中居正広の女性トラブルへの対応で批判や疑問を呼んでいるフジテレビを巡り、過去に放送されたドラマがネット上で注目されている。2023年7月期の「この素晴らしき世界」だ。

 港浩一社長の17日緊急会見にまで発展したフジテレビへの中居トラブル余波。X(旧ツイッター)では、この件に関連して「ひょっとして(中略)こういうことがあることを知ってて、最初はコメディドラマの仮面を被って突然業界告発ドラマに仕立てたんじゃねぇのかって、穿った見方をしてしまった」との投稿が見られた。同様に「コメディドラマで始まるんだけど、終盤は芸能界の闇を告発するって内容なんだよね」という指摘もあった。

 主演の鈴木京香が降板し、若村麻由美が代役を務めた「この素晴らしき世界」。若村演じる平凡なパート勤務の主婦・妙子はひょんなことから、失踪した大物女優のなりすまし役に起用される。芸能界と家庭、パート先での人間模様などがコメディー風に描かれた。

 主要エピソードの一つをなしたのが、テレビ局や芸能事務所を巻き込んだセクハラ問題。自殺未遂をした事務所スタッフの女性・佳音(葉月ひとみ)に過重労働があったとして、訴訟や巨額示談金のトラブルに。だが、事の真相は違った。佳音はテレビ局ディレクター・沖野島(吉田宗洋)からのセクハラに悩まされていた。沖野島は他にも薬物を使って女性を性的にもてあそんで事件も起こしており、佳音はそれを知っていた…。

 沖野島にはテレビ局、有力者である自身の父親という後ろ盾があり、芸能界のドン(堺正章)も登場して事件は隠ぺいされた。佳音の件も告発へのハードルは高い。それでも、同じ事務所の妙子らは沖野島追及に動きだした。

 ドラマの脚本家はペンネームで示され、実はプロデューサーを務めたフジテレビの男性だったことが後に明かされた。放送から1年あまり後、リアル世界でフジは大物タレントの女性トラブルにより矢面に立たされるに至った。

 Xでは「今から考えると、実際の狙い所があったのかもなぁ」などと、中居トラブルでこのドラマは視聴者の関心を呼んでいる。