2日投開票の東京都港区長選では、政党推薦を受けなかった無所属新人の清家愛氏(49)が初当選し、現職の武井雅昭氏(71)は自民、公明両党の推薦を受けながら競り負けた。派閥の裏金問題が長引く自民への逆風も影響したとみられる。投票率は30.62%で、前回の30.04%を0.58ポイント上回った。
◆丸川珠代氏にマイクを握らせず
「新しいリーダー像を示していきたい」。2日夜、清家氏は支援者を前にこう宣言した。区議の4期目途中で区長選に挑んだ清家氏は、武井氏の任期満了後の28日、港区初の女性区長に就任する。6期目を目指した武井氏は、1528票差で涙をのんだ。
国政与党の推薦は、武井氏を6選に導く力にはならなかった。象徴的だったのは告示日5月26日の出陣式。東京選挙区選出で自民の広告塔の一人と言える参院議員・丸川珠代氏が姿を見せたが、マイクを握らない。司会者に応援議員の一人として紹介され、「はい」と手を挙げてあいさつするだけだった。
武井氏陣営の関係者は「国政の問題で批判されている中、区長選でどこまで自民党推薦をアピールするべきか。普段なら応援演説をお願いするが、今回は控えてもらった」と語る。
◆「党が出せる応援の7割、4割かも」
区長を5期20年務める武井氏には多選批判こそあれ、失政は目立たなかった。それでも武井氏は敗戦後「私が有権者から選んでもらえなかっただけ」と逆風について言及しなかった。
だが、ある自民党関係者は「自民の推薦が足を引っ張った部分はあると思う。逆風の影響で、党...
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