時差修正機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/21 17:32 UTC 版)
世界時計に付随する機能として、腕時計や旅行用の置時計など、および携帯電話、デジタルカメラなど時計内蔵のデジタル機器においては、時差修正機能が搭載されているものがある。 異なるタイムゾーンに移動した際に時計の時刻を簡単に現地の時刻に修正できる機能であり、機械式、クォーツ式とも竜頭や手動ボタンなどで修正する方式が主流である。電波時計の登場により、現地の標準電波を受信して夏時間を含めて自動的に修正できる方式が普及してきたが、時計で受信できる長波の標準電波は日本以外では欧州、米国、中国などに限られており、世界ではまだこの方式が使えない地域も多く、その場合にはクォーツ式と同様の方法で修正する。 時差修正機能は、おおむね時計に内蔵している世界時計機能を流用しているため、この機能を使うことによって現地時刻と相手先時刻を逆転して表示する方式が多い。また、世界時計で対応していないタイムゾーンや夏時間には時差修正機能も対応していないため、時刻を手動で修正する必要がある。 2011年以降、腕時計の時差修正機能にさらに二つの方式が登場した。ひとつは、GPSの時刻及び位置情報を腕時計で受信して、現地時刻を推定し腕時計と同期する方式(GPS腕時計も参照)、もうひとつは携帯電話やスマートフォンが基地局との通信によって常に現在地点の時刻を修正して正確に表示できることに着目し、Bluetoothの通信機能によって、時刻を腕時計と同期する方式である。ただ、GPS方式はGPSが受信できる屋外でないと機能せず、Bluetooth方式は対応する機種のスマートフォンなどが常に近くに無いと機能しないため、現状ではどちらも一長一短である。 カシオが採用したBluetooth方式 (G-SHOCK GB-6900AA,GB-5600AAなど)は、世界時計・時差修正機能ともすべての現行タイムゾーンに対応し、時差修正機能のみ夏時間にも完全対応している。セイコーのGPS方式は一日に1回自動で電波(時刻情報・位置情報)を受信し、世界時計・時差修正機能ともすべての現行タイムゾーンに対応するが、夏時間は手動修正である。シチズンのGPS方式は(2015年時点の機種は)電波受信(時刻情報のみ)を手動で行う必要があり、世界時計機能、時差修正機能とも主要なタイムゾーンのみに対応し夏時間は手動修正である。カシオのGPS方式は全世界を500m四方の升目に区切った地図情報を内蔵し、受信した電波(時刻情報・位置情報)と地図情報とを照らし合わせて世界時計・時差修正・夏時間切り替えが自動で行われる。
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