併せて
読み方:あわせて
「併せて」とは、文中で用いると「並行して」という副詞になり文頭で用いると「同時に」という接続詞になる異なる二つ以上のものを一緒にすることを意味する表現。なお、「併せて」の表記には使い分けがある。一般的に「併せて」は接続詞的な用法で用いるケースでは「あわせて」、副詞的な用法で用いるケースでは「併せて」と表記をする。「併せて」を接続詞として用いる場合に「あわせて」と平仮名で表記するのは、内閣訓令第1号「公⽤⽂における漢字使⽤等について」において、「及び」「並びに」「又は」「若しくは」以外の接続詞は原則として仮名で書くと規定されていることによる。
「参加者が非常に多いので、あわせて申し込むのが大変だった」という表現は、参加者の都合を調整して申し込むのが大変だったという意味なので「合わせて」を用いるべきであり、もし「併せて」を用いるとすれば、「参加者が非常に多いので、日程調整と併せて宿泊先の確保を行うのが大変だった」のように、並行して行う事柄が2つ以上明記されていることが必要である。また、言い回しによっては使う漢字が固定されている場合もある。たとえば「手を合わせて拝む」「気持ちを合わせて事に当たる」「楽器に合わせて歌う」「男女合わせて20人のパーティー」「万障繰り合わせて出席する」などには「合わせて」が適用される。一方で「公共料金と併せて税金も払う」「清濁併せ呑む」などは「併せて」の漢字を用いる。
このほか、場面によっては「併せて」「合わせて」のどちらを使用しても可能となる言い回しもある。たとえばスピーチなどの口述を、文章に改めるといったテープ起こしなどの事例である。「長々とお話し申し上げてまいりましたが、あわせて皆さまのご多幸をお祈り申し上げる気持ちの表れとお許しいただいて、ご挨拶に代えさせていただきたいと存じます」などという発言では、「あわせて」を「併せて」「合わせて」のうちのどちらを用いるべきか判断に迷うというケースも少なくない。このような場合には、無理に漢字に改めることはせず「あわせて」と仮名にひらいたままにする。
「併せてご確認ください」とは、先方に確認をしてもらいたいことが複数あって、まず先に依頼を終え、さらにその依頼事項と並行してもう一つ依頼を重ねる場合の常套句である。そのため、依頼する内容が一つである場合にはこの表現は成立しないことになる。たとえば「先ほどは社内研修へのご参加お疲れさまでした。内容をまとめた振り返り資料をお送りしましたので、次回の開催時までに目を通しておいてください。なお、次回は予定していた講師の都合により、事前にお知らせしていた日程が一部変更になっております。併せてご確認ください」といった内容の場合、依頼する内容は、「①振り返り資料に目を通すこと」「②次回の日程の変更を確認すること」の二つとなる。このうち、①②のどちらかでも依頼がなされない場合は、「併せて」という表現は不適当となる。逆に、①②のほかに③④…と依頼事が増えたとしても、それぞれが独立した内容であれば、「併せてご確認ください」という言い回しは正しく成立する。
「と併せて」とは、「二つ以上のものがあってこれを並行して(行う)」という意味になる。「~と併せて~する」の表現を用いるケースには、「マンションと併せて公園を造成する」「映画館と併せてレストランを建設する」などの表現が考えられる。この言い回しを使う場合は、「①マンション」「②公園」、「①映画館」「②レストラン」などのように、並行して行う対象の①と②が原則として異質のものでなくてはならない。たとえば「マンションと併せてエレベーターも設置する」という表現に違和感を感じるのは、前提としてエレベーターはマンションの一部であると了解されているからである。このような「一致・合体」の意味で「あわせて」を用いる場合は「合わせて」を使い、「マンションに合わせてエレベーターも設置する」などとしなくてはならない。
また、ビジネスシーンでは・「資料のチェックと併せてアドバイスもよろしくお願いします」・「この度のご協力に感謝いたしますとともに、貴重なご指摘を頂戴いたしましたこと、併せて御礼申し上げます」・「不手際がありましたことを反省いたしますとともに、併せて深くお詫び申し上げます」「企画書の作成と先様への事前連絡、併せてお願いします」・「以下に改善案を記しました。内容をご確認いただき、併せてご意見を頂戴できればと存じます」などの表現も挙げられる。
