【Bf109】(びーえふいちまるきゅう)
Messerschmitt Bf109
第二次世界大戦中の全期間を通じて活躍した、ドイツ軍の主力戦闘機。
液冷エンジンを装備した高速戦闘機で、機体重量に比し小さく薄い主翼やモーターカノン、主脚のエンジンマウントなど、特徴のある設計となっている。
何度も改修されたために多くのバリエーションがある。
終戦までに製造された機数は30,000機を超え、戦闘機においてこれを凌ぐ生産機数はソビエトのIl-2シュトルモビクの36,163機だけである。
さらに戦後もイスラエル軍がチェコスロバキアから輸入し、中東戦争でも使われた。
スペックデータ(Bf109G-6)
乗員 | 1名 |
全長 | 9.02m |
全高 | 3.04m |
全幅 | 9.92m |
翼面積 | 6.05㎡ |
自重 | 2,670kg |
最大重量 | 3,150kg |
発動機 | ダイムラーベンツ 605AM 液冷倒立V型12気筒(出力1,800馬力)×1基 |
速度 (最高/巡航) | 621km/h(高度7,000m)/545km/h |
上昇限度 | 11,800m |
航続距離 | 720km |
武装 | MG131 13mm機銃×2門、MGFF又はMG151/20 20mm機関砲×2門、 MK.108又はMK.103(MG151/20(20mm)の場合もあり)30mmモーターカノン×1門 |
(Bf-109 G2/trop)
関連:メッサーシュミット Fw190 ルフトバッフェ ハンス・ヨアヒム・マルセイユ スピットファイア
バリエーション(カッコ内は非公式愛称)
- Bf109V:
前生産型。A~E各型のもととなった機体。
一部はスペイン動乱で実戦試験に投入された。
- Bf109A(アウグスト August):
初期生産型。
木製固定ピッチ2翅のプロペラを持ち、エンジンはロールス・ロイス ケストレル(出力570馬力)を搭載している。
- Bf109B(ベルタ Berta):
Jumo 210エンジンを搭載した改良型。スペイン動乱初期の主力機となった。
- Bf109C(ツェーザー Cäser、またはクラーラ Klara):
主にスペイン動乱からポーランド侵攻にかけて少数が使用された。
機首上面と翼内に各2門のMG17 7.92mm機関銃を装備した。
MGFF 20mm機関砲を搭載することが予定されたC-3は生産されなかった。
なお、「ツェーザー」は人名のほか、ローマ帝国皇帝カエサルを特に指す固有名詞的な使い方もされる。
- Bf109D(ドーラ Dora):
Jumo 210を搭載した機体で、主にスペイン動乱からポーランド侵攻にかけてある程度の機数が使用されたが、すぐにBf109Eが登場したため戦場に長くは留まらなかった。
- Bf109E(エーミール Emil):
ダイムラー・ベンツ製エンジンDB 601Aを搭載した機体で、二次大戦初期の主力機となった。後期型では出力向上させたDB 601Nも使用された。
- Bf109E-1:
DB601Aエンジン(出力1,100hp)を搭載。武装は7.92mm機銃×4門を装備。 - Bf109E-1/B:
E-1型に爆弾搭載能力を付与した戦闘爆撃機型。 - Bf109E-2:
E-1型と似た機体だが、武装は20mm機関砲と7.92mm機銃を各2門にしたモデル。 - Bf109E-3:
武装強化型。20mmモーターカノン×1門と7.92mm機銃×4門を装備。 - Bf109E-4:
改良型。風防形状を変更したほか、20mmモーターカノン×1門を撤去し、20mm機関砲×2門を追加。 - Bf109E-4/N:
DB601Nエンジン(出力1,200hp)搭載モデル。武装はE-4型と同じ。 - Bf109E-4/Trop:
熱帯型。防砂フィルター等を装備。 - Bf109E-5:
武装を7.92mm機銃×2門に減じた偵察戦闘機型。E-6型も同様。 - Bf109E-7:
E-4/N型と似た機体だが、胴体下落下タンクの装備を追加。 - Bf109E-7/U2:
E-7変形モデル。地上攻撃任務用の装備を追加。 - Bf109E-7/Z:
E-7型にGM-1増力装置を搭載したモデル。 - Bf109E-8:
DB601Eエンジン(出力1,300hp)を搭載。落下タンクを装備。武装等はE-1型に準拠。 - Bf109E-9:
E-8型から武装を減じた偵察戦闘機型。
- Bf109E-1:
- Bf109F(フリードリヒ Friedrich、またはフリッツ Fritz):
DB601N及び改良されたDB601Eエンジンが搭載された機体。
空気抵抗を減少させる設計に刷新された。大きな性能向上を果たし、中期の主力機となった。
- Bf109G(グスタフ Gustav):
DB605エンジンを搭載した機体。
多数の派生型が開発され、後期の主力機となった。
- Bf109G-1
DB605A-1エンジン(出力1,475hp)を搭載。武装は20mmモーターカノン×1門と7.92mm機銃×2門を装備。 - Bf109G-1/Trop:
7.92mm機銃を15mm機銃に変更したモデル。機首部のふくらみが特徴。 - Bf109G-2:
G-1型の非与圧型。武装等に変更無し。 - Bf109G-3:
G-1型の無線装置を改良した機体。 - Bf109G-4:
G-3型の非与圧型。 - Bf109G-5:
方向舵を改設計したモデル。水噴射装置付きDB605Dエンジン(出力1,800hp)を搭載。 - Bf109G-6:
DB605系エンジンを搭載。武装は30mm機関砲×1門、20mm機関砲×2門、13mm機銃×2門。 - Bf109G-8:
武装を減じた偵察戦闘機型。 - Bf109G-10:
水噴射装置付きDB605Gエンジン(出力2,000hp)搭載モデル。 - Bf109G-12:
複座練習機型。 - Bf109G-14:
20mm機関砲×1門と15mm機銃×2門の他に翼下にロケット弾を搭載可能にしたモデル。 - Bf109G-16:
地上攻撃任務用の変型機。
- Bf109G-1
- Bf109H(ハインリヒ Heinrich):
Bf109Fから開発された高高度戦闘機型。
翼幅が拡張され、高度10,100mにおいて750km/hでの飛行が可能とされた。
少数のH-1が生産され、試験されたが主翼の強度不足から開発は放棄された。
- Bf109J:
スペインでのライセンス生産計画案。実現せず。
- Bf109K(クーアフュルスト Kurfürst):
量産された最後の機体。なお、「クーアフュルスト」とは「選帝侯」のこと。
戦争末期に完成し2機のみ配備されたK-14型では2段2速過給器付きDB605Lを搭載し、高度14000mで740km/の速度を発揮した。
- Bf109L:
Jumo213Eエンジン搭載の速度向上型提案。計画のみ。
- Bf109S:
吹き出しフラップ搭載の提案型。計画のみ。
- Bf109T(トレーガーフルークツォイク Trägerflugzeug):
E-3型にカタパルトフックとアレスティングフックを追加、主脚強化、主翼延長と翼端を折りたたみ式に改造した艦上戦闘機型。
航空母艦「グラーフ・ツェッペリン」に搭載する予定だった。
フィゼラー社担当でまず先行量産型T-0型を10機製作、E-4/N型ベースのT-1型60機の量産が進められた。
しかし空母が未完成に終わったため、完成した機体から艦載用装備を撤去、ノルウェーや北西ドイツの陸上基地で部隊運用された。
- Bf109Z(ツヴィリング Zwilling):
双発機型。実用化されなかった。
- Bf109W(ヴァッサーフルークツオイク Wasserflugzeug):
双フロート式の水上機型。
- Bf109X:
BMW801空冷エンジンを搭載する試作型。胴体はF型を流用。
Bf109
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 14:31 UTC 版)
ドイツのチームが使用していた機体。ドイツのメッサーシュミット製。マデリーンらはさらに大出力エンジンに換装している。
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