G-ウィルス(G-Virus)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:35 UTC 版)
「バイオハザードシリーズ」の記事における「G-ウィルス(G-Virus)」の解説
『2』『DC』『DG』に登場する架空のウィルス。『5』『6』では文書ファイル上で名前のみ登場するが、特に『6』におけるバイオハザードの元凶となる新型ウィルスの開発に用いられる型でも登場する。 正式名称は『Golgotha Virus』。「Golgotha」はキリストが磔にされ処刑された「ゴルゴタの丘」から付けられたもので、「墓場」「受難の地」を意味する。 t-Veronicaと並び、『始祖ウィルス』ベースの改良型ウィルスの中でも、上位に位置しており、t-ウィルス以上の脅威を有する。 また、t-ウィルスよりも上位に位置しているため、t-ウィルスの効果を一切無効化し、悪影響を全く受けない。 ウィリアム・バーキン博士が始祖ウィルスを改良した試作段階ウィルスの被験者(リサ・トレヴァー)の体内から発見し採取した未知のウィルスをベースにして研究や実験、改良を重ねた結果、誕生した。色は紫。リメイク版の『1』で確認できる観察記録書によると、始祖ウィルスの投与からG-ウィルス発見に至るまでには実に21年もの歳月が掛かっていたようであり、その間に熟成された所に、フランス研究所から取り寄せた寄生生物「ネメシス」のプロトタイプを取り込んだことで突然変異を起こした結果、G-ウィルスの誕生に至ったと記されている。 このウィルスは、他の始祖系ウィルスに比べて未知なる構想の上に成り立ち、兵器の概念からも逸脱した存在である。本来、一度生体内の遺伝子に変異を起こした生物は進化の袋小路に入ってしまい、それ以降ウィルスによる突然変異を起こすことはほとんど無いが、G-ウィルスが他の始祖系ウィルスと一線を画している理由はここにある。始祖系ウィルスに感染した生物(特にt-ウィルス系統の生物など)は変異を起こすが、それはウィルスの遺伝子により構造変化させた物であり、宿主生体内の遺伝子が突然変異を起こすのは希である。ウィルスの活性化によって生体内の遺伝子が再構築される場合もあるが、それには外的要因が必要であり、変異もある程度の予想の範疇にある。 このウィルスに感染した生命体は、外的要因を必要とせず自発的な突然変異を続けるため、死ぬまで予測不能な進化を繰り返すようになる。多大なダメージによる生命危機からの超回復の過程でも進化が起こる。それが短期間であった場合は、劇的な進化が断続的に起こる場合もある。繁殖能力も備えることによって、“胚”の植え付けによる繁殖本能にしたがって行動するようになり、知能も自我もほとんど失ってしまう。 死者をも蘇らせる効力を持つとされるが、『2』の劇中にて変異したウィリアムはまだ瀕死状態であり、完全に息絶えていたわけではなかったため、死者の蘇生の点については未知数である。 生物としては完全とは言い難いため、胚を植え付ける相手は、自分と遺伝情報が似通った者でなければ、不完全なG-生物が生まれるだけで、まともな繁殖すら儘ならない。そのため、感染者の血縁関係の濃い人間を標的に追い掛け回す傾向がある。胚を植え付けられた相手の遺伝子情報が植え付けた側と似通っていた場合、植え付けられた胚は宿主の体と融合し、完全なG-生物化することになる。G-生物となった人間はウィリアムを例に取ると、最初は人間の姿を保っているが、右肩に巨大な目玉が生成され、腕が肥大化する。進行すると頭部が別のものに置き換わり、脇腹の部分から新しい腕が生えるなど、人間の姿はほとんど失われる。そして、最終的には触手を持つ巨大な肉塊の生物になってしまった。胚を植え付けられた者の対処法は、対G用ワクチン「DEVIL」を投与する以外に手立てはないが、それも胚が初期段階にある時のみに限られ、G-生物としての進化が始まった時点で投与してもウィルスの侵食はもはや止められない。投与しない場合、胚がその人の体に合わなければ、拒絶反応を起こして宿主の体を内部から破壊してしまう(宿主は死亡する)。この場合は不安定なG-生物が複製される。なお、「DEVIL」の色は『2』のムービーだと薄い緑色。 『biohazard archives』によると「DEVIL」とは、G-ウィルス抗原体の事で、Gの持つ特性の裏を付いたものである。G-ウィルスに感染した生物は激しい拒絶反応を受けない限りは、長い時間を掛け、宿主と融合をしていく。これが完了すると、従来の細胞とG-ウィルスによって生み出された細胞とそっくり入れ換えられ、完全なG-生物に進化する。逆を言えば、融合過程において抗体を受け付けられる余裕がある事を示しており、加えて早期の段階であれば、対G用抗原体が感染者の体内で有効作用する事を示している。ただ、G-ウィルス全てを駆逐出来る訳ではなく、体内にはG抗体が形成され、一部のウィルスは形を変えて残る。G-ウィルス感染者の中でこの状態となっているのは、現在の所、シェリー・バーキンのみである。また、この状態になった感染者はウィルスの影響により、重傷を負っても瞬時に再生したり、肉体の老化の大幅な遅れや、停止などの特徴がある。 このワクチンの生成方法は特殊であり、活性処理機「VAM」と呼ばれる装置を用いる必要がある。この装置にワクチンベースを収納したカートリッジをセット、処理機を稼働させ、ワクチンベースが自動的にカートリッジにセットされた後に取り外す。これをP-4レベル実験室の生成機にセット。生成プログラムを起動させることで自動生成が始まり、10秒程度で処理が完了し、ワクチンが完成する。このワクチンは非常にデリケートで、微かな振動、衝撃、温度変化により変質してしまうため、取扱いには十分注意が必要となる。 アルバートは、始祖ウィルスにt-ウィルス、G-ウィルス、t-Veronicaを融合させて強化しようとしたが、始祖ウィルス側の毒性が強すぎたため、頓挫してしまっており、ウロボロス・ウィルスの完成まではジルの持つ強力なt-ウィルス抗体の発見まで待たねばならなかった。 先述した通り、G-ウィルスに感染した生物は、非常にタフな肉体を有する上、死ぬまで予測不能の進化を遂げること、ワクチンが一定段階進化が進んでいると効果がないこともあり、制御が非常に困難であるとの結果が出ており、このウィルスによるB.O.W.研究はなされず、事実上の凍結状態となってしまっている。それでもこれらの性質故に悪用された場合の危険性も高く、B.S.A.A.の内部文書ではG-ウィルスを用いたバイオテロが確認された場合にはB.S.A.A.全支部の警戒レベルが「10」に引き上げられることや、支部を超えての作戦行動の必要がある旨が記されている。 なお、上記にもあるが、『6』ではカーラー・ラダメスによって新型ウィルス「C-ウィルス」開発に用いられており、このウィルスにより誕生したジュアヴォなどは、ダメージを受けた箇所が再生の過程で変異を起こしたりするなど、G-ウィルス感染者と似た特徴がある。
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