Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

5K86とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > コンピュータ > IT用語辞典 > 5K86の意味・解説 

5K86

読み方ゴケーハチロク

5K86とは、AMD社によって提供されている32ビットマイクロプロセッサの名称である。0.35μmプロセス作成されている。

Intel社のx86MPU互換性があるため、x86向けに開発されソフトウェアそのまま動作する具体的な仕組みとしては、CISCアーキテクチャであるx86MPU命令を、ROP呼ばれるRISCコア命令変換して実行する。なおその際単純な命令ハードワイアード変換され複雑な命令マイクロコード変換される。そして、変換されROPは、内部RISCコアのスーパースケラで処理されることになる。これらの高速化により、同クロックでの性能Pentiumよりも高くなっている。また、外部とのインターフェース初期Pentium(P54C)と互換性があるピン配列採用している。なお、Am5k86という名称は発売当初の名称で、後にAMD-K5改名されている。

マイクロプロセッサのほかの用語一覧
AMD:  Spitfire  Socket F  ソケットA  5K86  Thoroughbred  x86アーキテクチャー
CISC:  68系

AMD K5

(5K86 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 03:33 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
K5
AMD K5 PR166
生産時期 SSA/5は1996年3月27日(米国時間),
5k86は1996年10月7日(米国時間)から
販売者 AMD
設計者 AMD
生産者 AMD
CPU周波数 75 MHz から 133 MHz
FSB周波数 50 MHz から 66 MHz
プロセスルール 0.5μm から 0.35μm
アーキテクチャ IA-32/x86
拡張命令 なし
コア数 1
ソケット

Socket 5


Socket 7
パッケージ CPGA
前世代プロセッサ Am5x86
次世代プロセッサ K6
トランジスタ 430万個
L1キャッシュ 8 KB + 16 KB
(データ + 命令)
L2キャッシュ なし
テンプレートを表示
AMD K5 のブロック図
AMD 5K86-P90 (SSA/5) マイクロプロセッサ

K5は、AMDが開発したマイクロプロセッサインテルx86命令セットを採用したAMDの第5世代の互換プロセッサである。K5というコードネームはジェリー・サンダースによる命名で[1]、当時のインテル製品の開発呼称がPと数字(製品の世代)と組み合わせたものであったことに倣ったと考えられる。K5の5は第5世代を表し、Kとは漫画および映画『スーパーマン』に登場するスーパーマンの故郷の惑星クリプトン[1]、あるいはスーパーマンの弱点とされる架空の物質クリプトナイトの頭文字から取られているとされる[2]。ライバル企業であるインテルをスーパーマンに見立てた上で、それを超越するという対抗意識が込められているといわれる[2]

インテルの同じく第5世代プロセッサであるPentiumプロセッサへの対抗として1993年に発表された製品であるが、実際の発売は遅れて1996年になった。設計はAm29000開発チームが手がけ、そのマイクロアーキテクチャをインテルのそれと比較するとPentiumシリーズのP5マイクロアーキテクチャよりもP6マイクロアーキテクチャPentium Pro)に近く、Am29000の流れを汲むRISCコア(FPUを含む)にx86命令デコーダを組み合わせた構造となっている。430万トランジスタで構成されている。開発時期の関係でPentiumプロセッサの後期製品で実装されたMMX命令はK5には実装されておらず、次世代のK6プロセッサを待つこととなる。

Pentiumとの相対的な性能指標としてPレーティングを採用している。例えばP100はPentium 100 MHz相当の製品という意味を持つ。

特徴

  • 5個の整数演算ユニット(ALU*2個、分岐1個、ロードストア2個)を持ち、アウト・オブ・オーダー実行機能を実現。また、浮動小数点ユニットをひとつ持つ。
  • 分岐ターゲットバッファはPentiumの4倍のサイズであるが、K5は1BitカウンターであるためPentitumよりは精度が落ちる(Pentiumは2Bit、Pentium Proは4Bitカウンター)、また分岐先予測用のアドレスを保持するバッファを持ってないなどの欠点がある。
  • レジスタ・リネーミングにより並列実行性能を向上させている。
  • 投機的実行によりパイプラインストールを減らしている。
  • リオーダーバッファは16エントリー、リザベーションステーションは11エントリーであった。
  • 命令キャッシュは16Kバイト、4ウェイ・セットアソシアティブで、Pentiumは8Kバイト、2ウェイ・セットアソシアティブであった。
  • データキャッシュは8Kバイト4ウェイ・セットアソシアティブである。Pentiumは8Kバイト2ウェイ・セットアソシアティブであった。

