ジオイド
ジオイド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/16 02:45 UTC 版)
測地学 | ||||||||||||||||||||||||
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基準(歴史) | ||||||||||||||||||||||||
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ジオイド(英語: geoid)とは、地球の平均海水面に極めて良く一致する等ジオポテンシャル面を言う[1][注 1]。
概要
ジオイドの定義、すなわち地球の平均海水面に一致する等ジオポテンシャル面は、地球の重力以外の影響を取り去った場合の全地球を覆う仮想的な海面に一致する。この場合の平均海水面は陸地にまで延長、すなわち、運河やトンネルを掘ってその場所まで海水を導いたとして考える[2]。
したがって、ジオイドとは、ジオポテンシャル によって形づくられる一種の「地球の形」を表現している。
地球のジオイドは、地球楕円体と呼ばれる回転楕円体でその形を近似されるが、正確には細かく複雑に歪んだ「セイヨウナシ」のような形をしていて、地球楕円体モデルGRS80の楕円体面を基準にすると最大で約85mの突出と約105mの凹みを持つ。このジオイド面の相対的高さ(差)を「ジオイド高」と呼ぶ。
ジオポテンシャル基準値
ジオイド面はジオポテンシャル
ジオイドの凹凸は周囲の地形や地下の岩石の密度の影響によるものである。山脈がある場合や、平地であっても地下に密度の高い岩石がある場合は、その周囲ではジオポテンシャルがより低くなり、ジオイドは地球楕円体表面よりも突出する。
日本列島においても、中部地方から東北地方までの山間部でジオイドが盛り上がっており[5]、そのジオイド高は+40m~50m程度である。東京近辺では+30m程度である。
うねり
ジオイドのうねり(英語: undulation of the geoid)とは、与えられた参照楕円体に対するジオイドの相対的な高さのことである。国ごとに異なる平均海面レベルを参照点として採用しているため、うねりは標準されていないが、最も一般的にはEGM96ジオイドを指す。
GPS/GNSSとの関係
楕円体の高さはGPSシステムや同様のGNSSから得られるが、地図や一般的な利用方法では、標高の高さを示すために海面上の平均高さ(正標高など)が使われる。
楕円体の高さ
ジオイド表面の高さの変動は、地球内の異常な密度分布に関連している。そのため、ジオイドの測定は、惑星の内部構造を理解するのにも役立つ。肥厚がリソスフェア全体に影響を与える場合に予想されることとは反対に、合成計算は、厚くなった地殻のジオイドの特徴(たとえば、大陸衝突によって生成された造山帯)が正しいことを示している。マントルの対流も、時間の経過とともにジオイドの形状を変化させる[6]。
脚注
注釈
出典
- ^ 萩原(1982) p.71
- ^ 日本での位置の基準となる測地系 国土地理院
- ^ [1] ジオイド測量、ジオイドとは、図-2 楕円体・ジオイド・標高の関係
- ^ 基準点成果等閲覧サービス 国土地理院、2014年3月13日改測
- ^ ジオイドモデル、「日本のジオイド2011」(Ver. 2.1) 国土地理院
- ^ Richards, M. A., and B. H. Hager, 1984. Geoid anomalies in a dynamic mantle, J. Geophys. Res., 89, 5987–6002, doi:10.1029/JB089iB07p05987.
参考文献
- 萩原 幸男 『測地学入門』東京大学出版会、1982年。
- 萩原 幸男 『地球重力論』共立全書、1978年。