おてんき‐し【▽御天気師】
御天気師
読み方:おてんきし
- 詐偽師のこと。
- 1 天気の変る如く感情の定まりなく、機嫌気心の急劇に変る人をいふ。御天気もの。2 詐欺の一種を職とするもの。
- 〔犯・的〕お天気詐欺をやる者をいふ。お天気詐欺とは拾得物の分配に事寄せ、又は預け物の紛失に難くせを付けて金銭を強要したり詐欺することをいふ。「オトシコミ」の条参照。
- 贋造紙幣などを使ふ詐欺。
- 「どしやながし」の一種。詐欺の一種で贋造紙幣の札束などを路傍に落して置き金銭を所持してゐるが如き人物を待ち受けて其人と二人で拾得せしかの如くに装ひ、札束は其人にあづけすつかり信用させておき、「一寸煙草を買たいから財布を貸して呉れ給」なんとか云つて其財布を借受けて其侭逃走するを云ふ。「おてんきし」(御天気師)仲間の主犯を「だき」、「だき」を補佐する役を「もち」と云ひ。見張役を「うわ」と云ふ。被害者を「太郎」又は「椋鳥」と云ふ、偽造札束を「どさ」と云ふ。仕事をする際には「だき」一人にてする事もあるが時には共犯でする事もある。其時は共犯の「うわ」、「もち」は大抵白痴、唖者を装ふのが普通である。
- 遺失物横領等の詐欺。大阪。
- 詐欺の一種で、道路で共犯者が落した、ほとんど無価値の物を拾い上げ、さも金目のものでもあるかのように見せかけて、これをみていた通行人に山分けするといってだましその品物を相手に渡し、これに相当する金銭を詐取するもの。〔一般犯罪〕
- 詐欺手口の一種(お天気師関西地方では土砂流しという)。概してお天気のよい日を選んで犯行するところより(贋物をねたにし拾得物山分けに藉口して金品を騙取するもの)。〔詐〕
- 「どしかながし」(※「どしゃながし」か)の一種。詐欺の一種であって、贋造紙幣の札束などを路傍に落しておき金銭を所持している如き人物を待ち受けてその人と二人で拾得したかの如くに装い、札束はその人に預けてすつかり信用させておき、「一寸煙草を買いたいから財布を貸してくれ」とかなんとかいってその財布を借受けそのまま逃走すること。「お天気師」仲間の主犯を「だき」それを補佐するものを「もち」といい、見張役を「うわ」という。被害者を「太郎」又は「椋鳥」という。
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