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顔画像からの
個人顔識別手法に関する検討
@epcnt19
背景
東京オリンピック開催に向けて,国内の安全意識が高まる現在,
セキュリティ技術が注目されている.
物理的なセキュリティ技術である,バイオメトリクス認証
顔画像から個人を識別する技術に着目した.
目的
複数の顔画像を学習データとして用いた場合の個人識別手法に
関する検討
ふたつの手法を実装し,精度の比較実験を行った.
目を特徴量としたコサイン類似度に基づく手法
顔画像全体の主成分分析に基づく手法
顔全体の画素値についての主成分分析を行う
顔の空間に落として比較を行うことができる
顔全体の主成分分析を行う手法
顔の空間
顔画像A
顔画像B
顔全体の主成分分析を行う手法
方法
ハールライク特徴・カスケード分類器を用いた顔の抽出
縦m×横n画素として,画像を切り出す
mn次元の画素値のベクトルとして扱う
第N主成分を求める
ユークリッド距離または最近傍探索
n
m
mn次元の
ベクトル
顔全体の主成分分析を行う手法
共分散行列を作成する
𝑆 = 𝑖=1
𝑛
𝑥𝑖 − 𝑚 𝑥𝑖 − 𝑚 𝑇
(𝑆:共分散行列, 𝑥𝑖:番目の画像, 𝑚 :平均ベクトル(平均顔)
𝑛:画像の総枚数)
固有ベクトルを作成する
𝑆𝑥 = 𝜆𝑥 (𝑥:固有ベクトル,𝜆:固有値)
固有ベクトルは固有顔を表す
顔全体の主成分分析を行う手法
共分散行列を作成する
𝑆 = 𝑖=1
𝑛
𝑥𝑖 − 𝑚 𝑥𝑖 − 𝑚 𝑇
(𝑆:共分散行列, 𝑥𝑖:番目の画像, 𝑚 :平均ベクトル(平均顔)
𝑛:画像の総枚数)
固有ベクトルを作成する
𝑆𝑥 = 𝜆𝑥 (𝑥:固有ベクトル,𝜆:固有値)
固有ベクトルは固有顔を表す
顔全体の主成分分析を行う手法
平均顔(平均ベクトル)について
各座標での画素値の平均値を並べたもの
算出した平均顔 𝑚
顔全体の主成分分析を行う手法
共分散行列を作成する
𝑆 = 𝑖=1
𝑛
𝑥𝑖 − 𝑚 𝑥𝑖 − 𝑚 𝑇
(𝑆:共分散行列, 𝑥𝑖:番目の画像, 𝑚 :平均ベクトル(平均顔)
𝑛:画像の総枚数)
固有ベクトルを作成する
𝑆𝑥 = 𝜆𝑥 (𝑥:固有ベクトル,𝜆:固有値)
固有ベクトルは固有顔を表す
顔全体の主成分分析を行う手法
固有ベクトル(固有顔)とは
人間の顔の特徴を表したベクトル
第1主成分 第2主成分 第3主成分 第4主成分 第5主成分 第6主成分
第7主成分 第8主成分 第9主成分 第10主成分 第11主成分 第12主成分
顔全体の主成分分析を行う手法
固有値𝜆の変化
0.00E+00
5.00E+10
1.00E+11
1.50E+11
2.00E+11
2.50E+11
3.00E+11
3.50E+11
4.00E+11
0 10 20 30 40 50
固有値
次元数(N)
固有値の変化
顔全体の主成分分析を行う手法
近似顔について
平均顔(平均ベクトル)に指定した次元分の固有顔(固有ベクトル)を
足すことで得られる顔.次元数を増やすほど元々の顔に近づく.
𝑥 ≅ 𝑚 +
𝑖=1
𝑁
𝑒𝑖(𝑥𝑒𝑖)
𝑥:ある画像のベクトル 𝑚:平均ベクトル 𝑁:次元数 𝑒:固有ベクトル
顔全体の主成分分析を行う手法
近似顔について
元の顔画像 1 1~2 1~3 1~4 1~5 1~6 1~7 1~8 1~9
評価実験
1人(1クラスタ)あたり5枚のグレイスケール画像を用意
全部で24人(24クラスタ),計120枚の画像を扱う.
ランダムに入力画像を選び,入力画像がどの画像やクラスタと距離
が小さいかを計測する.
入力画像との距離が最も小さいクラスタが入力画像の所属クラスタ
であれば正解とし,1位としてカウントする.
環境について
OS Windows 7 Professional 64bit
プロセッサ Intel Core i5-2520M CPU 2.50GHz
実装メモリ 12.0GB
使用言語 C/C++
使用ライブラリ OpenCV 3.0
使用データ
PRMUアルゴリズムコンテスト
第4回(2000年) 「わたしは誰?顔画像からの個人識別」
1クラスタあたりの画像例
 縦130×横100画素とする.
1クラスタあたりの画像例
 縦70×横60画素として,矩形画像を切り出す.
 70×60=4200次元の画素値のベクトルとして扱う.
実験結果
各クラスタの重心と入力画像の距離を比較した場合
0.00%
10.00%
20.00%
30.00%
40.00%
50.00%
60.00%
70.00%
80.00%
90.00%
1次元 1-2次元 1-4次元 1-8次元 1-16次元 1-32次元
各次元における,入力画像が各順位にランクインした確率
(全クラスタとの比較)
1位
1-2位
1-4位
1-8位
実験結果
全ての画像と入力画像の距離を比較した場合
0.00%
10.00%
20.00%
30.00%
40.00%
50.00%
60.00%
70.00%
80.00%
1次元 1-2次元 1-4次元 1-8次元 1-16次元 1-32次元
各次元における,入力画像が各順位にランクインした確率
(全画像との比較)
1位
1-2位
1-4位
1-8位
実験結果
クラスタの重心と入力画像との距離を比較するより,
全ての画像と入力画像の距離を比較した方が精度が高い.
→学習データとテストデータが等しいことより
クラスタの重心との比較は1-8次元付近が最も精度が高かった.
→1位になる確率は30%程度
→1-8位になる確率は75%程度
まとめ 今後の展望
主成分分析を用いた個人顔識別手法の実装を行った.
全クラスタ中,1/3程度までは非常に高い確率で絞り込める.
1クラスタにおける画像データセットを多くし,再度実験を行いたい.

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