ウォーニング (競走馬)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/22 15:45 UTC 版)
ウォーニング | |
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ハーリド・ビン・アブドゥッラーの勝負服 | |
欧字表記 | Warning |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 青鹿毛 |
生誕 | 1985年 |
死没 | 2000年12月7日 |
父 | Known Fact |
母 | Slightly Dangerous |
母の父 | Roberto |
生国 | イギリス |
生産者 | Juddmonte Farms |
馬主 | Khalid Abdulla |
調教師 | Guy Harwood(イギリス) |
競走成績 | |
生涯成績 | 14戦8勝 |
ウォーニング (Warning) とはイギリスの競走馬および種牡馬である。1987年ヨーロッパ最優秀2歳牡馬。馬名は英語で「警告」の意。父、母ともに本馬の馬主であるハーリド・ビン・アブドゥッラー殿下が所有していた。
父のKnown FactはNureyevの降着から繰り上がりで2000ギニーを勝った馬で馬主にとって初のイギリスのクラシック勝利となり、非常に思い入れのある馬であった。
母のSlightly Dangerousは凱旋門賞の優勝馬であるRainbow Questの叔母にあたり、オークス2着などの実績を持つ。また、繁殖牝馬としても本馬のほかにCommander In Chiefなども輩出し、成功している。
本馬は父と同じくマイル戦を得意としていた。主戦騎手はパット・エデリー。
戦跡
1987年にデビュー。デビュー戦、2戦目と共に5馬身、10馬身差の圧勝劇で続くリッチモンドステークス(G2)で重賞初勝利。さらにシャンペンステークス(G2)でも勝ち星を重ね、この年G1未勝利ながら欧州の最優秀2歳牡馬に選出される。これはこの年、イギリス2歳王者決定戦であったデューハーストステークスが中止になったこと、ウォーニングが圧勝の連続でこの年無敗であったことが考えられる。
1988年の初戦、クレイヴァンステークス(G3)ではもちろんの事ながら単勝1.6倍の大本命に推される。が、後に2000ギニーを勝つDoyounに4馬身差の2着と惨敗し、生涯初敗戦となってしまう。この時ウォーニングはウイルス性の疾患にかかってしまい、クラシック出走を断念せざるを得なかった。しかし回復後の準重賞を勝って臨んだサセックスステークスで勝利し、初G1制覇をあげた。続くジャック・ル・マロワ賞では、当時の欧州マイル路線のトップスターが集結する中、ウォーニングは名牝Miesqueの2番人気に支持された。結果もミエスクの2着となった[1]。次走のクイーンエリザベス2世ステークスで勝利しG1勝ち数を2にするが、ブリーダーズカップ・マイルでは馬場が合わなかったのか、勝ち馬Miesqueから32馬身差の11着と大惨敗を喫してしまった。
1989年、ロッキンジステークス(G2)から始動したウォーニングだったがMost Welcomeの2着と惜敗する。クイーンアンステークス(G2)ではレースレコードで勝利を収めたものの、距離が10ハロンに伸びたエクリプスステークスでは勝ち馬Nashwanの20馬身差の4着に惨敗、連覇をかけたサセックスステークスでもZilzalから9馬身離された6着と惨敗する。この後はブリーダーズカップ・マイルの挑戦を視野に入れていたが、結局取り消され現役を引退する。
年度別競走成績
- 1987年(4戦4勝) - リッチモンドステークス(G2)、シャンペンステークス(G2)
- 1988年(5戦3勝) - サセックスステークス(G1)、クイーンエリザベス2世ステークス(G1)
- 1989年(4戦1勝) - クイーンアンステークス(G2)
種牡馬入り後
引退後はイギリスにあるバンステッドマナースタッドで種牡馬入り、後に日本に輸入された。産駒は欧州でも日本でも短距離向きの産駒を多く輩出していた。が、中には異色の産駒もおり、4000メートルのカドラン賞(G1)を勝ったGive Noticeはまさにその典型的な例である。2000年に心不全のため死亡、15歳という早逝だった。
現在は、主にG1を勝った産駒が種牡馬入りして一定の成績を残している。Charnwood Forest[2]のように実績と血統を買われて種牡馬入りしている産駒もいる。
代表産駒
日本国外調教馬
- Diktat - モーリス・ド・ギース賞、スプリントカップなど
- Piccolo - ナンソープステークスなど
- Give Notice - カドラン賞など
- Prophecy - チェヴァリーパークステークスなど
- Annus Mirabilis - 毎日王冠、ドバイデューティーフリー(優勝した1998年当時はまだ一般戦)
- Charnwood Forest - クイーンアンステークス
日本国内調教馬
- カルストンライトオ - スプリンターズステークス
- サニングデール - 高松宮記念
- ダンツジャッジ - アメリカジョッキークラブカップ、ダービー卿チャレンジトロフィー
- タニノマティーニ - キーンランドカップ
母の父としての主な産駒
太字はGI級競走、*は地方重賞を示す
- マルブツイースター(2007年小倉2歳ステークス)- 父サクラバクシンオー
- イグナイター(2022年*楠賞、黒船賞、かきつばた記念、2022年・2023年*黒潮スプリンターズカップ連覇、2023年さきたま杯、*園田チャレンジカップ、JBCスプリント)- 父エスポワールシチー[3]
活躍馬ではないが、ウォーニングムスメ[4]という珍名馬も父の名前を有名にした。
血統表
ウォーニングの血統マンノウォー系/Bull Lea 5×5=6.25%、War Relic 5×5=6.25% | (血統表の出典) | |||
父 Known Fact 1977 鹿毛 | 父の父 In Reality1964 鹿毛 | Intentionally | Intent | |
My Recipe | ||||
My Dear Girl | Rough'n Tumble | |||
Iltis | ||||
父の母 Tamerett1962 黒鹿毛 | Tim Tam | Tom Fool | ||
Two Lea | ||||
Mixed Marriage | Tudor Minstrel | |||
Persian Maid | ||||
母 Slightly Dangerous 1979 鹿毛 | Roberto 1969 鹿毛 | Hail to Reason | Turn-to | |
Nothirdchance | ||||
Bramalea | Nashua | |||
Rarelea | ||||
母の母 Where You Lead1970 栗毛 | Raise a Native | Native Dancer | ||
Raise You | ||||
Noblesse | Mossborough | |||
Duke's Delight F-No.14-f |
脚注
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post
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