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TOCから俯瞰する  
リーンスタートアップ
2015/1/16  
@inuro
Lean Startup
https://flic.kr/p/6uRsA
Agile development
DevOps
Theory of constraints
Design Thinking
Human-centered design
design sprint
この世に⽣生み出された  
数多の銀の弾丸
”群盲象を評す”
• 本質は⼀一つでも、⽴立立ち位置が違えば視界が異異なる  
-‐‑‒ ⾜足を触った者「これは柱だ」  
-‐‑‒ ⿐鼻を触った者「これは管だ」  
-‐‑‒ ⽿耳を触った者「これは布だ」  
• 挙げ句句の果てに⾜足vs⿐鼻で論論争が始まっちゃったりする  
• 様々な視界を持つことはとても⼤大事
https://flic.kr/p/87K9E9
Do  you  know    
TOC?
TOC:  Theory  Of  Constraints  
[制約条件の理理論論]
• ⼀一⾔言で⾔言えば全体最適化原理理主義  
• スコープを定め、そこからのスループットを継続的に最⼤大化す
ることを⽬目指す  
• 「スコープ全体のスループットはボトルネックのスループット
に制約される」と考え、ボトルネックを解消し続けようとする
元々は製造(⼯工場)と物流流を対象とした理理論論
⽤用語の補⾜足
• スコープ  
-‐‑‒ 責任を持とうとする範囲  
‣ 「世界に平和をもたらす」は⼀一プロジェクトが持つには⼤大きすぎるスコープ  
‣ 「コーディングとレビューを最⼤大効率率率化する」とスコープを置くと、ペアプログラミングになる  
• スループット  
-‐‑‒ スコープから得ようとする成果  
‣ ⼯工場であれば出荷製品の量量と質  
‣ スタートアップの場合は?  
• ボトルネック  
-‐‑‒ スコープを構成する要素の中で、最もスループットが低いもの  
‣ ボトルネックのスループット=スコープのスループットになる
ボトルネックのスループット  
=スコープ全体のスループット
824 24
2416
この鎖の強度度は?
ボトル  
ネックを  
解消する
TOCのサイクル
ボトル  
ネックを  
⾒見見つける
ボトル  
ネックが  
他に移る
ボトルネックを解消する  
→ボトルネックが他に移る
2424 24
2416
強度度16の鎖が新たなボトルネックに
「ボトルネックを解消しスループットを
最⼤大化する」ことを繰り返すプロセスの
スループットを最⼤大化する
このグラフの積分値がTOCのスループット
Time
Throughput
ボトルネックを「早く⾒見見つける」
「早く解消する」がとても⼤大事
Time
Throughput Throughput
Time
found! fixed! found! fixed!found! found!fixed! fixed!
TOCから⾒見見た  
リーンスタートアップ
https://flic.kr/p/b4qFiP
スコープとスループットは
何か?
process  A process  B process  C
曖昧な状態から  
リソースが尽きる前に求められる製品を⽣生み出すこと
A→B→Cのプロセスのスループット
⼯工場
スタートアップ
ボトルネックは何か?
process  A process  B process  C
前に進まない・間違った⽅方向に⾏行行く・スピードが遅いetc.  
ゴールにたどり着くことを阻害するものすべて
最も⽣生産能⼒力力の低いプロセス
⼯工場
スタートアップ
具体的なボトルネックはさまざま
• 前に進まない  
-‐‑‒ 課題が何か分からない・何をやっていいか分からない  
• 間違った⽅方向に⾏行行く  
-‐‑‒ 顧客が必要としているものが分からない  
• スピードが遅い  
-‐‑‒ 仮説の検証に時間がかかる・⼿手戻りが⼤大きい  
-‐‑‒ 上司が理理解してくれずプロジェクトが進まない
「早く⾒見見つける」「早く解消する」
ためのさまざまなメソッド
• 何をやっていいか分からない→リーンキャンバス  
• 顧客が必要としているものが分からない→インタビュー  
• 仮説の検証に時間がかかる→MVP
よくある間違い:ボトルネックを
スコープの外に置いてしまう
• 上司が分かってなくて進まない、なら上司もスコープ内  
-‐‑‒ 逆に分かっていて任せてもらえるなら疎に結合しているスコープ外  
• 「ほんとあの⼈人わかってなくてさー」と愚痴るのはスコープ内
のボトルネックを放置しているだけ
事実を正確に認識識する
• スコープに含まれているのは何か:その全てがドライバーにもボト
ルネックにもなりうる  
-‐‑‒ 市場・顧客・チーム・上司etc.  
• 動かせない前提は何か  
-‐‑‒ e.g.「⼈人間は必ずミスを犯す」  
• 前提と思い込んでいるステレオタイプは無いか  
-‐‑‒ e.g.「あの上司は絶対に分かってくれない」
よくある間違い:ステレオタイプに  
対して課題を解決しようとしてしまう
• e.g.「育児に疲れた⺟母親は癒しを必要としています」  
-‐‑‒ 本当か?⺟母親たちがそう⾔言ったのか?  
-‐‑‒ よしんば⾔言ったとしてもそれは本当に思っていることなのか?  
-‐‑‒ 必要なのは癒しなのか?疲れている根本の原因は何なのか?
根本の原因を解決する
• ⿐鼻⽔水が出て⿐鼻を噛み、くしゃみが出てマスクをして
も、⾵風邪は治らない  
• 様々な問題や課題があっても根っこはたいてい1つ  
• 根っこを解決すれば、すべてが解決する  
-‐‑‒ 宮本茂「アイデアというのは複数の問題をいっぺんに解
決することだ
そのためのメソッドが「思考プロセス」だがしかし余⽩白が⾜足りな
http://thebln.com/2011/09/eric-ries-the-lean-startup-the-most-innovative-book-launch-
ever-video-transcript-of-erics-talk-the-science-of-lean-startups-at-business-of-
software-2010/
まとめ
• 様々な⽅方法論論はすべて課題解決というひとつの本質へのスコー
プの違うアプローチ  
• 中でもTOCはよりメタプロセス的で、パースペクティブとして
⾒見見通しが良良い  
• 「スコープは何か」「スループットは何か」「ボトルネックは
何か」これを常に考え続けることがTOCのパースペクティブ  
• TOCに限らずある⽅方法論論から別の⽅方法論論を⾒見見てみることは本質
をとらえるために⾮非常に有効
1D→2D→3D→
Rabbit and Deer (Nyuszi és z)
from Péter Vácz
http://vimeo.com/52744406

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