内皮細胞
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内皮細胞(ないひさいぼう、英: endothelial cell)は、内皮を構成する細胞。内皮細胞は幅10~15μm、長さ25~50μmの多角形の細胞であり、形質膜小胞と呼ばれる小窩が多数存在し、Weibel-Palade小体と呼ばれる杆状の分泌顆粒を有する。血液およびリンパと組織液の交換の場。内皮細胞間には密着結合が存在する。内皮細胞は部位により種々の構造をとり、その壁構造から連続型、有窓型、不連続型の3種類に分類される。
- 1 内皮細胞とは
- 2 内皮細胞の概要
内皮細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:21 UTC 版)
脈管系の上皮を内皮という。毛細血管の内皮を構成する内皮細胞は薄い板状であるが、核の部分だけが厚く盛り上がっている。細胞の全形は、血管の方向に概ね一致してやや長く伸び、核もこの方向に長軸を向いた小判形である。毛細血管の横断面をみると、細胞の1個が指輪のように全周を抱くこともあり2,3個がつながって全周を囲むことがある。 内皮細胞の境界線を観察するには古くから硝酸銀による方法が用いられる。腸間膜などの膜片組織を硝酸銀液に浸し、あるいは血管に同液を注入した後、光にさらすと銀粒子が析出し、内皮細胞の境界に沈着し、これを黒く染める。硝酸銀液を血管注入し、光または現像液で処理した後にレジンを注入し鋳型を走査型電子顕微鏡で観察すると内皮細胞の境界線がわかりやすい。内皮細胞の内腔面を走査型電子顕微鏡で観察すると多数の長さの不揃いな微繊毛が生えていることがある。大血管にも小血管にも見られる。この微繊毛の意義は不明である。内皮細胞を透過型電子顕微鏡で観察すると、核の近くにゴルジ装置があり、両者の間にしばしば中心小体が見える。そのほか、核周囲部にはミトコンドリア、若干の粗面小胞体、遊離リボゾーム、少数の水解小体がある。細胞質の薄い部分にはのみこみ陥凹や小胞が通常みられる。内皮細胞の中間径フィラメントはビメンチンが豊富で細胞骨格として内皮細胞を機械的に支持している。また基底膜との接着にも重要な役割を担う。微小管は核の一端に局在する中心小体から出て、細胞の長軸を沿って走っている。血管内皮の細胞間には、多少とも接着装置が存在する。しかしその発達は血管の種類や存在部位によって大きく異なる。血管の透過性は密着結合の発達の程度によって影響を受けると考えられている。血管の透過性は脳血管では低く、脳以外の組織では透過性は高い。脳の血管内皮は強固で連続的な密着結合を形成し、物質透過を遮断しており血液脳関門といわれている。対照的に骨格筋の血管内皮では密着結合の発達が悪く断続的であるので物質の透過性が高い。内皮細胞のマーカーとしてはCD31(platelet endothelial cell adhesion molecule-1、PECAM-1)、CD34、CD36、RECA-1などが知られている。
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