EGDT
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/28 15:20 UTC 版)
初期蘇生の循環管理 (early goal-direct therapy) の略。敗血症では適切な抗菌薬を1時間以内に投与することを推奨している。これは1時間投与が遅れると 7.6% ずつ予後が悪化するとされているからである。この場合は広域な抗菌薬を使用する。そして速やかに大量輸液を行う。目標値としては 中心静脈圧を 8〜12 mmHg となる輸液管理および 平均血圧 > 65 mmHg、尿量 > 0.5 mL/kg/h、中心静脈酸素飽和度 あるいは 混合静脈血酸素飽和度 > 70% を目指す。通常最初の6時間で 6〜10 Lの輸液が必要となる。人工呼吸器管理をしている場合は胸腔内圧が高くなるので 中心静脈圧を 12〜15 mmHg を目標とする。中心静脈圧を保っても 平均血圧が 65 mmHg を下回るのならば昇圧剤の投与を開始する。ノルアドレナリンやドパミンが用いられる場合が多い。平均血圧が 90 mmHg 以上となった場合は硝酸薬(ニトログリセリン)を併用する。平均血圧が保てれば中心静脈酸素飽和度あるいは混合静脈血酸素飽和度を確認し、ヘマトクリット値が 30% 以下ならば輸血を行い、それでも 30% 以上を保てなければドブタミンを使用する。 なおEGDTを行う場合は大量輸液によって肺の酸素化が障害される場合が多く、人工呼吸器管理となることが多い。急性肺障害 (ALI) に基づいて呼吸管理する場合が多い。
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