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アラブ人とは? わかりやすく解説

アラブ‐じん【アラブ人】

読み方:あらぶじん

元来は、アラビア半島居住しアラビア語母語とするセム系民族イスラム教発展伴って、現在では西アジアから北アフリカ各地にかけて住みアラビア語母語とする人々をいう。アラビア人

「アラブ人」に似た言葉

アラブ人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/01 08:46 UTC 版)

アラブ人
العرب al-ʿarab
代表的なアラブ人

上から1段目: ピリップス・アラブスダマスコのイオアンキンディーハンサー

2段目: ファイサル1世ガマール・アブドゥル=ナーセルアスマーン英語版メイ・ジアデ英語版
総人口
2017年推定で約4億人[1]


約3億5000万人から4億2200万人[2]


(正確な統計ないため過去統計と人口増加率からの推定値・急速人口増加中)
居住地域
 アラブ連盟339,510,535人
 ブラジル15,000,000人[3]
 フランス6,500,000人[4]
 アルゼンチン3,500,000人[5]
 アメリカ3,500,000人[6]
 コロンビア3,200,000人[7]
 イラン700,000人 - 2,000,000人[8]
 イスラエル1,500,000人[9]
 メキシコ1,100,000人[10]
言語
アラビア語南アラビア諸語アーンミーヤ
宗教
主にイスラム教キリスト教ユダヤ教がごく少数存在する。

アラブ人(アラブじん、العرب،عربي)は、おもにアラビア半島西アジア北アフリカなどのアラブ諸国に居住し、アラビア語を話し、アラブ文化を受容している人々。

7世紀ムハンマド(マホメット)によってイスラム教が開かれ、中東北アフリカを中心に勢力を拡大した。

もともとアラビア人をアラブと呼ぶが、日本では誤訳から始まった呼び方で定着した。

概要

キングダム・オブ・ヘブンサラディン役で有名なシリア人俳優ガッサーン・マスウード

ムハンマド以前、アラブ人は統一された社会共同体もなく、部族社会を形成していた。部族はたびたび水資源や利権を巡って争い、破壊や略奪といった無法な行為を行っていたものの、戦では詩の優劣で勝敗を決めることがあるという非常に発達した精神文化も備えていた。ムハンマドによるイスラム教の創始以降、イスラム教のもとでイスラム文化は最高潮に達し、イスラム世界では錬金術を原点に各種の科学数学哲学が発展し、文学の発展もあった。しかし17~18世紀ごろを境にして、後にヨーロッパで起きた科学革命産業革命に後れを取るようになった。

「アラブ人」という概念は人種的存在とは言えない。むしろセム語アラビア語)という言語を共有する人々としてであったり、聖書に窺える、ある人物を始祖とするという共通概念で規定される。アラブ人は旧約聖書に登場するアブラハムが妻サラの女中であるハガルとの間に生ませた長男のイシュマエルを祖とするイシュマエル人の子孫と称し、イサクの次男ヤコブの子孫であるユダヤ人とは別の民族になったとしている。民族的概念と人種的概念が一致しないという点で、アラブ人とユダヤ人は共通するといえる。最初のアラブ人はアラビア半島の住民である(いわゆる「アラビア人」は、イスラム教徒でもある彼等およびその子孫全般のみを指す)が、イスラム教の聖典のクルアーンはムハンマドを通じてアラブ人にアラビア語で伝えた神の言葉とされているため、イスラム教の拡大によってベルベル人エジプト人、そしてメソポタミア人(イラク人)などの近隣の多くの人々が言語的に同化し、アラブ人となった。その後、20世紀初頭にオスマン帝国や欧州列強の植民地支配に対する抵抗運動の中で汎アラブ主義が勃興し、アラビア語話者の間に「アラブ人」という民族意識が補強された。

ただし、キリスト教徒のアラブ人にはアラブ人としての民族意識は宗派によってばらつきがあり、東方正教会の信者には(パレスチナ難民内にも多くの信者がいることもあり)有力な汎アラブ主義指導者(ジョージ・ハバシュなどのように一部は「テロリスト」とされることもあった)になる者もいる。

その一方で、レバノンのマロン派の信者は古代フェニキアの子孫としての民族意識が、イラクなどのアッシリア人は古代バビロニア、アッシリアの子孫としての民族意識が、エジプトのコプト正教会の信者はコプト語の話者であることから古代エジプトの子孫としての民族意識が強い。

