共通SINE
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 15:54 UTC 版)
SINEの起源は、真核生物のゲノムへの寄生であると考えられている。SINEは進化的時間スケールにわたって何度もの自己複製および変異を経ており、さまざまな系統を形成しているが、多くの真核生物の系統にSINEがあまねくみられることは、SINEが真核生物の進化的初期段階に起源をもつことに由来する。 Alu要素は長さおよそ300ヌクレオチドのSINEで、ヒトゲノムに1000000コピー以上存在し、全ヒトゲノムの10パーセント超を占める、ヒトゲノム上で最も一般的なSINEである。このことは他の種でも珍しいことではない。Alu要素のコピー数の違いにより、霊長類の種の判別および系統分類を行うことがができ。イヌの犬種の違いをもたらしているのは、SINEC_Cfというイヌに特有なSINEの反復の有無のみが違うアレルが主である。SINEC_Cfは転写されてスプライスアクセプターサイトとなる場合があり、ある配列がエクソンとなるかイントロンとなるかを左右し、各犬種の違いをもたらしている。 哺乳類以外にも、SINEのコピー数が多い種は軟骨魚類(ゾウギンザメ)や一部の魚類(シーラカンス)など多数存在する。植物では、ごく近縁の種だけにみられるSINEが多く、進化の過程で頻繁に出現・減衰・消失しているが、Au-SINEやAngio-SINEなど、類縁関係のない多くの植物種に広くみられるSINEファミリーも例外的に存在する。
※この「共通SINE」の解説は、「短鎖散在反復配列」の解説の一部です。
「共通SINE」を含む「短鎖散在反復配列」の記事については、「短鎖散在反復配列」の概要を参照ください。
- 共通SINEのページへのリンク