「日本の恥」とまで呼ばれてしまった。アジア太平洋経済協力会議(APEC)での外交マナーを巡り石破茂首相が批判を浴びている。座ったまま外国首脳と握手したり、式典で腕組みしたりする姿に多くの国民が頭を抱えた。今度は、おにぎりを食べる動画がSNSで拡散され、その食べ方が「汚すぎる」と新たな批判もある。自民党関係者は「不作法は想定外」とため息をついた。

 石破首相は南米ペルーで開かれたAPECに出席。会議開始前に各国の首脳たちがあいさつを交わすなか、石破首相は1人席に着きスマホを操作していた。ペルーのボルアルテ大統領、マレーシアのアンワル首相やカナダのトルドー首相ら各国の首脳らがあいさつに訪れたが、石破首相は立ち上がらずに座ったまま握手を交わした。

 この動画がSNS上で拡散されると、批判が殺到。「X」(旧ツイッター)では「日本の恥」がトレンド入り。さらに記念式典では腕組みをしたまま仏頂面で、これもまたバッシングを浴びた。マナー違反ではないが、APEC閉幕時の各国首脳との集合写真も交通渋滞に巻き込まれ欠席するハメになった。

 長年、次期首相候補と呼ばれながらも自民党総裁選に出馬する際に条件である推薦人20人を集めるのに苦労するなど人望のない石破首相。各国の首脳と信頼関係を構築する前に、マナー違反でつまずいてしまった。日本のリーダーとして外交面での不安を露呈した。

 人付き合いが下手という前に不作法さがクローズアップされている。さらなる批判を招くことになったのが今回のおにぎり動画。おにぎりをひと口でほお張った石破首相だが、しかし、おにぎりが大きかったのか口の中でそしゃくするおにぎりが丸見えの状態となった。この動画に対してSNS上には「食ってんのか吐いてんのかわからない」といった厳しい言葉が寄せられた。

 どうしてこんなことになったのか。自民党関係者は「党内でも人望がなかったので、外交面で各国の首脳と関係を築くことに苦労することは想定内。しかし不作法は想定外でした。石破さんは若手議員に対して礼儀や議員の在り方について口うるさい人なので」と首をかしげた。むしろ礼儀にうるさいタイプだったので驚かれているのだ。

 しかし予兆はあった。第1次石破内閣の発足時の記念写真撮影で、石破首相のズボンの裾がダブダブだったことで「だらし内閣」「みっとも内閣」と揶揄された。また首相指名選挙では、まさかの居眠り。林芳正官房長官が会見で風邪気味で風邪薬を服用していたと弁明する事態となった。

 オタク気質と言われる石破首相だけに、人付き合いが悪く誰からも注意されずに不作法になってしまったのか。「お酒は好きなので首相就任以前は番記者とかとも飲みに行っていました」(永田町関係者)。人付き合いはゼロではなかったが学ぶ機会もなかったのかもしれない。

 21日に帰国する。これだけマナーが話題となれば今後はカメラが石破首相の一挙手一投足をなめるように追い続けることは必至。石破首相のストレスの日々が続きそうだ。