でんし‐ほかく〔‐ホクワク〕【電子捕獲】
電子捕獲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/20 16:56 UTC 版)
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電子捕獲(でんしほかく、electron capture、略称:EC)とは、原子核の放射性崩壊の一種である。電子捕獲では、電子軌道の電子が原子核に取り込まれ、捕獲された電子は原子核内の陽子と反応し中性子となり、同時に電子ニュートリノが放出される。捕獲される電子は普通はK殻の電子であるが、L殻やM殻の電子が捕獲される場合もある。
現象
この壊変では、中性子数が1つ増加し陽子数が1つ減少するため、質量数は変化せず原子番号が1つ減少する。
軌道に生じた孔には、その外側の電子軌道から電子が遷移して、軌道のエネルギーの差に相当する波長のX線(特性X線)が放出される。また、より高い準位の軌道電子がこのエネルギーを受け取って原子外に放出されるオージェ電子も観測される。
電子捕獲の頻度は、化学結合や圧力などの外部の影響を受けてわずかに変化する。例えばベリリウム7は、金属状態の半減期と比較して、フッ化物では0.074 %長くなる。また、ベリリウム7原子をフラーレン (C60) の内部に閉じこめることで、半減期が0.83 %短くなったという報告がなされている[1]。
β+崩壊は、親核と娘核のエネルギー差が電子と陽電子の静止エネルギー以上でなければ起こりえない。しかし実際には、この関係を満たさない崩壊の例が多くあった。1935年に湯川秀樹は、原子核が軌道電子を捕獲するという別の過程を提案し、1937年にルイ・アルヴァレによってK殻電子の捕獲が実験的に証明された。
発見
電子捕獲の例
電子捕獲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 11:10 UTC 版)
詳細は「電子捕獲」を参照 陽子が軌道上の電子を捕獲して中性子に換わり、電子ニュートリノと特性X線を放つ現象。ベータ粒子は放出しない。ε または EC (electron capture) と略される。書籍によって「軌道電子捕獲」と記述されることもある。 p + + e − ⟶ n + ν e {\displaystyle {\ce {p^{+}{}+{\mathit {e}}^{-}->{\mathit {n}}{}+\nu _{\mathit {e}}}}} 原子番号が一つ小さい元素に変化する。崩壊のメカニズムは大きく異なるものの、原子番号が一つ小さい同重体となる結果だけを見れば、β+崩壊と電子捕獲は同じものといえる。 Ar 18 37 ⟶ Cl 17 37 {\displaystyle {\ce {_{18}^{37}Ar -> _{17}^{37}Cl}}} 、アルゴン37から塩素37(半減期 36日)
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