現在ではシリア人パレスチナ人エジプト人マグリブのアラビア語系住民、身体的形質の上では黒人とされる人々を含むスーダンモーリタニアなどの「ブラックアフリカ」におけるアラビア語話者、さらにベルベル系の諸民族やソマリ人などアラビア語以外の言語を母語とする者までがアラブ人として自己規定する場合もある。ただし、典型的なコーカソイドのアラブ人は、ネグロイドのアラビア語話者をアラブ人と認めないことが多い。

ベドウィンなど、遊牧民や砂漠の民のイメージもあるがこれは一面的な解釈にすぎない。彼らは多くの穀倉地帯を抱えた農耕民族でもあり、インド洋を股にかけた海洋民族でもある。イスラム文化は高度に発達した都市文明の産物であり、西欧を中心に発祥した近代科学にも大きな影響を与えている。

遺伝子

アラブ人を特徴づける遺伝子はY染色体ハプログループJ1である。このタイプは現在アラブ人の分布する中東~北アフリカで高頻度にみられる。特に北アフリカではアラブ人の入植により急速にJ1が広まったものと推定される。 人種的なアラブ人は上記の通りなのだが人種的なアラブ人 つまりアラビア半島出自のアラブ人はサウジアラビア オマーン アラブ首長国連邦 カタール バーレーン クウェート ヨルダン(現在パレスチナ系 メソポタミア系の難民が7割を占める)、エジプト チュニジア モロッコ アルジェリアで多い。シリア イラク レバノン はメソポタミア系やイラン トルコ系、リビアはベルベル人 、イエメンは原始アラブ人だが文化的にはアラブ人と定義づけられている。

主なアラブ人国家

著名・有名なアラブ人

脚注

関連項目


アラブ人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 19:32 UTC 版)

パレスチナ分割決議」の記事における「アラブ人」の解説

わずかな例外除いてアラブ指導者政府分割決議案拒否し、その他どのような分割案拒否する姿勢見せた。 UNSCOPが報告書提出してから数週間後、ユダヤ系商店シナゴーグ破壊などの反ユダヤ主義行為非難する人物知られアラブ連盟事務総長アザム・パシャ(英語版)の言葉エジプト新聞掲載された。「個人的には私は我々に戦争を強いることをやめてほしいとユダヤ人に望む、なぜなら排除のための戦争になり、モンゴル大虐殺十字軍戦争と同じ危険な虐殺になってしまうからだ。私はパレスチナの外からやってくる義勇兵パレスチナ人口超えると思う。1947年10月この声明はもっと遅い1948年5月15日第一次中東戦争勃発した日)に出されたとよく間違って伝わっている。 アラブ高等委員会パレスチナのアラブ人国家に住むユダヤ人のうち大半は、イギリス委任統治領時代住んでいなかったので市民権与えるべきではないと述べたアラブ連盟パレスチナのアラブ人国家から追い出すべきユダヤ人存在する語った1948年2月16日国連パレスチナ委員会安全保障理事会に「強大なアラブ勢力パレスチナ内外において総会決議軽んじてその結果力ずく変えようたくらんでいる。」と報告したアラブ側エルサレム国際管理にすることにも反対した。 シリアの大統領シュクリー・アル=クーワトリーは国民に「シオニズム根絶しなければならないと言ったアミーン・フサイニー1948年3月ヤッファ日刊紙Al Sarihのインタビュアーに「アラブ人は分割阻止しただけでは終わらずシオニスト全滅するまで戦い続けるだろう。」と答えた。 アザム・パシャは力ずく分割阻止しよう脅迫続けていた。そのような中、分割支持する声明初め出したのはエジプト影響力の強い日刊紙Al Mokattamだった。「分割案パレスチナ問題対す最善解決策であると信じるがゆえに我々は賛意表明する分割案拒否することはさらなる問題引き起こしシオニスト戦い準備をする時間的猶予与える。1年の遅れはアラブ人の利益はならずユダヤ人利するイギリス出て行ってしまった後ではそれは顕著になるだろう。」 アラブ人はユダヤ人少数派権利尊重することを約束した1948年5月20日アザム報道員に「我々はアラブ・パレスチナのために戦う。どのような結果になろうとも、アラブ人はアラブ・パレスチナにいるユダヤ人にアラブ人と同じ市民権与えることにこだわるだろう。ユダヤ人優勢な地域なら完全な自治権を得ることにもなるだろう。」と述べた

※この「アラブ人」の解説は、「パレスチナ分割決議」の解説の一部です。
「アラブ人」を含む「パレスチナ分割決議」の記事については、「パレスチナ分割決議」の概要を参照ください。

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