グループGT2
グループGT2(グループジーティーツー)は、自動車レースに使用する競技車両のカテゴリーの1つである。1999年で旧GT1が消滅し、旧GT2車両がGT1に改称しトップカテゴリーに設定された際に下位カテゴリーとして設立された。FIAによる正式な呼称は「Groupe GT2(仏語:グループ GT2)」であるが、日本国内ではあまり一般的な呼び方ではなく、「GT2クラス」もしく「FIA GT2」などと呼ぶことがほとんどである。
概要
市販スポーツカーを改造した車両がホモロゲーション(公認)の対象となる。改造範囲がGT1マシンにくらべて狭く、より市販車に近い[1]。世界のGTレースでワークス・プライベーター問わず運用された。しかし勝てるマシンが限られたことから人気が衰退し、後にフランス西部自動車クラブ(ACO)が耐久レース向けのLM-GTEとして発展させたものを引き継ぐ形となった。
その後、ブランパンGTシリーズ(後のGTワールドチャレンジ)を運営するSROモータースポーツグループが「GT2」の名称を復活させることを発表[2]。2021年よりGTワールドチャレンジ・ヨーロッパの併催イベントとしてGT2ヨーロピアンシリーズが開催されているほか、いくつかの地域でレースが行われている。
歴史
- 1999年 - 旧GT1の消滅により、旧GT2がGTカーのトップカテゴリーとなった際に設立[3]
- 2005年 - クラス名を"GT2"に変更
- 2010年 - レギュレーション変更、最低重量が増加。FIA GT2ヨーロッパ選手権として開催予定だったが、エントリーが集まらずFIAタイトルを冠する選手権としてのGT2カテゴリーが消滅
- 2011年 - クラス名を"LM-GTE"に変更
- 2018年 - SROにより"GT2"の名称が復活[2]
レギュレーション
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エンジン(排気量)
- NA
- 8Lまで(1999~2009)|5.5Lまで(2010~)
- ターボ
- 6Lまで(1999~2009)|4Lまで(2010~)
最低重量
- 1,100kg(1999~2009)|1,145kg or 1,245kg(2010~)
駆動系、足回り
- 4輪駆動禁止。
- フルAT、セミATギアボックス使用禁止。
- アクティブサスペンション禁止。
- カーボンディスクブレーキ禁止。
- タイヤ最大径は28インチ、最大幅は14インチ。
燃料タンク最大容量
- 100L(1999~2009) | 90L(2010~)
導入を許可していたレース一覧[4]
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- ル・マン24時間レース
- アメリカン・ル・マン・シリーズ
- ヨーロピアン・ル・マンシリーズ
- FIA GT選手権
- インターナショナルGTオープン
- 英国GT選手権
- FFSA GT Tour(フランス)
- ベルギーGT選手権(旧Belcar)
- イタリアGT選手権
- スペインGT選手権
- 全日本スポーツカー耐久選手権
- SUPER GT
ホモロゲーション取得車両一覧(GT2規定)
マニュファクチャラー | 車種 | 画像 | 年 | 出典・備考 |
---|---|---|---|---|
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V8 ヴァンテージ GT2 | ![]() |
2008–2011 | |
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M3 GTR (E36) | 1999–2000 | ||
M3 GT (E46) | 2000–2003 | |||
M3 GTR (E46) | ![]() |
2001–2006 | ||
M3 GT (E92) | ![]() |
2009–2012 | ||
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コルベット LM-GT (C5) | ![]() |
2001-2005 | |
コルベット ZR1 C6.R | ![]() |
2009-2013 | ||
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360モデナ N-GT | ![]() |
2000-2002 | |
360モデナ GT | 2002-2004 | |||
360モデナ GTC | 2004-2005 | |||
430 GT/GTC | ![]() |
2006-2010 | ||
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GT (Mk.Ⅶ) | ![]() |
2008-2011 | |
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XKR | ![]() |
2010-2011 | |
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ガヤルド LP560 GT2 | ![]() |
2009-2011 | |
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エスペラント GT-LM | ![]() |
2003-2009 | |
アブルッツィ GT2 | ![]() |
2011 | ||
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911 GT3 R (996.1) | ![]() |
1999-2000 | |
911 GT3 RS (996.1) | ![]() |
2001-2003 | ||
911GT3 RSR (996.2) | ![]() |
2004–2005 | ||
911GT3 RSR (997) | ![]() |
2006–2012 | ||
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C8 ダブル-12R | ![]() |
2002-2003 | |
C8 スパイダー GT2-R | ![]() |
2005-2007 | ||
C8 ラビオレット GT2-R | ![]() |
2008-2010 |
参考文献
- "LE MANS" GRAND TOURISME ENDURANCE GT車両 テクニカルレギュレーション(2012年)
- 2012年ル・マン24時間/WEC/各ル・マン・シリーズの主要レギュレーション
脚注
- ^ それでもGT3よりは改造範囲が広い
- ^ a b “GT2”のネーミングが復活。SROが700馬力級の新カテゴリーを創設へ - オートスポーツ・2018年8月2日
- ^ ル・マンでは"GT"として、FIA GT選手権では1年遅れで"N-GT"として設立。
- ^ SUPER GTでも出場可能だがあくまで特認車扱いの為除外
関連項目
- SRO GT2 (en: SRO GT2)
- モータースポーツ
- 国際自動車連盟
- スパ・フランコルシャン24時間レース
- FIA GT選手権
- FIA 世界耐久選手権
- ル・マン24時間レース
- アメリカン・ル・マン・シリーズ
- ル・マン・シリーズ
- グループGT1
- グループGT3
外部リンク
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GT2 | GT(LM-GTS) | GT1 | |||||||||||||||||||||||||||
GT3 | N-GT(LM-GT) | GT2 | LM-GTE | ||||||||||||||||||||||||||
GT3 | |||||||||||||||||||||||||||||
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GT4 |
GT2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 23:02 UTC 版)
「1994年のル・マン24時間レース」の記事における「GT2」の解説
GT1より制約が厳しく、これまでのGTカークラスに似ていた。エンジンの換装は許されず、最低車両重量は1,050kg、タイヤサイズも制約があった。出力450馬力程度。燃料タンク120L。 ポルシェ・911、ホンダ・NSX、ロータス・エスプリ、フェラーリ・348LM、ヴェンチュリー・400GTRなど21台が出場した。 特に注目されたのはホンダ・NSXで、ホンダでチューニングされ、マシン製作はイギリスのTCプロトタイプ、レース運営はクレマー・レーシングと国際的なチームで、GT2クラス優勝を目標としていた。クレマー・ホンダ・レーシングからアルミン・ハーネ/ベルトラン・ガショー/クリストフ・ブシュー組、清水和夫/フィリップ・ファーブル/岡田秀樹組。もう1台はチーム国光とのジョイントチームであるクレマー・ホンダ・チーム国光からのエントリーで、高橋国光/土屋圭市/飯田章組であった。
※この「GT2」の解説は、「1994年のル・マン24時間レース」の解説の一部です。
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