71-415
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/15 05:18 UTC 版)
71-415 71-415R 71-415M | |
---|---|
"イノプロム2018"で展示された71-415(2018年撮影) | |
基本情報 | |
製造所 | ウラルトランスマッシュ |
製造年 | 2017年 - |
製造数 | 6両(2021年現在) |
投入先 | ニジニ・タギル市電(量産車) |
主要諸元 | |
編成 | 1両編成(ボギー車) |
最高速度 | 75 km/h |
車両定員 | 172人(着席28人) (乗客密度8人/m2時) |
車両重量 | 26 t |
全長 | 16,500 mm |
全幅 | 2,500 mm |
車体高 | 3,055 mm |
床面高さ | 370 mm |
車輪径 | 620 mm |
固定軸距 | 1,900 mm |
台車中心間距離 | 7,460 mm |
主電動機出力 | 62 kw(定格) |
出力 | 376 kw |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。 |
71-415は、ロシア連邦の鉄道車両メーカーのウラルトランスマッシュが展開する路面電車車両。車内全体の床上高さを下げた超低床電車である[1][2][3]。
概要
ウラルトランスマッシュが開発した、車体の片側に運転台や乗降扉(車体右側)が配置されている単行運転を前提としたボギー車。車体の設計にはモジュール構造が採用されており、事故で車体や機器が破損した際も容易に修理や新造部品への交換が可能となっている[1][2]。
車内は床上高さが370 mmに抑えられており(低床構造)[注釈 1]、それに合わせたボギー台車が新規に開発されている。この台車は枕ばねや軸ばねが備わっているため騒音や振動が抑制されている他、修理の容易さにも重点が置かれているのが特徴である。座席配置はクロスシートを基本とするが、車体中央部には2人分のロングシートが存在する[1][2]。
形式
- 71-415 - 71-415の基本形式。2017年に製造され、当初は同年からエカテリンブルク市電で試運転を実施する予定だったが、実際に開始されたのは翌2018年に開催された展示会「イノプロム2018(ИННОПРОМ-2018)」を経た11月以降となった。この試作車を含め、2021年の時点で5両が製造されており、うち2両は各地の路面電車路線での試運転が継続して行われている一方、量産車である3両についてはニジニ・タギルの路面電車であるニジニ・タギル市電へと導入されている、また、2022年の開通が予定されているヴェルフナヤ・ピシュマ市電にも当初導入が検討されていたが、同年2月に別企業の車両を導入する形に変更されたため、この導入予定分の11両についてもニジニ・タギル市電へ納入される事になっている[1][2][3][4][6][7][8][9]。
- 71-415R(71-415Р) - 71-415の機構を基に、車体や内装を20世紀の路面電車車両がモチーフのレトロ調(Ретро)とした形式。全長16.5 m、定員は199人(着席定員30人)で、2020年12月に最初の車両が公開された。その後、2021年にニジニ・ノヴゴロド市電向けに12両の製造が決定し、同年中に全車の納入が完了する予定となっている他、翌2022年にはニジニ・タギル市電に同市300周年を記念した観光用車両として2両が導入され同年8月から運転を開始している[5][10][11]。
- 71-415M(71-415М) - 2023年2月に発表された形式。従来の車両から車体デザインや車内レイアウトが変更されているほか、1ばね・2次ばね双方を設置し回転軸を備えた新開発の台車が搭載され乗り心地の向上が図られている。また、それまで国外メーカーのものも使われていた部品の全てをロシア国内で生産されたものに置き換えている[12][13]。
71-415R(2021年撮影)
関連形式
脚注
注釈
- ^ ただし台車が設置されている箇所や最後尾の座席は1 - 2段高い位置に存在する。
出典
- ^ a b c d e “Трамвайный вагон модели 71-415”. Уралтрансмаш. 2021年1月20日閲覧。
- ^ a b c d e “На Уралтрансмаше показали новый трамвай, который выпустят на улицы в сентябре”. Е1.RU (2017年6月16日). 2021年1月20日閲覧。
- ^ a b c “На «Иннопроме» показали трамваи, в которых пассажиров не будет трясти”. Е1.RU (2018年7月9日). 2021年1月20日閲覧。
- ^ a b “Roster 71-415”. Urban Electric Transit. 2021年1月20日閲覧。
- ^ a b “Евгений Куйвашев оценил новую разработку Уралтрансмаша — ретро-трамвай 71-415Р”. Губернатор Свердловской области (2020年12月30日). 2021年1月20日閲覧。
- ^ “Трамвай модели 71-415 отправлен на испытания”. Уралтрансмаш. 2021年1月20日閲覧。
- ^ “«Уралтрансмаш» поставил в Нижний Тагил новые трамваи”. Ростех (2020年12月3日). 2021年1月20日閲覧。
- ^ Vít Hinčica (2022年1月30日). “Meziměstská trať Jekatěrinburg – Věrchňaja Pyšma se blíží otevření”. Československý Dopravák. 2022年2月5日閲覧。
- ^ Vít Hinčica (2022年7月4日). “Do Jekatěrinburgu míří Lvíčci”. Československý Dopravák. 2022年7月5日閲覧。
- ^ Павел Яблоков (2021年9月6日). “От Калининграда до Сибири: три завода обновляют подвижной состав в трамвайных депо страны”. TR.ru. 2021年10月13日閲覧。
- ^ “Nizhny Tagil ‘retro’ trams enter service”. LRTA (2022年8月15日). 2022年8月16日閲覧。
- ^ “Трамвайный вагон модели 71-415М вышел на обкатку”. Дзен (2023年3月8日). 2023年3月15日閲覧。
- ^ Белов Сергей (2023年3月9日). “«Уралтрансмаш» может создать новую площадку для производства трамваев”. ROLLING STOCK. 2023年3月15日閲覧。
- ^ “УВЗ презентует новый инновационный трамвай на «Иннопроме». Да, опять. Но он никогда не появится в городе”. 66.RU (2019年7月8日). 2021年1月20日閲覧。
外部リンク
- (ロシア語)“ウラルトランスマッシュの公式ページ”. 2021年1月20日閲覧。
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