3Gの展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 12:57 UTC 版)
「第3世代移動通信システム」の記事における「3Gの展開」の解説
ITUが2Gの「進化型」と位置付けるIMT-MC (CDMA2000 1x) やIMT-SC (EDGE) は、それぞれ既存のCDMA (IS-95) と GSMまたはD-AMPSなどの2Gネットワークとの親和性が高く、各3G方式の中でも先行して展開が進んだ。ところが新たな周波数帯の割り当て(ライセンス)を受ける必要があるIMT-DS方式については、特に欧州で周波数オークション時の落札価格が巨額となり、事業者の財務状態を悪化させて3G (UMTS) 用インフラへの投資が抑制される状況となった。事業者は既存の2G (GSM) ネットワークを活用したシームレスな運用を行い、段階的にUMTSネットワークを拡充する方針を採ったものの、GSM/UMTSデュアルモード端末の供給が追い付かなかったことがUMTSの展開をさらに遅らせる原因となった。 従来、欧州では900MHz帯での携帯事業はGSM方式に限られていたが、この制限が2009年に撤廃され(欧州指令 2009/114/EC)、UMTSも同バンドでの運用が可能となった。900MHz帯は2GHz帯などの高い周波数帯よりもカバレッジの面で有利であり、より少ない額のインフラ投資でUMTSを導入できると言われている。欧州の関連企業団体 Global Mobile Suppliers Association (GSA) がまとめた調査によれば、欧州を含めて既に20か国以上で900MHz帯(または850MHz帯)でのUMTS運用の許可が可能なように法整備がなされており、18か国で実際に運用が始まっているか、予定されているという。 日本では、2001年にNTTドコモが世界に先駆けて3G (W-CDMA) の商用サービスを開始し、翌年にはKDDIグループとJ-PHONE(現在のソフトバンク)が続いた。モルガン・スタンレーが発表した調査報告によると、2008年現在、域内の3G普及率は84%と高い水準となっている。この調査報告によると、次いで普及率が高いのは北米地域の29%と欧州の25%となっている。
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