中日OBや関係者の間でオマール・リナレス巡回コーチ兼キューバ担当(56)とフランシス・ルイス通訳兼ブルペン捕手(48)への期待が高まっている。「2人がライデル残留のカギを握る」と言われているのだ。
今オフの中日にとって最大の懸案は、今季で契約が切れるライデル・マルティネス投手(27)の残留問題だ。1―4で敗れた3日の阪神戦(甲子園)まで1勝3敗、35セーブ、防御率1・10と絶対的な信頼を寄せられている守護神には、ソフトバンクをはじめ複数球団からオファーが殺到するのではないかとウワサされている。マネー戦争となれば資金力で劣るドラゴンズとしては苦しい戦いとなるだけに不安は募るばかりだ。
とはいえ、中日には残留に向けてのストロングポイントがある。それがリナレスコーチとルイス通訳の存在だ。マルティネスはキューバ野球連盟から中日に派遣されている形になっており、来季の契約についてはキューバサイドの意向が大きなウエートを占める。
それだけに現役時代からリナレスコーチを知るOBの一人は「キューバの英雄であるリナレスコーチはキューバ野球連盟にも太いパイプを持っている。これはよそにはない強み」とみている。またチーム事情に詳しい関係者も「ライデルが日本の野球に慣れるようになったのは、ルイス通訳がいろいろと面倒をみたりアドバイスを送ったから。ルイス通訳はドミニカ共和国出身だけど2人の信頼関係は厚い」という。
1日にバンテリンドームで行われた練習にはリナレスコーチがベンチに姿を現し、マルティネスと言葉を交わすシーンがあった。リナレスコーチの働きかけで守護神残留となれば大殊勲だが、果たしてどうなるか。