Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

ウォリス・フツナとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 地域・地名 > 地形・地勢 > 島嶼 > 太平洋の島 > ウォリス・フツナの意味・解説 

ウォリス・フツナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/08 16:41 UTC 版)

ウォリス・フツナ諸島
Wallis-et-Futuna
ウォリス・フツナの旗 ウォリス・フツナの紋章
公用語 フランス語
行政所在地 マタウトゥ
大統領 エマニュエル・マクロン
行政長官 エルベ・ジョナタン
Hervé Jonathan
準県議会議長 アトロト・コロキラギフランス語版
ウヴェア王:
カピリエール・ファウパラen
トゥア王:
パテロ・ヴィケナ
シガヴェ王:
ヴィセシオ・モエリク
面積
 -  総面積 142 km²
 -  水面積率 (%) 極僅か
人口
 -  統計(2018年) 11,558[1]
 -  人口密度 81人/km²
GDP (PPP)
 -  合計
通貨 CFPフラン (XPF)
時間帯 UTC+12 
ISO 3166-1 WF / WLF
ccTLD .wf
国際電話番号 +681

ウォリス・フツナ、またはワリス・フテュナフランス語: Collectivité des Îles Wallis et Futuna) は、フランス海外準県: collectivité d'outre-mer; COM)である。火山熱帯環礁で、南太平洋ハワイからニュージーランドまでの約3分の2の辺り(南緯13°18'、西経176°12')に位置する。現地には伝統的に首長として3つの地域に各がいる。

略史

約2000年前ごろ、この地域にはポリネシア系民族が住みついていた。また、12〜16世紀ごろには、トンガ王国の支配圏に入っていた。この時期の遺跡と推定される砦跡が残っている[2]

ウベア島のウベア、フツナ島のシガベ、アロフィ島のアロの3つの王国首長国)があり、広く交易を行っていた。

最初のヨーロッパ人との接触は17世紀および18世紀である。1616年オランダヤコブ・ルメールとウィレム・スホーテンがフツナ島を発見。1767年にはイギリスサミュエル・ウォリスがウベア島(ウォリス島)を発見した。

最初にこの地に植民地を建設したのはフランス人で、1837年宣教師到着が端緒である。フランス人によって島民のカトリックへの改宗が進められた。

1842年4月5日、先住民たちの間で反乱が起こり、これに対して他の先住民たちはフランス人に保護を求めた。1887年4月5日、ウベア島の女王は公式にフランス保護領となる条約に調印し、残るシガベとアロの王たちも1888年2月16日に保護領となる条約に調印し、これらの島々はフランスのニューカレドニア植民地の管理下に置かれた。

1917年、3つの王国はフランスに併合され、フランスの植民地ウォリス・フツナとなったが、未だニューカレドニアの管轄下にあった。第二次世界大戦後の1959年、独立した領土となるための住民投票が行われ、1961年にフランスの海外領土(Territoire d'outre-mer; TOM)に昇格し、ニューカレドニアの一部から脱した。2003年に海外準県に移行している。

政治

ウォリス・フツナは3つの伝統的な王国に分けられている。ウベア島のウベア(Uvea)、フツナ島西部のシガベ(Sigave)、アロフィ島およびフツナ島東部のアロ(Alo)である。ウベアはさらに3つの地区、ハハケ(Hahake)、ヒヒフォ(Hihifo)、ムア(Mua)に分かれている。首都マタウトゥは最も人口の多いウベア島の東海岸、ハハケ地区に位置する。

ウォリス・フツナはフランス領土として、フランス共和国憲法(第五共和国憲法)の下に統治され、フランスの法体系を用い、参政権は18歳以上の成人に与えられている。フランス大統領の選挙も5年ごとに行われる。元首はフランス大統領であるが、その代行である行政長官(Administrateur supérieur)は、フランス内務省の助言によりフランス大統領が任命する。政府の長である準県議会議長は、準県議会での選挙で選ばれる。

準県議会は3つの王国の王たちと、準県議会の助言で行政長官が任命する3人の議員によって構成される。立法府は、5年毎の選挙で選ばれる20人の議員によって構成されている。ウォリス・フツナは元老院(上院)、国民議会(下院)に1名ずつの代表を送っている。

司法は、マタウトゥの第一審裁判所では一般的にフランス法に基づいて判決が下されるが、3つの王国も刑法犯以外の場合に慣習法によって司法判断を下すことができる。控訴審裁判所はニューカレドニアヌーメアにある。

通貨はニューカレドニア、フランス領ポリネシアとともにCFPフランを使用している。

地理

ウォリス諸島とフツナ諸島に分かれる。ウォリス諸島はウォリス・フツナの中心地でもある火山性の島、ウベア島(ウォリス島)と周囲の小さなサンゴ礁からなる。フツナ諸島はフツナ島アロフィ島からなり、2島とも火山性の島である。フツナ島は地震に見舞われるときがあり、1993年、地震に見舞われた。ウォリス・フツナの最高峰はフツナ島にあるプケ山(760m)である。

経済

主産業はココヤシから採れるコプラ、手工芸、海産物であるが、コプラを主とする輸出に比べ、食物や工業製品などの輸入が圧倒的に多い。労働人口の80%はココヤシココナッツ・野菜などの農業畜産業、漁業に従事し、4%は政府職員である。領域の主な収入はフランス本国の助成金、日本韓国によるマグロなどの漁業権、関税、ニューカレドニアに出稼ぎした住民の仕送りなどである。

住民

ポリネシア系の住民がほとんどである。住民の中には、職を求めてニューカレドニアに移る者もいる。島民の人口は合計で、2003年には1万5000人を超えていたが、2020年には約1万1200人にまで急減している[3][4]。うち約72%がウベア島に、約28%がフツナ島に住んでおり、アロフィ島にはわずか2人しか住んでいない。

公用語はフランス語で、島民の約80%以上が、オーストロネシア語系の現地のウォリス語(ウベア語)やフツナ語も話す[3]

宗教は99%をカトリックが占める。

音楽民族舞踊など豊かな伝統を持つ。トンガで行われている戦いの踊り、カイラオもウベア島から輸出されたものである。

関連項目

脚注

  1. ^ Les populations légales de Wallis et Futuna en 2018” (フランス語). INSEE. 2022年7月30日閲覧。
  2. ^ 小野林太郎「ウォリス・フツナ諸島」/ 吉岡政徳・石森大和編著『南太平洋を知るための58章 メラネシア ポリネシア』明石書房 2010年 239ページ
  3. ^ a b 小野林太郎「ウォリス・フツナ諸島」/ 吉岡政徳・石森大和編著『南太平洋を知るための58章 メラネシア ポリネシア』明石書房 2010年 238ページ
  4. ^ wallis-and-futuna-islands-population”. worldometers. 2022年2月22日閲覧。

外部リンク


ウォリス・フツナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 19:54 UTC 版)

フランスにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況」の記事における「ウォリス・フツナ」の解説

2020年10月16日1人感染確認された。

※この「ウォリス・フツナ」の解説は、「フランスにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況」の解説の一部です。
「ウォリス・フツナ」を含む「フランスにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況」の記事については、「フランスにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ウォリス・フツナ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ウォリス・フツナ」の関連用語

ウォリス・フツナのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ウォリス・フツナのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのウォリス・フツナ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのフランスにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS