酸化的リン酸化
ミトコンドリア内膜で行われる、呼吸鎖の電子伝達系を利用した酸素の還元(酸素による酸化)によるエネルギーを利用したATP生産過程の総称。
呼吸
酸化的リン酸化
酸化的リン酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 18:09 UTC 版)
電子伝達系では、複合体Iが還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)から2つの電子を移動することにより、ユビキノン(UQ)からユビキノール(UQH2)への還元を触媒する。それに伴って、4つのプロトンがミトコンドリアマトリックスからIMSへ移行する。 NADH + H + + UQ + 4 H + ⏟ m a t r i x ⟶ NAD + + UQH 2 + 4 H + ⏟ I M S {\displaystyle {\ce {NADH}}+{\ce {H^+}}+{\ce {UQ}}+4\underbrace {{\ce {H^+}}} _{\mathrm {matrix} }\longrightarrow {\ce {NAD^+}}+{\ce {UQH_2}}+4\underbrace {{\ce {H^+}}} _{\mathrm {IMS} }} 複合体IIIはQサイクルを触媒する。最初の段階では、複合体Iによって還元されたUQH2からの2つの電子がQo部位の2分子の酸化型シトクロムcへ移動する。2番目の段階では、Qi部位のUQH2をUQへ還元するためもう2つの電子が必要となる。全体の反応は次のように表される。 2 c y t o c h r o m e c ⏟ o x i d i z e d + UQH 2 + 2 H + ⏟ m a t r i x ⟶ 2 c y t o c h r o m e c ⏟ r e d u c e d + UQ + 4 H + ⏟ I M S {\displaystyle 2\ \underbrace {\mathrm {cytochrome\ c} } _{\mathrm {oxidized} }\ +\ {\ce {UQH_2}}\ +\ 2\underbrace {{\ce {H^+}}} _{\mathrm {matrix} }\longrightarrow 2\ \underbrace {\mathrm {cytochrome\ c} } _{\mathrm {reduced} }\ +\ {\ce {UQ}}\ +\ 4\underbrace {{\ce {H^+}}} _{\mathrm {IMS} }} 複合体IVは、複合体IIIで還元されたシトクロムcからの2つの電子の酸素分子の一方への移動を触媒する。酸化的リン酸化で酸素1分子を完全に利用するためには、4つの電子の移動が必要となる。その後、酸素は水分子を形成するためにマトリックスの4つのプロトンを消費し、4つのプロトンがIMSへと汲み出される。全体の反応は次のように表される。 2 c y t o c h r o m e c ( r e d u c e d ) + 4 H + ( m a t r i x ) + 1 / 2 O 2 ⟶ 2 c y t o c h r o m e c ( o x i d i z e d ) + 2 H + ( I M S ) + H 2 O {\displaystyle 2\ cytochrome\ c\ (reduced)\ +\ 4H^{+}\ (matrix)\ +\ 1/2\ O_{2}\longrightarrow 2\ cytochrome\ c\ (oxidized)\ +\ 2H^{+}\ (IMS)\ +\ H_{2}O}
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