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UUYアドテクセミナー
          2013/1/4
     Masayuki Isobe

     Powered by
アジェンダ
   広告の種類
   広告が果たす役割
   純広告とアドサーバ
   クッキーの仕組み(おさらい)
   アドネットワーク
   カオスマップ
   アドエクスチェンジとRTB
   SSP
   DSP
   3PAS
   DMP
   その他
   要素技術・実装方式
   質疑応答
広告の種類
   表示形態
       ディスプレイ広告
            テキスト、画像バナー、動画、リッチメディア(インタラクティブな広告メディア)

       リスティング広告(検索連動広告)
   課金形態
       クリック課金(CPC:Cost per Click=クリック単価)
       インプレッション(表示回数)課金(CPM:Cost per Mile = 1000回表示単価)
       アフィリエイト(ユーザ獲得による課金)
   その他
       リワード広告(広告自体がインセンティブを持つ)
広告が果たす役割


マス広告                 知らない(潜在的なターゲット)
         ターゲティング



                               効果指標
                   知ってる         曖昧



 ネット広告
             気になってる

                            効果指標
                             明確
          買った
(参考1)国内のインターネット広告市場
(参考2)リスティングとディスプレイ




 出典: http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1212/26/news011.html
純広告とアドサーバ
   ユーザ数の多いメディア(Webサイト)自信が直接配信
       Webサービスのインフラにアドサーバを併用
       アドサーバはASP形態で利用する場合も


   広告主は人力で集める
       代理店や自社で直接営業
   主な例
       Yahoo
       はてな
       Publickey1
クッキーの仕組み(おさらい)




                             「とほほのcookie入門」より。
【補足】
・今訪れてるURI(ブラウザのアドレスバーに表示されてるURL)と
 同じdomainのクッキーをファーストパーティークッキー、異なる
 domainのクッキーをサードパーティクッキーと呼ぶ。
・クッキーを参照する側はdomainとpathによって限定されるが、
 クッキーを発行する側はdomainとpathを自由に指定できることに注意
アドネットワーク
   仕組み
       一つのドメイン(アドネットワーク業者が保有するドメイン)から多数の
        Webサイトに広告を配信する
       Webサイト側は、広告枠にimgタグやiframeタグを埋め込む
           埋め込みJSはクロスドメイン制約があるため単純にGETは不可

   モチベーション(主に媒体側の都合が大きい)
       純広告における営業(広告主を見つける作業)にスケールメリットを持た
        せたい
       純広の売れない弱小Webサイトでも数を集めて束で売れるようにしたい
       媒体にとっては広告在庫が抱負で単価の高いアドネットワークに繋ぎたい
           そのためにアドネットワーク業者は

   アドネットワークの付加機能
       コンテンツマッチ広告(接続Webサイトを事前に解析しておき広告をマッチング)
       オーディンストラッキング(同じアドネットワーク上のWebサイトの回遊を追跡)
カオスマップ
アドエクスチェンジとRTB
   仕組み
       アドネットワーク or SSPからリクエストをアドエクスチェンジに投げる
       RTB対応のアドサーバが接続してるDSP達にオークションを掛ける
           一番高い価格をつけた落札者(DSP)が、2番めの入札額を払って配信する方式が一般的
                セカンドオークション方式という

           OpenRTBを参考に(後述)

   モチベーション
       広告在庫切れで余ったインプレッションリクエストと、余った広告在庫をアドネッ
        トワーク間で流通させたい
           「どうでもいい広告枠」「購買欲の低いインプレッション」が流通しがち → SSPとDSP(後
            述)の進化によってアドエクスチェンジが主役になる可能性
       別のアドネットワークのクライアントも候補とすることでより高い値段でインプ
        レッションを売りたい → RTB
       アドエクスチェンジにリクエストを流せばオープンに広告在庫を取ってくることは
        できるが、(プレミアムな)アドネットワークにRTB機能をつけて最低入札価格など
        も決めることで媒体側の利益性を確保しつつインプレッション単位の買い付けを可
        能にするというプライベートエクスチェンジというものも出てきている
SSP(Supply Side Platform)
   仕組み
       メディア側でアドネットワークのタグを入れる代わりにSSP業者のタグを入れるだけ
       SSP業者は接続してるアドネットワーク、アドエクスチェンジから最も儲かりそうな
        ところへリクエストを投げるか、自らDSPに対してRTBによるオークションを行う。

   モチベーション(媒体社側の都合)
       少しでも高く広告を売りたい
       メディア(Webサイト、アプリ)が、どのアドネットワークに繋げば収益が高いか選べない
           インプレッション毎に「一番儲かるアドネットワーク」に切り替えたい