「併せて」とは、文中で用いると「並行して」という副詞になり文頭で用いると「同時に」という接続詞になる異なる二つ以上のものを一緒にすることを意味する表現。なお、「併せて」の表記には使い分けがある。一般的に「併せて」は接続詞的な用法で用いるケースでは「あわせて」、副詞的な用法で用いるケースでは「併せて」と表記をする。「併せて」を接続詞として用いる場合に「あわせて」と平仮名で表記するのは、内閣訓令第1号「公⽤⽂における漢字使⽤等について」において、「及び」「並びに」「又は」「若しくは」以外の接続詞は原則として仮名で書くと規定されていることによる。
「併せて」の接続詞的な用法
「併せて」の接続詞的な用法とは、二つ以上の事柄の存在を前提に、これを「同時に、一緒に、あわせて(行う)」という使い方となり、「あわせて」と表記する。たとえば「あわせて、同封した書類へのご記入もよろしくお願いいたします」などがこれにあたる。このとき、発信者の依頼内容は、同封した書類への記入以外に、先行して依頼している何か別の要件があることが前提となる。その要件を実行してもらったうえで、同時に同封した書類への記入も依頼しているのである。「併せて」の副詞的な用法
「併せて」の副詞的な用法とは、二つ以上の事柄を「並行して(行う)」という使い方を示す。たとえば「第一案と併せて、第二案の内容についても検討をお願いいたします」などの例を挙げることができる。副詞として「検討する」に掛かる「併せて」は、どのような様態で「検討する」のかを示しているもので、「第一案は検討をお願いします。並行して第二案の検討もお願いします」という内容をコンパクトにまとめた表現となる。この「併せて」の用例として、現代でも頻繁に使われることわざに、古代中国の文語である漢文に材を取った「漁夫の利」がある。「漁者得而并擒之」がその一節で、「漁者得て之を并(あは)せ擒(とら)ふ」と書き下し、「漁師がこれ(ハマグリと鷸の)の両方を一緒に捕らえた」という意味となる。ハマグリを捕らえ、並行して鷸を捕らえたことを示した表現である。「合わせて」と「併せて」の違い
「併せて」の同訓異字語に「合わせて」があり、しばしば両者は混用されるケースもあるが、厳密な使い分けがある。「合わせて」とは主に「複数のものをひとまとめにする」「基準通りに合わせる」「正しい状態に戻す」などの意味を持つ表現である。別の言葉で言い換えると「統合する、合計する、一体化する」や「一致させる、重ね合わせる」、「調整する、正常化する」などとなる。「会計は合わせて1万円となった」のようにお金の合算をいう場合、「一緒に旅行するために、2人のスケジュールを合わせておく」のように事柄を一致させる場合、「遅れた時計を正しい時刻に合わせておく」のようにものごとを修復する場合などでは、「合わせて」を使う。いっしょにまとめる、フィットさせるという意味が根底にあり、個々の存在を前提とした「併せて」とは使い方が異なる。「参加者が非常に多いので、あわせて申し込むのが大変だった」という表現は、参加者の都合を調整して申し込むのが大変だったという意味なので「合わせて」を用いるべきであり、もし「併せて」を用いるとすれば、「参加者が非常に多いので、日程調整と併せて宿泊先の確保を行うのが大変だった」のように、並行して行う事柄が2つ以上明記されていることが必要である。また、言い回しによっては使う漢字が固定されている場合もある。たとえば「手を合わせて拝む」「気持ちを合わせて事に当たる」「楽器に合わせて歌う」「男女合わせて20人のパーティー」「万障繰り合わせて出席する」などには「合わせて」が適用される。一方で「公共料金と併せて税金も払う」「清濁併せ呑む」などは「併せて」の漢字を用いる。
このほか、場面によっては「併せて」「合わせて」のどちらを使用しても可能となる言い回しもある。たとえばスピーチなどの口述を、文章に改めるといったテープ起こしなどの事例である。「長々とお話し申し上げてまいりましたが、あわせて皆さまのご多幸をお祈り申し上げる気持ちの表れとお許しいただいて、ご挨拶に代えさせていただきたいと存じます」などという発言では、「あわせて」を「併せて」「合わせて」のうちのどちらを用いるべきか判断に迷うというケースも少なくない。このような場合には、無理に漢字に改めることはせず「あわせて」と仮名にひらいたままにする。
