左右対称
左右対称
線対称
(左右対称 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/29 13:40 UTC 版)
線対称(せんたいしょう、英: line symmetry)は、図形を特徴づける性質の1つで、ある直線を軸として図形を反転させると自らと重なり合う対称性である。その直線を対称軸という。
各次元の線対称
線対称の最も一般的な性質は、高次元のものである。2次元では、それに2次元特有の性質が加わる。
2次元
2次元図形の線対称は、反射対称(英:reflection symmetry)と同じものである。reflection symmetryを線対称と訳すことも多い。なおその場合、3次元図形のreflection symmetryは面対称と訳す。
対称軸を境に図形を2つの部分に分け、一方を折り返すともう一方に重なる。対称軸は、折り返したときに互いに重なる2つの点を結んだ線分の垂直二等分線である。対称軸は複数本存在する場合もある。
対称軸を境に2つに分割した図形は互いに合同である。異なる全ての対称軸は1点で交わり、その交点は図形の重心である。一般に対称軸を偶数本もしくは無数に持つ図形は点対称でもあり、その図形を重心を中心に180°回転させるともとの図形と完全に重なる。いっぽう対称軸を奇数本もつ図形は点対称ではない。
関数 y = f(x) のグラフが y 軸を対称軸とする線対称なものであることと、f(x) が偶関数であることは同値である。
3次元
3次元図形の線対称は、2回対称に等しい。
なお、2次元図形の線対称も、その図形を3次元図形と見なしたときの2回対称である。
4次元以上
n次元(n ≧ 4)図形が線対称であるとは、対称軸に直交する各 n - 1 次元空間内において、対称軸との交点を中心とした点対称が成立していることである。
なお、2次元・3次元図形の点対称も、この定義の特殊例である。
線対称な図形として代表的なもの
図形名(対称軸の本数、対称軸が通る点)
2次元
- 円(無限、中心)
- 正n角形(n 本、正奇数角形は各頂点と重心、正偶数角形は各頂点・辺心と重心)
- 二等辺三角形(1本、頂角の頂点と底辺の中点)
- 長方形(2本、対辺の各中点)
- 菱形(2本、対角の各頂点)
- 凧形(1本、互いに角の大きさが異なる対角の各頂点)
- 等脚台形(1本、平行な2辺の各中点)
- 扇形(1本、中心角のある点と弧の中点)
- 楕円(2本、中心と焦点。あるいは2つの焦点から等距離にある異なる2点)
3次元
関連項目
「左右対称」の例文・使い方・用例・文例
- 左右対称の懸垂線
- それは左右対称であるべきだ。
- 水平、平らまたは左右対称でない
- 左右対称でないさま
- 軸を通り抜けている1面の縦断面のみで左右対称の半分へ分割ができる
- 垂直面において左右対称の性質
- 正規分布を表す左右対称の曲線
- 完全な、近接した、または隙間を埋めるものとして不完全な物体を知覚し、非対称の刺激を左右対称であると知覚する先天的な傾向があると考えるゲシュタルトの法則
- カサゴケ科の標準属:大部分はまっすぐで房状の配偶体と左右対称の短頸の被膜に特徴づけられるコケ
- 左右対称の配偶体を持つ苔綱のコケ
- 左右対称に広がった樹冠を持ち、針状葉が枝の先端で傘のように渦巻き状に伸びている、背の高い常緑樹
- 形が左右対称であること
- パルメットという左右対称の文様
- 左右対称のページへのリンク