       広告在庫切れをなくしたい
DSP(Demand Side Platform)
   仕組み
       広告主のサイトにDSPのタグを埋め込んでおくことで新規訪問者かどうかの情報や、
        訪問済みユーザのトラッキング情報を管理しておく
       RTBからのリクエストに対して、DSPが管理しているデータを使って最適な入札価格
        を算定し入札する(ここまでDSPのシステムが自動的にやる)
       DSPに対してどんな方針で入札するかはDSPの運用者が事前に設定する(DSPトレー
        ダー)
   モチベーション(広告主側の都合)
       「広告枠+期間」(純広告)や「Webサイト/アプリ群」(アドネットワーク)と
        いったざっくりとした枠を買うのではなく、特定の属性をもったオーディエンス
        (ユーザ)に対してリアルタイムに判断して広告を配信したい
           それによってCPAを向上させたい
       広告主側が持っている顧客情報(サイト訪問者のクッキー情報)を再利用して配信
        することで広告のROIを向上させたい


   DSPの運用には様々なノウハウが考えられ、米国では既にDSPトレーディングデ
    スクというシステム&業者が多数存在
3PAS(3rd Party Ad Server)
   仕組み
       広告主側がアドサーバを用意して配信
       DSP/RTB方式でないアドネットワークでも利用可能
       DSP経由の場合は、落札した広告枠に対して3PASが配信
   モチベーション(完全に広告主側の都合)
       アドネットワークの機能(1インプレッション確保後の工夫)を独自に拡張したい
   機能(3PASを使うメリット)
       アトリビューション分析
           キャンペーンごとのユーザトラッキング、エンゲージメントの可視化
       リッチメディアアド
           HTML5インタラクティブアド、マイクロサイト、クラウド上でのクリエイティブ作成
       クリエイティブ最適化とレコメンデーションバナー
           バナー画像のデザインをレイヤごとに組み合わせてCTRなどの指標のもとで最適化
           サイト訪問者(離脱者)に対して訪問時の行動に応じたバナーを自動生成(仏criteo社)

   日本におけるYahooの第三者配信タグ受け入れ事情
DMP(Data Management Platform)
   仕組み
       Webサイトに対してDMP業者が提供するソーシャルタグを埋め込んでもらったり、
        Data SupplierというWebサイトの訪問者情報を独自に集計する業者からDMPがデー
        タ提供をうけてDMPのデータベースに持っておく
            各アドネットワークで発行したcookie(アドネットワークのドメインがついている)と、
             DMP業者が発行したcookieをマッチングさせる

       DSPは入札時にDMPのデータベースを参照し(多分事前に一定期間のタイミングで
        DSP内にDMPからフェッチしてキャッシュしておくのでしょう)、入札の参考にする
       DSPが落札したあとでDSPや3PASが配信する広告を選ぶ際にDMP業者のデータベース
        を参照し広告の精度を高める(こちらは時間制限キツくないのでそれなりにリッチ
        にリアルタイム分析できる)

   モチベーション
       広告主利用してるDSPが管理するデータ以外にも、オーディエンスの属性で有用な情
        報を加味したい
            カテゴリの似たWebサイトの訪問履歴など

       加味することで、DSPが算定する入札価格の精度を向上させたり、落札後に配信する
        広告の精度を向上させたりする効果が期待される
その他
   最近の話題
       Facebook Exchange(FBX)の潜在力と証券投資家からの期待
            http://wired.jp/2012/12/19/facebook-exchange-2/

       Googleがsafariのサードパーティクッキーのデフォルト禁止設定を
        回避する実装を行なってユーザトラッキングしてた件
            http://japanese.engadget.com/2012/02/17/google-cookie-safari/
       ↑がFTCで問題となりGoogleが制裁金2250万ドル支払った件
            http://jp.techcrunch.com/archives/20120809google-settles-with-ftc-agrees-to-pay-22-
             5m-penalty-for-bypassing-safari-privacy-settings/

   面白そうなオンライン・マーケティング関連ツール
       リスティング広告最適化(アドエビス、L2Mixerなど)
       メディアを横断した統合広告管理(Marin softwareなど)
       キャンペーン最適化(メルマガ連動、既知の顧客への広告配信)
要素技術・実装方式
   純広告
        広告専用タグの設置
   アドネットワーク
        オーディエンストラッキング、コンテンツマッチ
   DSPとRTB
        Open RTB( http://code.google.com/p/openrtb/ )
        データ活用による入札価格算定、CPCのCPM換算
        CPA最適化、配信量の自動コントロール
   3PAS
        リッチメディアアド
        アトリビューション分析
        クリエイティブ最適化、レコメンデーションバナー
   DMP
        Cookie Sync
   その他
        Facebook Exchange
質疑応答

More Related Content

Uuyアドテクセミナー

  • 1. UUYアドテクセミナー 2013/1/4 Masayuki Isobe Powered by
  • 2. アジェンダ  広告の種類  広告が果たす役割  純広告とアドサーバ  クッキーの仕組み(おさらい)  アドネットワーク  カオスマップ  アドエクスチェンジとRTB  SSP  DSP  3PAS  DMP  その他  要素技術・実装方式  質疑応答
  • 3. 広告の種類  表示形態  ディスプレイ広告  テキスト、画像バナー、動画、リッチメディア(インタラクティブな広告メディア)  リスティング広告(検索連動広告)  課金形態  クリック課金(CPC:Cost per Click=クリック単価)  インプレッション(表示回数)課金(CPM:Cost per Mile = 1000回表示単価)  アフィリエイト(ユーザ獲得による課金)  その他  リワード広告(広告自体がインセンティブを持つ)
  • 4. 広告が果たす役割 マス広告 知らない(潜在的なターゲット) ターゲティング 効果指標 知ってる 曖昧 ネット広告 気になってる 効果指標 明確 買った
  • 7. 純広告とアドサーバ  ユーザ数の多いメディア(Webサイト)自信が直接配信  Webサービスのインフラにアドサーバを併用  アドサーバはASP形態で利用する場合も  広告主は人力で集める  代理店や自社で直接営業  主な例  Yahoo  はてな  Publickey1
  • 8. クッキーの仕組み(おさらい) 「とほほのcookie入門」より。 【補足】 ・今訪れてるURI(ブラウザのアドレスバーに表示されてるURL)と 同じdomainのクッキーをファーストパーティークッキー、異なる domainのクッキーをサードパーティクッキーと呼ぶ。 ・クッキーを参照する側はdomainとpathによって限定されるが、 クッキーを発行する側はdomainとpathを自由に指定できることに注意
  • 9. アドネットワーク  仕組み  一つのドメイン(アドネットワーク業者が保有するドメイン)から多数の Webサイトに広告を配信する  Webサイト側は、広告枠にimgタグやiframeタグを埋め込む  埋め込みJSはクロスドメイン制約があるため単純にGETは不可  モチベーション(主に媒体側の都合が大きい)  純広告における営業(広告主を見つける作業)にスケールメリットを持た せたい  純広の売れない弱小Webサイトでも数を集めて束で売れるようにしたい  媒体にとっては広告在庫が抱負で単価の高いアドネットワークに繋ぎたい  そのためにアドネットワーク業者は  アドネットワークの付加機能  コンテンツマッチ広告(接続Webサイトを事前に解析しておき広告をマッチング)  オーディンストラッキング(同じアドネットワーク上のWebサイトの回遊を追跡)
  • 11. アドエクスチェンジとRTB  仕組み  アドネットワーク or SSPからリクエストをアドエクスチェンジに投げる  RTB対応のアドサーバが接続してるDSP達にオークションを掛ける  一番高い価格をつけた落札者(DSP)が、2番めの入札額を払って配信する方式が一般的  セカンドオークション方式という  OpenRTBを参考に(後述)  モチベーション  広告在庫切れで余ったインプレッションリクエストと、余った広告在庫をアドネッ トワーク間で流通させたい  「どうでもいい広告枠」「購買欲の低いインプレッション」が流通しがち → SSPとDSP(後 述)の進化によってアドエクスチェンジが主役になる可能性  別のアドネットワークのクライアントも候補とすることでより高い値段でインプ レッションを売りたい → RTB  アドエクスチェンジにリクエストを流せばオープンに広告在庫を取ってくることは できるが、(プレミアムな)アドネットワークにRTB機能をつけて最低入札価格など も決めることで媒体側の利益性を確保しつつインプレッション単位の買い付けを可 能にするというプライベートエクスチェンジというものも出てきている
  • 12. SSP(Supply Side Platform)  仕組み  メディア側でアドネットワークのタグを入れる代わりにSSP業者のタグを入れるだけ  SSP業者は接続してるアドネットワーク、アドエクスチェンジから最も儲かりそうな ところへリクエストを投げるか、自らDSPに対してRTBによるオークションを行う。  モチベーション(媒体社側の都合)  少しでも高く広告を売りたい  メディア(Webサイト、アプリ)が、どのアドネットワークに繋げば収益が高いか選べない  インプレッション毎に「一番儲かるアドネットワーク」に切り替えたい  広告在庫切れをなくしたい
  • 13. DSP(Demand Side Platform)  仕組み  広告主のサイトにDSPのタグを埋め込んでおくことで新規訪問者かどうかの情報や、 訪問済みユーザのトラッキング情報を管理しておく  RTBからのリクエストに対して、DSPが管理しているデータを使って最適な入札価格 を算定し入札する(ここまでDSPのシステムが自動的にやる)  DSPに対してどんな方針で入札するかはDSPの運用者が事前に設定する(DSPトレー ダー)  モチベーション(広告主側の都合)  「広告枠+期間」(純広告)や「Webサイト/アプリ群」(アドネットワーク)と いったざっくりとした枠を買うのではなく、特定の属性をもったオーディエンス (ユーザ)に対してリアルタイムに判断して広告を配信したい  それによってCPAを向上させたい  広告主側が持っている顧客情報(サイト訪問者のクッキー情報)を再利用して配信 することで広告のROIを向上させたい  DSPの運用には様々なノウハウが考えられ、米国では既にDSPトレーディングデ スクというシステム&業者が多数存在
  • 14. 3PAS(3rd Party Ad Server)  仕組み  広告主側がアドサーバを用意して配信  DSP/RTB方式でないアドネットワークでも利用可能  DSP経由の場合は、落札した広告枠に対して3PASが配信  モチベーション(完全に広告主側の都合)  アドネットワークの機能(1インプレッション確保後の工夫)を独自に拡張したい  機能(3PASを使うメリット)  アトリビューション分析  キャンペーンごとのユーザトラッキング、エンゲージメントの可視化  リッチメディアアド  HTML5インタラクティブアド、マイクロサイト、クラウド上でのクリエイティブ作成  クリエイティブ最適化とレコメンデーションバナー  バナー画像のデザインをレイヤごとに組み合わせてCTRなどの指標のもとで最適化  サイト訪問者(離脱者)に対して訪問時の行動に応じたバナーを自動生成(仏criteo社)  日本におけるYahooの第三者配信タグ受け入れ事情
  • 15. DMP(Data Management Platform)  仕組み  Webサイトに対してDMP業者が提供するソーシャルタグを埋め込んでもらったり、 Data SupplierというWebサイトの訪問者情報を独自に集計する業者からDMPがデー タ提供をうけてDMPのデータベースに持っておく  各アドネットワークで発行したcookie(アドネットワークのドメインがついている)と、 DMP業者が発行したcookieをマッチングさせる  DSPは入札時にDMPのデータベースを参照し(多分事前に一定期間のタイミングで DSP内にDMPからフェッチしてキャッシュしておくのでしょう)、入札の参考にする  DSPが落札したあとでDSPや3PASが配信する広告を選ぶ際にDMP業者のデータベース を参照し広告の精度を高める(こちらは時間制限キツくないのでそれなりにリッチ にリアルタイム分析できる)  モチベーション  広告主利用してるDSPが管理するデータ以外にも、オーディエンスの属性で有用な情 報を加味したい  カテゴリの似たWebサイトの訪問履歴など  加味することで、DSPが算定する入札価格の精度を向上させたり、落札後に配信する 広告の精度を向上させたりする効果が期待される
  • 16. その他  最近の話題  Facebook Exchange(FBX)の潜在力と証券投資家からの期待  http://wired.jp/2012/12/19/facebook-exchange-2/  Googleがsafariのサードパーティクッキーのデフォルト禁止設定を 回避する実装を行なってユーザトラッキングしてた件  http://japanese.engadget.com/2012/02/17/google-cookie-safari/  ↑がFTCで問題となりGoogleが制裁金2250万ドル支払った件  http://jp.techcrunch.com/archives/20120809google-settles-with-ftc-agrees-to-pay-22- 5m-penalty-for-bypassing-safari-privacy-settings/  面白そうなオンライン・マーケティング関連ツール  リスティング広告最適化(アドエビス、L2Mixerなど)  メディアを横断した統合広告管理(Marin softwareなど)  キャンペーン最適化(メルマガ連動、既知の顧客への広告配信)
  • 17. 要素技術・実装方式  純広告  広告専用タグの設置  アドネットワーク  オーディエンストラッキング、コンテンツマッチ  DSPとRTB  Open RTB( http://code.google.com/p/openrtb/ )  データ活用による入札価格算定、CPCのCPM換算  CPA最適化、配信量の自動コントロール  3PAS  リッチメディアアド  アトリビューション分析  クリエイティブ最適化、レコメンデーションバナー  DMP  Cookie Sync  その他  Facebook Exchange