散らし取り(お散らし)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:03 UTC 版)
古くから行われた遊びかたのひとつで、以下のようなルールに従う。 読み手を選ぶ(普通は一人)。 読み札をまとめて読み手に渡し、取り札は百枚すべてを畳の上などに散らして並べる。 取り手は何人でもOK。みなで取り札のまわりを囲む。このとき不平等にならないように、取り札の頭はそれぞればらばらな方を向いているようにならなければならない。 読み手が読み札を適当に混ぜてから、札の順に歌を読み上げる。 歌が読み始められたら、取り手は取り札を探して取ってかまわない。ある文字まで読まれればその札だと確定できるという文字を決まり字といい、決まり字の把握が札を取る早さを左右する。 同時に何人もが同じ札を押さえた場合には、手が一番下にある人がこれを取る権利を持つ。 間違った札を取った場合(お手つき)には何らかの罰則が行われるが、源平のようにしっかりとした決まりごとはない。 百枚目を取ったところで終了。最も多くの札を取った人が勝ちである。 本来は読み札には上の句しか書いてなかったために、この遊び方は百人一首を覚えるうえでも、札の取り合いとしても、それなりの意味があった。現在では読み札に一首全てが書かれているため、本来の意図は見失われている。ただし大人数で同時に遊ぶためには都合の良い遊び方で、かつてのかるた会などではたいていこの方法を用いていた。 お散らしに限らず、江戸時代までは読み手は作者の名前から順に読み上げ、上の句が終わったところで読むことを止めるのが常であったようだ。現在では作者名を省き、最後まで読んでしまう(なかなか取り手が取れない場合には下の句を繰り返す)。読み方に関しては上の句と下の句の間で、間をもたせすぎるのは良くないとされるが、本来の遊び方からすればナンセンスな問題とも言える。
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