ひふ‐こきゅう〔‐コキフ〕【皮膚呼吸】
皮膚呼吸
皮膚呼吸
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皮膚呼吸(ひふこきゅう、cutaneous respiration, skin breathing)とは生物学において、「体表を用いて行われる外呼吸」とされている[1]。体の表面は酸素を通過させる機能をもっている[1]。ミミズやヒル、コケムシなどは呼吸器官がなく皮膚呼吸だけを行っており、また呼吸器官があっても皮膚呼吸も行う動物は多い[1]。鳥類や哺乳類では、例えばハトやヒトでは、1%以下とされ皮膚呼吸は行っているがその割合は低い[1]。ヒト早産の新生児ではその比率は上がり13%である[2]。成人ではヒトの皮膚の表面から0.25-0.4mmの深さまでだけがほぼ空気中から皮膚を通しての酸素供給が行われており、残りはほぼ肺・血流と経て酸素が供給される[3]。
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- ^ なお、肌につける物に由来する中毒の例では、16世紀に鉛の薄板を酢で蒸すという簡便な方法が中国から伝わり大衆に広まったため、明治時代になって社会問題化した「女性や歌舞伎役者が使用していた鉛白粉に含まれる鉛白(鉛をつかった白色顔料)による鉛中毒(重金属中毒)」が挙げられる。当代きっての役者が天覧歌舞伎の演技中に足が震えて公演が中断するという事件が報じられた(職業病・労働災害)
- ^ 中野昭一、『医学パズル』光文社 カッパブックス、1975年初版、209-210ページ
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皮膚呼吸
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ミミズは呼吸に特化した器官を持たず、皮膚に毛細血管が集まっていてここでガス交換を行う。脊椎動物では魚類、両生類、爬虫類の一部が体表でのガス交換を行っている。 無脊椎動物のほとんどは皮膚で呼吸が可能である。特に体が小さい場合、体内の動物質の量に比して表面積の比が大きくなる(2乗3乗の法則)ため、特に呼吸器を必要としない。
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