減胎手術
別名:減数手術
複数の胎児の妊娠が判明した場合に、その胎児うち一部を中絶する手術。妊娠12週未満に行われることが多い。多胎出産時に比べ、減胎手術によって減胎した方が安全に出産を行うことができるという意見もある。
日本において減胎手術が行われるようになった背景には、排卵誘発剤を使用した不妊治療の副作用によって複数胎児を妊娠するケースが増加したことなどが挙げられる。また減胎手術が行われる前には、全胎児の中絶か全胎児の出産のどちらかを選択しなければならなかった。
2013年7月現在、母体保護法では減胎手術について規定しておらず、他に減胎手術に関する法整備もされていない。また減胎手術は、日本の産婦人科界の学会によって禁止されているがその法的拘束力はない。日本では、減胎手術には倫理的な問題があるとされ、減胎手術に関する議論は停滞している。
2013年8月5日に、長野県下諏訪町の諏訪マタニティークリニックが減胎手術を行っていたことが明らかになった。諏訪マタニティークリニックでは、染色体に異常が見られた胎児のみを選んで手術を行っていたとされる。
減数手術
減数手術(げんすうしゅじゅつ)は、多胎妊娠した場合、妊娠初期に一部の胎児を妊娠中絶する手術。減胎手術、多胎一部救胎手術とも言う。妊娠12週までに行われる。
減数手術については、対象の選択、母児の身体的、心理的問題に関する検討が十分ではなく、また法的問題のみならず胎児の生命に対する倫理的問題もあり、社会的合意が得られていないため、その是非に一定の方向が示されていない。
多胎とは
2胎以上の胎児を同時に妊娠している場合を指す。排卵誘発剤、体外受精時に多数の受精卵を子宮へ戻す、等の影響から増加傾向にある。
手術法
問題点
- 適応:4胎以上とする意見もあるが、まだ一致した見解はない。
- 安全性:残存胎児への影響は少ないとされるが、結論は出ていない。
- 法律:母体保護法、堕胎罪に抵触するおそれがある。
- 倫理的:「どの児を生かし、どの児の生命を絶つか」を医師など他人が決めてよいのか。
参考文献
- 減胎手術のページへのリンク