東京五輪の開会式に出演が決まっていた西アフリカ・セネガル出身の打楽器奏者ラティール・シーさん(48)が今年5月、式典の企画・運営を担った広告代理店から出演を断られていたことが分かった。ラティールさん側によると、代理店は「大会組織委員会が『なぜアフリカ人がいるの? となり、他の国籍の人も入れなければならなくなる』と出演見合わせを求めてきた」と理由を説明したという。(望月衣塑子)
◆開会式の出演打診されたのに
ラティールさんは「東京五輪で差別をされるとは」とショックを受けている。組織委や代理店は出演見送りの理由を「感染症対策と予算の制約」としている。
ラティールさんは26年前に来日、パーカッション奏者として多彩なジャンルを奏でる音楽家として活躍している。長野五輪でも日本の伝統芸能の舞台で演奏を披露した実績がある。
ラティールさん側によると、広告代理店から出演依頼があったのは昨年12月。23日の開会式でタップダンスを披露した男性や別のセネガル人音楽家との共演を打診された。当初の構想では、ラティールさんらの演奏をバックにタップダンスが展開される演出となっていた。
ラティールさんは、オンラインで...
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