「併せて」の読み方
「併せて」は「あわせて」と読む。訓読みとして常用漢字表内にある読み方である。「併せて」の熟語・言い回し
併せてご確認くださいとは
「併せてご確認ください」とは、先方に確認をしてもらいたいことが複数あって、まず先に依頼を終え、さらにその依頼事項と並行してもう一つ依頼を重ねる場合の常套句である。そのため、依頼する内容が一つである場合にはこの表現は成立しないことになる。たとえば「先ほどは社内研修へのご参加お疲れさまでした。内容をまとめた振り返り資料をお送りしましたので、次回の開催時までに目を通しておいてください。なお、次回は予定していた講師の都合により、事前にお知らせしていた日程が一部変更になっております。併せてご確認ください」といった内容の場合、依頼する内容は、「①振り返り資料に目を通すこと」「②次回の日程の変更を確認すること」の二つとなる。このうち、①②のどちらかでも依頼がなされない場合は、「併せて」という表現は不適当となる。逆に、①②のほかに③④…と依頼事が増えたとしても、それぞれが独立した内容であれば、「併せてご確認ください」という言い回しは正しく成立する。
と併せてとは
「と併せて」とは、「二つ以上のものがあってこれを並行して(行う)」という意味になる。「~と併せて~する」の表現を用いるケースには、「マンションと併せて公園を造成する」「映画館と併せてレストランを建設する」などの表現が考えられる。この言い回しを使う場合は、「①マンション」「②公園」、「①映画館」「②レストラン」などのように、並行して行う対象の①と②が原則として異質のものでなくてはならない。たとえば「マンションと併せてエレベーターも設置する」という表現に違和感を感じるのは、前提としてエレベーターはマンションの一部であると了解されているからである。このような「一致・合体」の意味で「あわせて」を用いる場合は「合わせて」を使い、「マンションに合わせてエレベーターも設置する」などとしなくてはならない。
「併せて」の使い方・例文
「併せて」を使った例文としては、・「住所変更と併せて免許の更新も行う」・「毎食後の歯磨きと併せてフロスを使う習慣が定着した」・「一般公開に併せて記念講演会を企画する」・「本業と併せて副業も行うことが普通になってきた」・「この二つの融資は併せて利用することはできない」・「書店と併せてカフェを設置することで売り上げの向上を見込むことができる」・「高齢者施設と併せて医療施設も開設する」などといった一般的な使用例が考えられる。また、ビジネスシーンでは・「資料のチェックと併せてアドバイスもよろしくお願いします」・「この度のご協力に感謝いたしますとともに、貴重なご指摘を頂戴いたしましたこと、併せて御礼申し上げます」・「不手際がありましたことを反省いたしますとともに、併せて深くお詫び申し上げます」「企画書の作成と先様への事前連絡、併せてお願いします」・「以下に改善案を記しました。内容をご確認いただき、併せてご意見を頂戴できればと存じます」などの表現も挙げられる。
あわせ‐て〔あはせ‐〕【合(わ)せて/併せて】
併せて
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「併せて」の例文・使い方・用例・文例
- 彼らはそれがとても重要なデータであることも併せて報告している。
- 私はこれも併せて送ります。
- 商品と併せて最新のカタログを同封させていただきます。
- 借り入れを頼まれた人が,自分の分も併せて余計に借りること
- 一人の人が本来の職務と併せて他の役職を兼ねること
- (主な映画に別の映画を)併せて上映する
- (神仏に)複数の希望を併せて祈願する
- (受験のとき)複数の学校を併せて志願する
- (二つ以上のものを)併せて一つの名前で呼ぶ
- 主たるものに併せて設置する
- ある職務についている人を,他の職務に併せて任ずる
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