ジョン・グリーヴスの測量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 03:19 UTC 版)
「ギザの大ピラミッド」の記事における「ジョン・グリーヴスの測量」の解説
ジョン・グリーヴスは大ピラミッドについて考古学的な手法を用いた検証を行った最初の人物である。数学者で天文学に通じていたグリーヴスは、17世紀当時の最高の測量機器を用いて大ピラミッドを測量し、その大きさを明らかにした。また、大ピラミッド内部に入り通路や部屋の寸法を計測し、断面図を完成させた。その内容を1646年に『ピラミッドグラフィア』に纏めて出版したが、その結論としてピラミッドが王墓であることを主張した。しかし、グリーヴスはこの本を当時の知的公用語であったラテン語ではなく、一地方の言語に過ぎなかった英語で執筆した。その理由は定かではないが結果として世間はグリーヴスの著作に注目せず、大ピラミッドを神秘的なイメージで描いたアタナシウス・キルヒャーの著書の方が好まれた。 グリーヴスの著書に注目をしたのはアイザック・ニュートンである。ニュートンは大ピラミッドの設計には端数のない関数が使われたと仮定し、グリーヴスの測量から1キュビットが52.4cmであると推測した。古代エジプトは身体尺を用いていたが、現在は古王国時代の単位は52.5cmと考えられており、ニュートンの数値とほぼ合致する。ところが19世紀になると、ニュートンの大ピラミッド研究を万有引力の発見と結びつける俗説が現れた。こうした事はピタゴラスが地球と大ピラミッドを結びつけたとする俗説にもみられ、大ピラミッドを疑似科学的に取り上げる風潮で注目された。
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