Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

発煙弾発射機とは? わかりやすく解説

発煙弾発射機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 11:15 UTC 版)

レオパルト2戦車に装備されている発煙弾発射機

発煙弾発射機(はつえんだんはっしゃき、英語: smoke grenade dischargers:スモーク・ディスチャージャー)は、発煙弾などを発射するために軍用車両などに装備されている擲弾発射器の一種である。

概要

煙幕を張って敵の視界を遮ったり、随伴歩兵の進撃を支援したり、対戦車ミサイル防御に用いられたりと、用途は様々である。

大きさは各国で様々であり、発煙弾の呼び直径としては40-81mmぐらいが製品化されている。戦車装甲車などには複数個まとめた状態で外装されており、車内からの遠隔操作で発射される。

現代の標準的な外装型多連装発射機はおおよそ第二次世界大戦後期に確立したが、それ以前は車内から装填する単発式発射機もあり、これはバレンタイン歩兵戦車などでは榴弾射撃に応用される等の汎用性もあったが、装甲に穴を開けることになる防御上の不利や、発射間隔が長く肝心の煙幕展張能力が劣るため廃れた。

内装式発煙弾発射機の一種、Nahverteidigungswaffe

ただし、ナチスドイツは先んじて外装式発射筒を採用しながら、車外に出なければ次弾の再装填ができない、戦闘によって容易に破損する等の問題から、上記趨勢に逆行し内装発射機である近接防御兵器(Nahverteidigungswaffe)に転換している[2]

ハンヴィーに搭載された、リモコン機銃、発煙弾発射機、火器管制および警戒用センサーを統合したRWS

近年では、レーザー検知装置と連動して自動発射される物もある。戦車砲の大威力化の代償として携行弾数が減り主砲発煙弾を持ちがたくなったことや、冷戦時代までの機甲戦を主とした想定から外れ、非対称戦下における歩兵直協の比重が増したこと、アクティブ防護システム(APS)に組み込まれ発煙弾以外の迎撃弾の発射機能も求められるようになってきたこと等の事情から、車載発煙弾発射機の装弾数(連装数)は増加の趨勢にある。また前線の戦闘地帯と後方の非戦地帯の区別が無くなってきたこともあり、旧来のジープや軍用トラック等に代わる歩兵機動車などに自衛用の発煙弾発射機の装備も増えている。

陸上自衛隊

陸上自衛隊の車両に装備された発煙弾発射機は、下記の2種類がある。

74式戦車の砲塔側面に装備された74式60mm発煙弾発射機

74式60mm発煙弾発射筒

  • 口径:60mm
  • 主な装備車両
    • 73式装甲車
    • 74式戦車
    • 78式戦車回収車
    • 87式偵察警戒車(初期生産型)※専用の装備方法
    • 87式自走高射機関砲(初期生産型)
    • 89式装甲戦闘車(初期生産型)
    • 90式戦車(試作車)
    • 90式戦車回収車(試作車)
    • 61式戦車(改修により後付け)
    • 60式装甲車(改修により後付け)
  • 使用弾薬
    • 74式60mm発煙弾

76mm発煙弾発射機

1989年に部隊使用承認された76mm発煙弾を発射するための発煙弾発射機。

  • 口径:76mm
  • 重量:30㎏
  • 主な装備車両
    • 87式偵察警戒車
    • 87式自走高射機関砲
    • 89式装甲戦闘車
    • 90式戦車
    • 90式戦車回収車 ※専用の装備方法
    • 91式戦車橋
    • 92式地雷原処理車
    • 96式装輪装甲車
    • 施設作業車
    • 軽装甲機動車(一部の車両)
    • 10式戦車
    • 11式装軌車回収車 ※専用の装備方法
    • 16式機動戦闘車
    • 水陸両用車(AAV7)人員輸送型
  • 使用弾薬
    • 76mm発煙弾

1989年に部隊使用承認されたライセンス国産の弾薬。

  • 全長:172mm
  • 直径:76mm
  • 重量:1.3㎏

脚注・出典

  1. ^ Die Nahverteidigungswaffe”. 2021年8月11日閲覧。
  2. ^ この"Nahverteidigungswaffe"は長らく対人炸裂弾Sマインの発射機だと誤解されていた。実際には発煙弾以外の発射にはこの装置の砲身を射撃孔として利用し、信号拳銃改造の擲弾銃である「ワルサーカンプピストル(Walther Kampfpistole)」を用いて対人用擲弾他や信号弾を発射する[1]

関連項目


発煙弾発射機(スモーク・ディスチャージャー) (4)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 15:16 UTC 版)

戦車」の記事における「発煙弾発射機(スモーク・ディスチャージャー) (4)」の解説

防御戦闘時に敵の視界遮ったり、随伴歩兵進撃支援したり、ミサイル防御煙幕発生させるための発煙弾発射する東側車輌にはエンジン排気燃料噴霧して煙幕発生させる機構併用する物もある。詳細は発煙弾発射機 を参照

※この「発煙弾発射機(スモーク・ディスチャージャー) (4)」の解説は、「戦車」の解説の一部です。
「発煙弾発射機(スモーク・ディスチャージャー) (4)」を含む「戦車」の記事については、「戦車」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「発煙弾発射機」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「発煙弾発射機」の関連用語

発煙弾発射機のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



発煙弾発射機のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの発煙弾発射機 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの戦車 (改訂履歴)、レッドホーン (改訂履歴)、白リン弾 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS