2019年10月以後2020年1月までの推移
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「イギリスの欧州連合離脱」の記事における「2019年10月以後2020年1月までの推移」の解説
詳細は「2019年イギリス総選挙」を参照 2019年10月2日、政府はEU離脱の条件に関する最終提案の内容を公表。北アイルランドとアイルランド共和国の国境付近での税関検査を省略、移行期間終了後に英全体がEU関税同盟から離脱、それ以後も北アイルランドはEU単一市場に残留の余地を残すといった内容で、この案にEUや労働党は反発した。10月17日、英とEUは離脱条件で合意し、アイルランド島の国境には物理的税関などは設けない、北アイルランドはEU単一市場に部分的にとどまる、北アイルランドも含め英国はEU関税同盟から離脱、北アイルランド議会はEUルール適用を受け続けるか4年ごとに判断、アイルランド国境をめぐる「バックストップ」は削除、英とEUは関税ゼロの公正で開かれた関係構築をめざすこととなった。同日、EU首脳会議はこの離脱合意案を全会一致で承認したが、しかしこの案では北アイルランドだけ実質的にEU関税同盟に残ることとなり、英国4地域の一体性を重視する北アイルランドが地盤の民主統一党(DUP)の強い反発を呼ぶこととなった。 10月19日、下院の審議において離脱合意案を採決するはずであったが、その直前に超党派の議員が「離脱関連法が成立するまで離脱合意案の採決を保留する」という動議を提出し、採決された結果、賛成322票、反対306票で可決された。これよりに離脱合意案の採決は先送りされ、また9月4日に可決されていた「EUからの離脱延期を政府に求める法案」の条件を満たすこととなった。同日夜、ジョンソン首相はEUに10月末の離脱期日を2020年1月まで延期するよう求める書簡をEUのトゥスク大統領に送付したが、この書簡にはジョンソンの書名がなく、本意ではないことを言外に示した。と同時に、ジョンソンが送った「さらなる延期は英国とEUの利益を害する」といった旨の内容の第二の書簡には署名を入れていた。 10月22日、下院において、まずEU離脱関連法案の大枠での賛否が審議され、賛成329、反対299で可決された。合意案の内容が下院で過半数の支持を得たのはこれが初めてである。ジョンソンは24日までに離脱関連法案を成立させるべく、通常なら一か月を要するとみられる離脱関連法案の審議を三日で終わらせることを目指す「議事進行動議」を提出するが、賛成308、反対322で否決された。24日、ジョンソンは労働党に対し、書簡で、解散総選挙を提案した。 10月28日、イギリスを除くEU各国は、同国のEU離脱期限を最長で2020年1月まで延期すると決定した。その後、イギリス下院は解散総選挙の動議を採決し、賛成299、反対70で否決。多くの議員が棄権した。2011年議会任期固定法により、解散総選挙を前倒しするための動議を可決するには全議員の3分の2の賛成が必要であると定められており、解散動議は否決され、これでジョンソンが提案した3度目の解散総選挙の動議が不発となった。同日、ジョンソンはトゥスク大統領に書簡を送り、EU離脱の10月末からの延期に同意すると表明した。これでジョンソンの公約でもあった10月末の離脱はなくなった。 10月29日、ジョンソンは総選挙を12月12日に行う特例法案を提出。法案なので過半数の賛成があればよく、またイギリスでは内容が相反する法律が出てきたときは新法の規定が優先されるため、この特例法によって議会任期固定法を乗り越えることが可能であることを計算した作戦であった。この特例法案には保守党に加え、スコットランド民族党(SNP)と自由民主党が賛成を表明していたため可決は濃厚な状況で、労働党も最終的には賛成票を投じ、賛成438票、反対20票の圧倒的多数で可決された。30日、上院が特例法案を承認し、11月6日未明に下院が解散した。 12月12日に行われた総選挙では、保守党が単独過半数を超える365議席を獲得する圧勝を遂げ、逆に労働党は59議席を失い203議席という惨敗を喫した。これにより2020年1月のEU離脱が決定的なものとなった。12月20日、下院はEU離脱関連法案の骨格を、賛成358、反対234で可決し、2020年1月9日に離脱関連法案を賛成330、反対231票で可決した。その後、EU離脱関連法案は上院で一部修正が行われたため、一旦下院に差し戻されたが、下院が上院による修正を拒否することを議決したため、最終的に上院は下院が可決したEU離脱関連法案を承認した。 法案は2020年1月23日付けでエリザベス女王の裁可を受けて成立し、1月24日、イギリスとEU双方の首脳はEU離脱協定(英語版)への署名を行った。
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