「情報をデジタル化することによる 利点と問題点を、 具体例を挙げて説明しなさい。」 という内容について論述をさせる問題を出題した。 文章をまとめるために、必要な情報を収集し参考 にしてもよいこととした。授業時間は2時間。
52.
論述問題の効果 • 情報のデジタル化について理解が必要である • 情報のデジタル化という「しくみ」の話が、実 社会における諸現象と結びついていることを考 えることができる •
情報モラルが道徳の問題だけではなく、情報技 術と密接に関係する問題であることを理解する ことができる
53.
生徒が論述した利点の例 • インターネットによる通信ができるため、本や音 楽などの購入が容易になる • 計算により顔認証などの技術が向上し、ロックを 解除できなくて、情報セキュリティが向上し、被 害を減らすことができる •
文字の大きさを変更するなどの処理がしやすいた め、タブレットのようなピンチイン・ピンチアウ トの操作で拡大・縮小ができたり、文章を読み上 げることができる(視力が弱い人にとって便利)
54.
生徒が論述した問題点の例 • 複製が簡単にできるので、著作権の問題が多く 起きるようになった • 複製やリツイートが簡単にできるため、真偽が わからない情報でもあっという間に世界中に広 まる可能性がある •
画像の加工が簡単にできるため、自分が行った ことがない場所での写真や、ありえないことの 偽造が簡単にできる
55.
生徒の感想 • デジタル化の特徴に関心が持て、利点や問題点も よく理解することができたと思います。 • 一見便利なことだらけと思ってしまうデジタル技 術も、得意でないことがたくさんあることを思い 知りました。 •
身近にデジタル化されたものがたくさんあること がわかりました。私たちはとても便利に使ってい て、たくさんの利点があります。でも、その利点 の裏には問題点がたくさんあることもわかりまし た。
56.
まとめ
57.
まとめ • 「情報の科学的な理解」に関する授業は、情報科 オリジナルの視点を与える • 「情報の科学的な理解」は座学だけでなく、実習 を伴った手触り感を感じる授業を行うことが可能 •
情報活用の実践力・情報社会に参画する態度の育 成にも不可欠 • ぜひとも「情報の科学」を開講してみましょう!
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