経過

K5プロジェクトによるAMDの目的は技術上のリーダーシップをインテルから奪うことだった。インテルの次世代マイクロアーキテクチャの構造を先取りしていることから方向性は妥当だったと言えるが、製造の面でそれを実現できるだけの量産設備をAMDは持っていなかった。Am29000から流用されたFPUによる浮動小数点演算能力はCyrix 6x86より優れていたが、Pentiumには劣っていた。整数演算ではCyrix 6x86の方が優れていた。開発が難航し、発売が大きく延期されたことから競合他社はより高性能化していたことが成功しなかった大きな理由である。K5には前期版の社内コード名SSA/5と後期版の同じく5k86の2種類のバージョンが存在する。製品名は当初5k86だったが、社内コードが5k86に変更されてからは、旧モデルも含めて全てK5に改名された。商業的には成功したとは言い難いが、Pentium向けSocket 5/7搭載マザーボードにおける動作互換性はライバルのCyrix 6x86と比較して格段に高く、内部構造の相違から生ずる命令実行クロック数の差異に起因するソフトウェアのごく僅かな動作不具合が発生した程度に留まる。スクラッチから新規に開発されたプロセッサとしては非常に完成度の高い製品であったと言えよう。K5は、成功したAm486AMD K6-2のようにシェアを獲得することはできなかったが、Pentium FDIV バグの影響によりPentiumが買い控えられた時期には、代わりにK5が一時的にではあるがシェアを確保することができた。

各モデル詳細

SSA/5

  • 製品名:5K86 P75~P100、後に K5 PR75~PR100
  • プロセス:430万トランジスタ、0.5un または 0.35um
  • 一次キャッシュ:8 + 16 KB (データ + 命令)
  • 接続:Socket 5 および Socket 7
  • 電源電圧:VCore 3.52V
  • 外部バス:50 (PR75), 60 (PR90), 66 MHz (PR100)
  • リリース時期:1996年3月27日
  • 動作周波数:75, 90, 100 MHz

5k86

  • 製品名:K5 PR120~PR166 (200)
  • プロセス:430万トランジスタ、350nm
  • 一次キャッシュ:8 + 16 KB (データ + 命令)
  • 接続:Socket 5 および Socket 7
  • 電源電圧:VCore 3.52V
  • 外部バス:60 (PR120/150), 66 MHz
  • リリース時期:1996年10月7日
  • 動作周波数:90 (PR120), 100 (PR133), 105 (PR150), 116.6 (PR166), 133 MHz (PR200)

注:PR200は計画されたものの、後継であるK6の製品化が迫っていたことから発売には至らなかった。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 吉川明日論 (2015年7月27日). “第2回 巨人Intelに挑め! - K5の挫折、そしてK6登場 K5開発の経緯”. TECH+. マイナビ. 2022年6月2日閲覧。
  2. ^ a b 吉川明日論 (2022年5月31日). “第226回 吉川明日論の半導体放談 CPUコアのコードネームの今昔 AMD K6に込められた思いとは?”. TECH+. マイナビ. 2022年6月2日閲覧。

外部リンク


5k86

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 03:33 UTC 版)

AMD K5」の記事における「5k86」の解説

製品名:K5 PR120~PR166 (200) プロセス:430トランジスタ、350nm 一次キャッシュ:8 + 16 KB (データ + 命令) 接続Socket 5 および Socket 7 電源電圧:VCore 3.52V 外部バス60 (PR120/150), 66 MHz リリース時期1996年10月7日 動作周波数90 (PR120), 100 (PR133), 105 (PR150), 116.6 (PR166), 133 MHz (PR200) 注:PR200は計画されたものの、後継であるK6製品化迫っていたことから発売には至らなかった。

※この「5k86」の解説は、「AMD K5」の解説の一部です。
「5k86」を含む「AMD K5」の記事については、「AMD K5」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「5K86」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「5K86」の関連用語

1
14% |||||

5K86のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



5K86のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2025 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【5K86】の記事を利用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのAMD K5 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのAMD K5 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS