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SVM(サポートベクターマシン)




                        Theme
      について
  筑波技術大学大学院:産業技術学セミナー
自己紹介

• @mikenov22(Twitter)
• 専門
 • パターン認識と機械学習(PRML)
 • 画像処理
 • 物体認識
• 所属
 • 筑波技術大学大学院 M2
 • 研究テーマ「距離情報を用いた指文字認識」
• その他
 • 耳に障害があるため補聴器つけてます
 • 日常会話レベルなら特に問題なし

                          2
発表の流れ

• 1:SVMの概要

• 2:線形SVMの理論と計算方法

• 3:その他のSVM
 • ソフトマージンSVM
 • 非線形SVM


• 4:まとめ


                    3
Chapter:1
   SVMの概要
SVMとは何か

• SVM(Support Vector Machine)とは何か
 • ニューロンモデルとして最も簡単なモデルの改良による
   学習を用いた認識
 • 単純パーセプトロン
   • 線形しきい素子
   • 入力層と出力のみからなる2層のネットワークモデル
      入力層                 出力層



     X         w                    Y
         …




                                        5
SVMの利点・欠点

• 利点
 • データの特徴の次元が大きくなっても識別精度が良い
 • 最適化すべきパラメータが尐ない
 • パラメータの算出が容易


• 欠点
 • 学習データが増えると計算量が膨大になる
   (「次元の呪い」の影響が顕著)
 • 基本的には2クラスの分類にしか使えない




                              6
SVMによる識別:2クラス分類

• 2クラスを分ける識別面を考える
 • どの識別面が一番良いか?
 • 条件を満たすものは複数考えられる
• 最も良い識別面とは
                             クラスB
 • 未知の入力に対する識別誤差は
   最小にすべき
 • 何らかの基準で識別面を評価する
   必要がある


   マージンの最大化           クラスA




                                    7
SVMによる識別:マージン最大化

• マージンを引く
 • 識別面から最近傍サンプルまでの
   ユークリッド距離

• マージンを最大化するような             クラスB

  識別面を決める

• サポートベクタ
 • 識別面の最近傍サンプル点
 • サポートベクタのみを用いて
                     クラスA
   識別面を決定する


                                   8
Chapter:2
線形SVMの理論と計算方法
  識別関数やパラメータの求め方など
識別関数

•



              クラスB




       クラスA




                 10
線形SVMの識別面

•



                   クラスB




            クラスA




                      11
条件を満たすためには

•



                    クラスB




             クラスA




                       12
超平面からの距離(マージン)

•




                 13
境界超平面の決定(1/3)

•




    線形識別の超平面が存在するための
          制約条件


                       14
境界超平面の決定(2/3)

•




                15
境界超平面の決定(3/3)

•




                16
双対問題の説明にあたって

• 使用する定理
 • 説明するにあたって,次の定理を用いるため,これらの考え方に
   ついて説明する
• ラグランジュ未定乗数法
 • 目的関数の,極値の最大化や最小化を行う際に用いられる
   数学的手法
• KKT条件
 • 最小化問題を解く際に,極値が満たさなければならない条件
 • Karush-Kuhn-Tucker条件




                                 17
ラグランジュ未定乗数法(1/3)

•




                   18
ラグランジュ未定乗数法(2/3)

•




                   19
ラグランジュ未定乗数法(3/3)

•




                   20
ラグランジュ未定乗数法(補足)

• 制約条件について
 • 通常,ラグランジュの未定乗数法は,
 制約条件が等式の場合
 に適用される手法である


• 不等式の制約条件への拡張
 • 次のスライドからは,不等式の制約条件を持つ目的関数に
   適用させるための考え方について述べる
 • KKT条件の考え方を用いる



                                21
KKT条件(1/3)

•




             22
KKT条件(2/3)

•




             23
KKT条件(3/3)

•




              各項の微分結果の総和が0




             KKT条件
                             24
双対問題(1/4)

•




            主問題

            補問題
                  25
双対問題(2/4)

•




            26
双対問題(3/4)

•




            27
双対問題(4/4)

•




     識別関数の最適なwとbを求める問題が
    最適なλを求める双対問題へと帰着できた



                          28
識別関数のパラメータの決定

•




                29
最適化問題

•




        30
最急降下法による最適化(1/2)

•




                   31
最急降下法による最適化(2/2)

•




                   32
これまでのまとめ(1/2)

•




                33
これまでのまとめ(2/2)

•




                34
Chapter:3
  その他のSVM
ソフトマージンSVM,非線形SVM
ソフトマージンSVM(1/8)

• ハードマージンSVMの問題点
 • 識別器構成時,サンプルが綺麗に分離できない場合がある
  • データにノイズが含まれる場合
  • データの分布がオーバーラップしている場合


                             クラスB
            クラスB



        クラスAとBに分類した          クラスAとBが分布し
        が,ノイズのせいでお互          ている領域が,互い
        いの領域にサンプルが           にかぶってしまった
        入ってしまった
 クラスA                 クラスA



                                          36
ソフトマージンSVM(2/8)

• クラスを線形分離できない場合…
 • 無意味な識別面ができてしまう
 • そもそも識別面が構成できない



                       ?   ?   クラスB
         クラスB


                               ?



 クラスA               クラスA



                                      37
ソフトマージンSVM(3/8)

• ソフトマージンSVMでの解決方法
 • 次のような感じで,制約条件を緩めることで対応
    :マージンが最大である必要がないようにする
    :超平面で分離に失敗するデータがあっても許容する


                         クラスB
           クラスB




   クラスA           クラスA



                                38
ソフトマージンSVM(4/8)

•




                  39
ソフトマージンSVM(5/8)

•


             誤った領域に存在してし
             まったデータに対するペナ
             ルティを表す




                            40
ソフトマージンSVM(6/8)

•




                  41
ソフトマージンSVM(7/8)

•




      ハードマージンSVMの時と
    全く同じ形の式を導くことができる   42
ソフトマージンSVM(8/8)

•
                              C→0
                  存在を許容


                             クラスB




              クラスA     C→∞
                     存在を許さない


                                    43
非線形SVM(1/5)

• ソフトマージンSVMの問題点
 • 線形分離不可能な場合でも柔軟に対応ができるが,
   必ずしも良い識別器が構成されるとは限らない

     S-                S-SVM…?
     SVM   クラスB              クラスB




   クラスA            クラスA


 どんな分布になっても        超平面自体は線形なので
 識別面を決定できるようになった   分布によっては分離性能に難あり
                                     44
非線形SVM(2/5)

•


       サンプル空間           高次空間               元の次元

            クラスB               クラスB               クラスB




    クラスA            クラスA                クラスA

このままでは分類不可能        非線形写像先で線形分類をする     分類情報を保ったまま元の次元へ


                                                   45
非線形SVM(3/5)

•




              ハードマージンSVMの式との違い




                             46
非線形SVM(4/5)

•




              47
非線形SVM(5/5)

•




              48
Chapter:4
  まとめ
説明した内容

• SVMの概要
• 線形SVMの理論
 •   超平面およびサポートベクタの存在条件
 •   ラグランジュの未定乗数法とKKT条件
 •   双対問題による定式化
 •   最適化問題の紹介


• ソフトマージンSVMと非線形SVM
 • スラック変数ξとパラメータCによる制約条件の調整
 • それぞれの手法の定式化
 • カーネルトリック

                              50
参考文献
• 栗田多喜夫:サポートベクターマシン入門
• http://www.neurosci.aist.go.jp/~kurita/lecture/svm/svm.html
• 津田宏治:サポートベクターマシンとは何か,電子情報通信学会誌,vol.83, No.6, pp.460-
  466(2000)
• 前田英作,痛快!サポートベクターマシン:情報処理学会誌,Vol.42, No.7, pp.676-683(2001)
• 直江健介:サポートベクターマシンについて考えてみる
• http://web.sfc.keio.ac.jp/~naoe/security/documents/naoe/Support_Vector_Machine_ver2.pd
  f
• Support Vector Machine って,なに?
• http://www.neuro.sfc.keio.ac.jp/~masato/study/SVM/index.htm
• 森信介:パターン認識特論 その2
• http://www.ar.media.kyoto-u.ac.jp/members/mori/lec-2007/bilingual-patrec-2.pdf
• 山川佳洋:疎な解を持つカーネルマシン
• http://www.ppt2txt.com/r/e3f07461/
• サポートベクターマシン入門(共立出版,2005年):Nello Cristianini, John Share-Taylor 著
  大北剛 訳
• ラグランジュの未定乗数法
• http://szksrv.isc.chubu.ac.jp/lagrange/l1.html



                                                                                      51

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