ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長による性加害問題を国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会が調査することになり、同事務所のタレントをCMに起用する企業の動きが注目されている。

 ある業界関係者は「世界的に子どもへの性加害問題は厳しく対処される。日本政府も子どもの人権問題を軽く扱う国とみられるわけにもいかないので、場合によってはジャニーズに対して厳しい態度を示す必要が出てくるかもしれない」と指摘する。

 ジャニーズもこの問題に対して「外部専門家による再発防止チーム」を設置するなどしているが、どこまで機能するか懐疑的な声も少なくない。いまだ藤島ジュリー景子社長が会見を行っていないことへの批判もくすぶっている。

「十分な対応ではないため、国連が動くきっかけになったと言われています」(同)

 この動きに敏感に反応しそうなのが、タレントをCMに起用する企業だという。

 ある制作会社関係者は「『タレントに罪はない』というスタンスのところも多いですが、国連が動くとなればそうも言っていられないのが企業です。特に外資系や、海外と取引しているグローバル企業は『ジャニーズ』という名称を気にするようになるでしょう。徐々に〝脱ジャニーズ〟にかじを切るところもあるとみられています」。

 そんな〝敵失〟の恩恵にあずかりそうなのが滝沢秀明氏の新会社「TOBE」だ。元V6の三宅健や元King&Princeの平野紫耀と神宮寺勇太が合流し、ただでさえ勢いがあるのに、ここにきてジャニーズには国連の調査が加わってしまった。

「滝沢さんが『TOBE』を立ち上げたのが今年の3月です。CMタレントが出てくるのも、1年くらいはかかるとみられていましたが、平野らの爆発的な人気に加え、脱ジャニーズの流れが強ければ、CMに使う企業が出てくるのも予想以上に早まりそう」(同)

 国連の作業部会は7月下旬から8月上旬にかけて来日し、東京や大阪で被害者への聞き取り調査に乗り出す予定。風雲急を告げている――。